SWOT分析とは?強み・弱み・機会・脅威の定義と使い方、戦略につなげる「クロスSWOT」まで動画から解説

投稿日:2026/09/24更新日:2026/10/05

「強みや弱みを書き出してみたものの、結局次の打ち手が見えない」。SWOT分析にそんな印象を持つ方は少なくありません。本記事では、SWOT分析の定義と4要素の捉え方、そして分析を戦略へと変えるクロスSWOTの考え方を解説します。

※本記事は、GLOBIS学び放題の学習コース、「SWOT分析 ~自社の置かれる外部環境、内部環境を把握する~」の内容をもとにしています。実務で活用する方法など、より詳しく相関分析について知りたい方は、ぜひ動画をご覧ください。

SWOT分析とは?4つの要素で自社の環境を整理するフレームワーク

SWOT分析は、自社を取り巻くビジネス環境を「内部と外部」「プラスとマイナス」の2軸で整理するためのフレームワークです。

SWOTは次の4つの英単語の頭文字をとったものです。

  • S:強み(Strengths)
  • W:弱み(Weaknesses)
  • O:機会(Opportunities)
  • T:脅威(Threats)

このうちSとWは、人・物・金やバリューチェーンといった自社の内部要因です。OとTは、マクロ環境や業界、市場、顧客、競合といった自社の外にある外部要因です。それぞれをポジティブな傾向とネガティブな傾向に分けて整理します。

SWOT分析の強み

このフレームワークの価値は、物事を網羅的に、かつ「自社がコントロールできるもの」と「できないもの」を区別して捉えられる点にあります。たとえば売上が伸び悩んでいるとき、原因を「営業力不足」といった社内の問題だけに求めがちです。しかし実際には、市場そのものの縮小といった外部の変化が大きく影響していることもあります。4つの枠で整理すると、こうした見落としを防げます。SWOT分析は、事業の成功要因(KSF)や事業機会を導き出し、戦略を考える出発点になるのです。

SWOT分析が役立つ場面

SWOT分析は、経営企画部門だけが使う道具ではありません。新規事業の検討、中期計画や部門方針の策定、新商品の企画、取引先への提案準備など、「現状を整理したうえで次の一手を決める」場面で広く活用できます。たとえば部署の来期方針を考えるとき、チームの得意・不得意と、社内外の変化を並べて見るだけでも、議論の土台が揃います。立場の異なるメンバー同士で共通の地図を持てる点も、このフレームワークが長く使われてきた理由のひとつです。

機会と脅威:外部環境は複数の分析を組み合わせて捉える

外部要因であるOとTを見極めるには、マクロから市場・業界まで、視野を段階的に広げて分析することが大切です。

外部要因とは、自社の努力では直接変えられない、社外のビジネス環境を指します。まずはマクロ環境に目を向け、PEST分析で政治・経済・社会・技術の観点から自社に影響を与える要素を洗い出します。そのうえで、市場・顧客分析で自社の製品やサービスを買う顧客を把握し、競合分析で競争相手を理解します。さらに、5つの力分析などを用いて業界の構造をつかみます。

ここで重要なのは、同じ環境変化でも、自社にとって機会になるか脅威になるかは立場によって変わるということです。たとえば「キャッシュレス決済の普及」は、レジ周りの機器を売る企業には脅威に映るかもしれません。一方で、決済データを活用したサービスを持つ企業にとっては大きな機会になります。

だからこそ外部分析では、「この業界で勝つための条件、つまり事業の成功要因は何か」を十分に検討しておくことがポイントになります。成功要因が見えていれば、どの変化が自社にとって追い風で、どれが向かい風なのかを判断しやすくなるからです。具体的にどのような観点で外部要因を洗い出すのかは、動画で詳しく解説されています。

強みと弱み:競合との比較で「中核となる強み」を見極める

内部要因であるSとWは、自社だけを見つめるのではなく、競合と比べることで初めて正しく評価できます。

内部要因とは、人・物・金やバリューチェーンといった社内の要素です。動画では、開発力やシェア、ブランド力、事業ポートフォリオ、海外ネットワークといった観点で、自社を強みと弱みに分解していく考え方が紹介されています。

