●「習慣として身についているものは、事実上、持って生まれついたのと同じようなものになっている」。
───アリストテレス『弁論術』
●「人生の特性を決定するのは、日常の小さな事柄であって、偉大な行動ではない」。
───カール・ヒルティ『眠られぬ夜のために』
●「天才とは、蝶を追っていつの間にか山頂に登っている少年である」。
───ジョン・スタインベック(米国の小説家)
習慣は日々の反復的な行動です。それはたとえ小さな行動であっても、長い間積み重なることで、あたかも生まれつき持ってきたかのような性向として固まってきます。習慣が「第二の天性」と言われるゆえんです。習慣は自分自身にさほど大きな心的負担をかけないにもかかわらず、結果的に生活・人生に強い影響を及ぼします。
習慣は下図のように天性と努力の中間に位置し、両方の性質を持つことが重要な点です。つまり、習慣は努力の一部、技術の一部ですから、意志を持って取り組めば、自分の性向や態度、姿勢をそう仕向けることが可能です。そこには、まったく新しい第二の天性を後天的につくることができるという希望があります。
ただ、習慣には「よい習慣」と「悪い習慣」があります。よい習慣は自分の生活に薬として効いてきますが、悪い習慣は毒として作用します。それほどに日々の振る舞いの地盤は重要なものです。
よい習慣を何か始めるためには、最初の気持ちをゼロからイチに起こすところが大変です。しかし、それをしばらく持続させていくことで新しい習慣が誕生します。その習慣は長い時間をかけて自分を望ましいところへ誘ってくれるでしょう。さあ、新しい年にあなたはどんな習慣を始めますか。