サイバーエージェントに見る真にクリエイティブな組織の創り方(前編)を読む
井上:前回、「ジギョつく」からは事業の柱となるようなプランは残念ながら出てこなかった、というお話を伺いました。しかし、それでも続けていらっしゃるのには理由があるわけですよね。
曽山:もちろん良いアイディアの種は見つかっていますので、それを別の会議体で詰め切って事業化することはあります。ただ、何よりの果実は人材の発掘ですね。(社長の)藤田はジギョつくの目的を「人材6割、事業4割」と明確に言っているんです。事業の種を見つけたいというのもあるけど、それ以上に新規事業立ち上げに携わりたい社員、アイディアが豊富な社員、などの人材を見つける場としては、大いに機能しています。
井上:現場からアイディアが出てこない、というのはよく聞く話ですので、年間数百本もの新規事業プランが出てくるだけでも凄いと思います。そのうえ更に、人材発掘にもつながっている、と。ジギョつくによって人材を発掘し、抜擢するという流れを創り出したことによって、部門ごとで人材を囲い込むということがなくなりますよね。そして新しい事業に人を異動させチャレンジさせることによって、自然とクリエイティブ・フリクション(創造的摩擦)も作り出される・・・
曽山:はい。もう何人抜擢したか分からないぐらい、若手を登用しています。
井上:とは言え、ジギョつくからは“ホームラン”は出ていないとすると、サイバーエージェントのイノベーションの原動力は、他にもあるということですよね。
役員のチーム対抗イノベーションバトル「あした会議」で実行プランまで意思決定する
曽山:はい。我々の経営の中でジギョつくは大切な仕掛けですが、新規事業創出という文脈では「あした会議」というものが非常に効いています。これは一口に言うと役員対抗の“イノベーションバトル”です。参加者は、役員を中心とした10名程度のサイバーエージェントの幹部社員。彼らを中心に、それぞれが指名した5名の社員で部門横断のチームを作り、約2カ月をかけ新規事業や直面する課題の解決案といったプランを3つずつまとめます。指名は役員会でくじ引きをしてドラフト制で決めていきます。
全10チームの組成ですから30案があした会議に出てくることになります。そして、その案を社長の藤田が審査員として評価します。シビアなのはこの順位が公表されてしまうこと。さらに最下位を取ると次回のあした会議にはリーダーとしては参加できず、別の役員のメンバーとして参加することになるというシビアな仕掛けもあります。
井上:シビアですが、参加メンバーの育成にもなる良い仕組みですね。
曽山:はい。役員も社内の誰が優秀かを事前に調べたり、ドラフト会議をやりながら、彼が優秀だ、彼を引っ張るといいよ、というアドバイスを藤田がしたり。
井上:会議はどのような形で進行するのですか?
曽山:一泊二日の合宿形式で、10チーム全50名が参加します。初日には2案を提案します。プレゼンタイムは3分間であとは社長の藤田による質疑応答があるのですが、その上で点数を付けられます。そして、2日目にもう1案を提案するのですが、初日にスコアが低いと翌日に向けて夜中まで準備するんですね。
藤田がよく言うのは、あした会議は単なるアイディアコンテストではなく“決議の場”だと。決議するためには投資するお金や人を具体的に詰めていく必要があります。例えば、新会社を作ると提案する場合、誰をリーダーにするのか、そして、誰かを抜擢する以上、既存の組織にできる穴をどう埋めるのかというところまで提案しないといけないんです。こんなことをやっている会社もたぶんサイバーエージェントだけだと思いますね。2006年の開始時は年に1回だったのですが、2年ほど前から年に2回、実施しています。
井上:新しい発想を生み出し実行に落とし込む。完全に経営のエンジンなのですね。あした会議ではどのようなテーマが提案されるのですか。
曽山:サイバーエージェントの明日にインパクトを与えるテーマであれば何でも良く、他の部門のことでもいいんです。逆に、自身の担当部門のことなど役員が自分の権限で決められるものはあした会議に持っていく必要はありません。従い、おのずと新規事業や、部署横断でやらなければならないテーマに収れんされてきます。これまでには例えば、新会社設立や子会社のグループ再編提案、人事の新しい採用手法の提案等がありました。