競合比較が欠かせないのは、強みとは「自社が得意なこと」ではなく「競合より優れていること」だからです。たとえば「丁寧な顧客対応」を強みと考えていても、競合他社も同水準の対応をしているなら、それは顧客にとって選ぶ理由になりません。反対に、社内では当たり前だと思っていた業務が、他社には真似できない強みだったと気づくこともあります。

もうひとつ押さえたいのが、自社の強みと、事業の成功要因が合っているかという視点です。両者がずれている場合は、外部環境に働きかけて成功要因そのものを変えるか、自社の強みを磨き直して成功要因に合わせるといった努力が必要になります。強みと弱みの把握は、それ自体が目的ではなく、次の打ち手を検討するための土台なのです。

クロスSWOT:要素を掛け合わせて具体的な打ち手を導く

SWOT分析を戦略に変えるための発展的な手法が、4つの要素を掛け合わせて対策を考える「クロスSWOT」です。

SWOT分析でよくある失敗が、4つの枠を埋めたところで満足してしまうことです。要素を並べただけでは「何をすべきか」は見えてきません。クロスSWOTでは、洗い出した項目から特に重要なものを抜き出し、縦軸に機会と脅威、横軸に強みと弱みをとったマトリクスを作成します。そして、次の4つの組み合わせごとに打ち手を検討します。

  • 強み×機会:自社の強みを活かして機会をつかみ、有利なポジションを築く
  • 弱み×機会:弱みを克服しながら機会を獲得する
  • 強み×脅威:強みを活かして脅威の影響を抑える
  • 弱み×脅威:ダメージを最小限にとどめる

この手法が有効なのは、分析と打ち手の間を論理的につなげられるからです。「なぜこの施策なのか」を、自社の強みと市場の機会という根拠とセットで説明できるため、上司や経営層への提案にも説得力が生まれます。

ただし、経営資源には限りがあります。4つの象限すべてに同時に手を打つのではなく、重要度や緊急度を踏まえて優先順位をつけることが大切です。動画では、あるアパレルメーカーを例に、4象限それぞれでどのような施策が考えられるかが具体的に紹介されていますので、ぜひ確認してみてください。

SWOT分析を使いこなすための2つの視点

SWOT分析の質を高めるには、ネガティブな要素を前向きに捉え直す視点と、重要な要素を選び抜く大胆さが求められます。

ひとつ目は、弱みを強みに、脅威を機会に見なせないかと考える視点です。SWOT分析の項目は、見方を変えると意味が反転することがあります。たとえば「人口減少による人手不足」は多くの企業にとって脅威ですが、省人化や業務自動化のサービスを提供する企業から見れば、需要が広がる機会です。また「企業規模が小さい」という弱みも、意思決定の速さという強みとして打ち出せる場合があります。環境変化をただ恐れるのではなく、新たな差別化の起点にできないかを考えることで、分析は守りから攻めの道具に変わります。

ふたつ目は、経営環境の中から本当に重要なものを選り分けるセンスと大胆さです。網羅的に洗い出そうとするほど項目は増え、何が重要なのかがかえって見えにくくなります。影響の大きな要素に絞り込む判断があってこそ、分析は意思決定に役立つものになります。項目の洗い出し方や絞り込みの進め方については、動画で紹介されています。

まとめ:SWOT分析は「次の一手」を考えるための共通言語

SWOT分析は、自社を取り巻く環境を内部と外部、ポジティブとネガティブの2軸で整理し、戦略立案につなげるためのフレームワークです。

外部環境はPEST分析や5つの力分析などを組み合わせて機会と脅威を整理し、内部環境は競合との比較によって強みと弱みを見極めます。さらにクロスSWOTで要素を掛け合わせることで、分析結果を具体的な打ち手へと落とし込めます。

この考え方を身につけると、「なぜこの施策なのか」を環境分析にもとづいて説明できるようになります。新規事業や商品の企画、部門方針の策定、取引先への提案など、根拠をもって方向性を示す必要がある場面で大きな力を発揮するでしょう。また、チームで同じ枠組みを使って議論すれば、立場の違うメンバー同士でも現状認識を揃えやすくなります。

分析を「枠を埋める作業」で終わらせず、ネガティブな要素も前向きに捉え直しながら、重要な要素を選び抜くこと。それがSWOT分析を実務で活かすための鍵です。


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