VUCAの時代にあっては、どのような優れたリーダーでも現場の意思決定にこまごまと介入するわけにはいきません(もちろん、会社にとって非常に重要な案件については彼/彼女が意思決定する必要があります)。現場に権限を委譲し、働きやすい環境を作るエンパワーメント型のリーダーシップが必要になります。その典型がサーバント・リーダーシップです。
サーバント・リーダーとは真逆の支配的リーダーの下では、メンバーは表面的には従順に仕事に向かっているように見えて、面従腹背になる可能性があります。
また、リーダーの目が届かないところでは、同じ姿勢で仕事に向かわないことも多いのです。
一方、サーバント・リーダーの下で働くメンバーには、内発的動機による、自発的な行動が見られる傾向があります。
また、「周囲に役立とうとする姿勢を身につけやすい」という特徴も指摘されます。こうしたメンバーが多い組織が競争力を持てる時代となってきているのです。
「ぐいぐい引っ張るリーダー」だけでは、もう戦えない
リーダーシップというと、ぐいぐいと力強くメンバーを引っ張っていくイメージを持つ人も多いでしょう。もちろんそうしたスタイルもありますが、近年では、テクノロジーの発達や、急激に広がるグローバル化などにも影響を受け、1人のリーダーがすべてを把握し、意思決定をし、メンバーに指示を与えるプロセスを踏んでいては間に合わないということが増えてきました。
そこで重要になるのが、効果的な権限移譲です。リーダーがメンバー個々の資質を正しく理解し、存分に活躍できる環境を整え、教え導いて動機づけできることが重要となってきたのです。それがサーバント・リーダーシップです。ロバート・グリーンリーフが提唱しました。
サーバント・リーダーシップが近年特に注目されてきている背景には、権力欲や支配欲、物欲や保身から動くリーダーが増えていたという背景もあります。そうではなく、社員や社会に奉仕するために立ち上がるサーバント・リーダーこそが、多様な社員の信頼を集めることができるという考えが強くなってきたのです。
良いサーバント・リーダーは、図表に示した10の特性を持つとされます。

事例で確認――リンクトインのジェフ・ウェイナー
リンクトインの元CEOのジェフ・ウェイナーは、部下の痛みや辛さをしっかりと感じ取り、それを解決することに注力したサーバント型のリーダーとして知られています。彼はまた、チームメンバー間の強い信頼関係構築を重視しました。オープンなコミュニケーションを奨励し、フィードバックを積極的に求めることで透明性を高め、組織の一体感を醸成していったのです。
彼のもう1つの大きな特徴は、自分の弱さや失敗を積極的に部下に伝えたことです。それをオープンに語ることで、従業員も自分の弱点を受け入れ、成長の機会として捉えるようになりました。結果として、リンクトインでは失敗から学びながらも挑戦する文化が醸成されたのです。
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