それぞれのチームがお互いの部署に対してリスペクトしつつも課題を浮き彫りにして本気で提案するというのは、大変に健全な営みだと思います。ワンマンオーナーが進めてしまうのではなく、自分たちで考えて経営に提言するというのは非常に良い仕掛けだと思っています。
井上:部門横断での取り組みとなると、従来の枠組みや発想に囚われていてはなかなか発想が出てこないですよね。結果、クリエイティブな提案にならざるを得ないということなのかと思います。そのような提案を「決議」し、実行まで落とし込むからこそ、単にアイディアの品評会で終わらず、イノベーションにつなげられているということなのですね。
曽山:2006年から100を超える提案が決議され実際に実行に落とされています。このあした会議から新会社が10社出来ています。例えば、CyberZというスマートフォン専門広告会社の前身の会社もあした会議の提案から生まれたのですが、当時同社の社長として抜擢した山内は、CyberZで実績をだし、現在ではサイバーエージェント本体の役員になっています。弊社はスマートフォンの広告シェアでは国内トップなのですが、このシェアを引き上げた功績が認められて若干29歳で取締役に入ったのです。
ちなみに私のあした会議でのトラックレコードは結構、堅実で、2位か3位をずっとキープしていたのですが、ここ4回のうち2回優勝しています。そのときには15点満点中12点を獲得しました。それは、複数の子会社を発展的に解消し、今伸びているスマホ広告に人員を寄せたほうが社員も活躍の機会が増えて業績伸びるのではないかという提案だったのですが、ほかにもスマートフォンのアプリが海外で伸びるのではないか、従い海外展開をより強化した方がよいのではないかという提案などもしています。こうして開発された海外向けアプリは、北米のAppStoreランキングで1位を獲得するなど、実績を出しています。
井上:中には筋の悪い提案もあるのではないかと思いますが、そのようなものは、あした会議ではどのように扱われるのでしょうか。
曽山:自チームがビリになった役員は、次回にリーダーにはなれないというルールがあります。私自身、優勝した次の回ではビリとなってしまい、その時は一メンバーとしての参加でした。残った1名分のリーダー枠には、前回1位だったチームの社員のMVPが入るという制度なんです。
井上:すごいですね。社員が役員会への提案の権利を持てるということですよね。
曽山:そうそう。社員が経営に影響を与え、その場で意思決定までされる提案を3つもできるというのは、その社員もやる気になりますしとても良い環境だと思います。
井上:ちなみに曽山さんはリーダー枠に戻れたのですか?
曽山:それが、別な役員のチームでまたビリになってしまいまして(笑)。最悪でした。結果、役員が二人、リーダーから外れることになったわけですが、藤田は「まぁ、ビリだからしょうがないよね(笑)」と、言っていましたが。その流れで前回も別の役員のチームに招へいされた際にはなんとか優勝することができ、次回はリーダー枠に戻れることになったので正直ほっとしています。
井上:完全な下克上ですね(笑)。今、笑顔で話をされていますけれど、役員にとってとても厳しい制度ですよね。そういう厳しさを垣間見て、社員が自信をなくすとか、この会社は厳しいから辞めようと考えたり。そのようなことはないのでしょうか。
「CAJJ制度」により事業の撤退基準を冷徹な数字で明文化している
曽山:ないですね。サイバーエージェントでは「競争と協調」という言葉があります。強烈な協調の上で競争させれば会社も個人も強くなるという考え方があるんです。なので、本当の信頼関係を構築した上で、本当のライバル関係というか競争関係を創っていく。協調のベースがあった上で、競争をやらなければダメだと考えてやっているのです。それをやらないとぬるくなってしまいますので。
井上:なるほど。やはり文化づくりをしっかりされているのですね。ジギョつくで新しいことに取り組む風土を創りながら、それだけではなく、競争と協調の文化を創る。それにより、健全な緊張感を会社にもたらしているのですね。
それにしても、新しいものを生み出すという視点で見てみると、ジギョつくやあした会議で多くのアイディアやプランが生み出されていきますよね。ただ、それら全てが成功に至るわけではないと思うのですが、社内で何をもって成功であるとか、失敗であるというような基準を持っていたりされるのでしょうか。また、そこから成功の秘訣を引き出すような仕掛けはあるのでしょうか。
曽山:「CAJJ制度」という、事業の撤退基準を明文化したというものがあります。事業を格付けし、J1からJ5まで営業利益順でカテゴライズしていきます。例えば、J5の新規事業は9カ月以内に、J4、つまり粗利額で月額500万円に行かないと、基本的に撤退基準を検討するという制度です。この撤退すべき基準が明文化されているのは非常に大きいですね。ちなみに最近はこの基準に成長率などをかけてスコアリングするなどバージョンアップをしています。
成功と失敗のナレッジシェアという意味では「グループ会議」という子会社の社長が集まる月に一回の会議があります。黒字化しているJ1からJ3で集まるグループ会議、また、J4とJ5だけで集まる会議もあります。このグループ会議には経営本部担当の常務と私が必ず参加しています。そこで、すべての事業について一人2分程度、成功と失敗を共有するようにしています。ここで徹底的に情報をシェアしています。特に、似たような事業フェーズの会社で伸びている会社がどうしてうまくいっているのか、また、伸びていない事業がなぜ失敗しそうなのかというのが共有されています。
井上:事業フェーズに対応した横連携で積極的に情報交換ができているのですね。また、経営の目線からもアドバイスが入る仕掛けですね。グループ会議というのは若手の視野を拡げさせていくうえで効果的な仕掛けにもなっているのでしょうか。
曽山:そうです。サイバーエージェントでは、かなり若い社員を抜擢することがあります。例えば、昨年は入社1年目の社員を3人、子会社の社長に抜擢したのですが、経営がすぐにできるかというとそう簡単にできるわけでもないんです。ただ、彼らのサポートを3つの観点から行っています。
一つがグループ会議。二つ目が役員のアドバイザー制度です。例えば今、入社2年目の社員が社長を務めるシロクという子会社がありますが、アドバイザーが、本体の社長である藤田なんですね。サイバーエージェント創業者であり上場企業の社長である藤田から直接アドバイスがもらえるというのは大きな学びになります。三つ目はバックオフィスのサポートです。経理や法務、人事がサポート体制を作っていきます。
井上:新しいものを生み出し、それを実際に実行に落とし込む上で、様々な仕掛けをトータルで取り組めているからこそ、事業のグッドサイクルにつながっていることがよくわかりました。それにしても、この仕組みの中で活躍する社員はやはり優秀な人材ではないとなかなか難しいのではないかと思いますが、そもそも採用で重視していることはどのようなことでしょうか。
リーダー経験がリーダーを育てる。だから子会社の経営者40人のうち30人が20歳代。
曽山:“素直でいいやつ”ということです。それが大前提としてあって、その上で一緒に会社を成長させてくれるような、優秀な人を採用しています。軸が一つなので、採用するにもブレにくいですよね。軸が多すぎると、こんな人もいい、あんな人もいい、といろんなところでブレてしまうことがあると思いますが、それがないのは大きいです。
それにしても、私は毎年、新入社員を見ていますけど年々優秀になっているように感じます。最近は大学時代に起業経験があるような社員も増えています。そういう社員に積極的に機会を提供しています。藤田自身、24歳で起業していますから、若いからできない、という先入観もない。
リーダーはリーダー経験によって育つということが大きいと思います。従い、意図的に抜擢人事をやっていますね。最初の例は2006年ごろで、当時新卒入社3年目の社員をサイバー・バズという子会社の社長に抜擢しました。あした会議で決議され、設立が決まった子会社だったのですが、「すごい抜擢だ!」という声や「本当にできるのか?」などいろいろな意見もありました。けれども、彼にはとにかく会社の立ち上げを事業拡大に集中してもらい、結果を出させるようにしました。実際に彼自身の才能もあり大きな結果が出たのですが、結果が出れば皆なにも言わなくなります。そうやって抜擢事例を重ねていけば、それは文化になり、良い意味で当然のこととなっていくのです。
新しいことに挑戦する風土を本気で創るには、まず抜擢をし、あとは意地でも成功事例を創って、その事例の数を増やすというサイクルを回さなければならないのだと思っています。当社に子会社の経営者は今40人いますが、そのうちの30人が、20代なんですよ。30人もの20代経営者を持つ企業グループというのは多分、サイバーエージェントだけだと思います。
井上:素晴らしいですね。とはいえ失敗はありますよね。「失敗をした人にもセカンドチャンスを」というのがマキシムズにありますが、失敗した人がめげたり、周囲が「失敗したじゃないか」という目線で見るということは往々にしてあるのではと思います。本当に失敗してもセカンドチャンスは与えられている環境になっているのでしょうか。
曽山:事業がうまくいっておらず撤退になりそうだというのは周囲からもわかります。すると、うまくいっている事業の事業部長が、優秀な人材にこっそりメールを送って、いろいろ大変なこともあるかもしれないけど、何かあったらうちの事業部に来いよ、という、水面下の社内ヘッドハンティングをするんです。
井上:失敗が“確定”される前にセカンドチャンスが提示されるわけですね。
曽山:はい。ただ、私が2005年に人事本部長となったときは、そういう風土が全くなく、本当に大変でした。事業がうまくいかなくなると、その事業に関わっていた社員全員が辞めると言い始めるのですね。そんな社員全員と向き合い、話し合いをしました。これまでの経験を活かせる部署はどこか、本人の意思はどうなのか、というキャリアカウンセリングをしないと辞めてしまう状況でしたが、撤退基準を明文化し、マキシムズがだんだん浸透していったことで、撤退事業にいた社員が辞める、ということはなくなりました。
事業部長としては、失敗を経験した社員は同じ失敗をしない、むしろそれまでの経験を活かせるということを理解しているのでぜひ迎え入れたいんです。それに失敗した社員は次は絶対負けたくないという思いを持っているので情熱が違いますよね。失敗の経験から学んでいるというのは、すごく大きいです。ですから、失敗によってダメの烙印を押すような風土はうちの会社にはありません。むしろ引く手あまたになるんです。
井上:これまで、だいぶ内部の制度の話を中心にお伺いしましたが、外部の知恵やノウハウを活用する仕掛けというのも何かありますでしょうか。
曽山:外部の力を借りながら成長するモデルはもっと積極的に作っていきたいと考えています。自分たちが持っているリソースと、外にあるリソースをかけ算することで、誰にも作れないものを作れる可能性というのを追ってみたいですね。
井上:今回グロービスと協業いただいている「アントレプレナー・イノベーション・キャンプ」という新規事業プランを社外の方々から募る取り組みもその一つとなればと思っています。ただ、外部の力を活用するというのは内部がしっかりとまわっているからこそできることなんですよね。
曽山:そうですね、そう思います。自分たちの軸がないと、パートナーの方に逆にご迷惑をかけてしまいますので。
井上:今回のインタビューで、新しいものを発想し生み出すために、トップダウンのアプローチが良いのか、それともボトムアップが良いのかということを悩みながら取り組んできた歴史を垣間見れたように思います。
曽山:はい。ジギョつくは、社員からたくさんの事業の種が出てくるし、人材発掘の場として大きく機能しましたが、本当に稼ぎ頭となるような大きな事業が生まれていないというフラストレーションがありました。ただ、それを言うよりも、経営陣自らが新規事業を考えたらどうなのかと、生まれたのがあした会議です。最初は、幹部30人ぐらいで1泊2日の合宿に行ったのが2006年の最初のあした会議です。その際は、その場でチームを作って、2時間後にプレゼンをするということだったのですが、2日間の収穫は2件だけでした。それで、次の回から格闘技をヒントに、トーナメント方式でやることになりました。今はトーナメント戦ではなく、チーム対抗戦になっていますが、制度の運用自体もこうやって変化させています。
井上:ジギョつくによって、ボトムアップ的にクリエイティブなアイディアを生み出す風土、新しいことへチャレンジする風土を創り出し、一方であした会議ではトップ層中心に議論しながら、完全なトップダウンで決める。ボトムアップとトップダウンをうまく使いこなしているからこそ、好循環がまわっているのですね。
曽山:やはり考えなければならないのは、業績を上げるために何が必要なのか、ということだと思っています。よく「イノベーティブな風土を創る」というお題目も見聞きしますが、本当に追求すべきはそこではなく、風土はあくまで手段です。それが必要か否か、成果から逆算すべきだと思うんですね。成果を実現するために、アイディアの数が足りないのか、それともその質が足りないのか考える必要がある。単に、風土創り、ということを人事だけで預かっても駄目だと思います。そういったことを取り組んできて学びましたね。
今は、ジギョつくから、あした会議、そして、新規事業の撤退ルール等の施策を図式化したエコシステムを描けないかと思っていまして。そうすると結構面白いものになるのではないかと。
井上:大変に興味深いです。是非また議論させてください。本日はありがとうございました。
曽山:ありがとうございました。
* * *
大変示唆に富んだインタビューでした。
サイバーエージェントは、先行投資による赤字が続き、社員に“しらけ”が生まれてしまっている、という一時期の停滞期から、「21世紀を代表する会社を創る」というビジョン、「maxims(マキシムズ)」という共通価値観の設定によって短期目線に陥りがちな状態を長期目線の経営へシフトし、さらに、「ジギョつく」によって、固定概念やこれまでの常識に囚われない思考・行動を生み出す仕掛けを生み出していきました。
ジギョつくは新しいことを発想し生み出す流れを創り出しましたが、しかし、残念ながら事業としてのホームランを生み出すものにはならなかった。でも彼らはそこで諦めず、この状態を解消するために「あした会議」という仕組みを創り出していきます。
あした会議は、良いアイディアを生み出すだけではなく、部門横断的なテーマに取り組み、クリエイティブ・フリクション(創造的摩擦)をあえて起こし、本格的に“決議”をし、実行につなげていく。本コラムで以前書きました「クリエイティビティ⇒エグゼキューション⇒イノベーション」という図式をジギョつくとあした会議のコンビネーションで具現化していったわけです。さらに昨今はそこに外部の知恵やノウハウを持ったヒトをどう取り込んでいくことができるのか、という点でも実験が行われています。
これら活動すべての根底にあるのは「21世紀を代表する会社を創る」という共有ビジョンです。このビジョンに基づき長期的な目指すべき姿を心の底から共有できているからこそ、新しいものを生み出すことに経営陣も社員もコミットし、摩擦に怖れることなく、挑戦することができているのだと思います。
今回インタビューでは、残念ながらサイロに閉じ籠ってしまうことが多い昨今の日本企業の現実とは違う世界を見ることができました。もちろん、彼らはインターネットという成長産業にドメインを置いていることにより、新しいことを生み出しやすい環境にあるということは事実でしょう。ただし、それを別世界の出来事であると、かたづけてしまうのでは知恵がありません。
彼らも最初からクリエイティブなアイディアがあふれる会社であったわけではありません。苦しい時代を乗り越え今があるわけですから、我々も悲観することなく、彼らの仕組みに発想転換の契機を得ながら、自社や自部門で取り組めることに挑戦してみることがクリエイティビティを引き出す第一歩になると信じています。
さて、これで本コラムは一旦最終回を迎えます。ただし、私自身、コンセプトをまとめ、事例を多数見るにつけ、今の日本企業が直面している局面においてまさに必要なことだと痛感しています。私自身書けば書くほど問題意識が高まっていきました。従い、本コラムは一旦終えますが、第二弾のコラムを検討していきたいと思います。その際はまたどうぞよろしくお願いいたします。