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ファンドの継続性を重視、採用・育成にも注力 GCP7号ファンドの狙い#2

投稿日:2023/04/27

GCP(Globis Capital Partners:グロービス・キャピタル・パートナーズ)は、新たな旗艦ファンドである7号ファンドにつき2023年3月末をもって合計727億円で募集完了した。7号ファンドより新たにジェネラルパートナーとなった福島智史と湯浅エムレ秀和の2人に、投資したくなる起業家や、VCの採用・育成などファンドの継続について聞いた。(聞き手=吉峰史佳)

リスクよりもチャンスの大きい起業家に投資を

――起業家を見るときのポイントには、変化はありますか。

福島:10年前と違うのは、成功する確率よりも成功したときに実現するインパクトの大きさを見るようになったことです。安定的なリターンよりも、世の中に大きな価値を出せるか否か。そうなると、リスクよりもチャンスに注目したい。そのためには、非連続的な成長が求められるタイミングでどうサポートできるかがカギを握ります。それを投資する前から想像します。

湯浅:投資家の数が増加したのが大きな変化です。ポテンシャルの高いスタートアップへの投資は、競争が激しくなっています。なので、我々としても常に選ばれ続けるVCでなければいけないし、起業家に「このVCは挑戦し続けている」と感じてもらいたい。そういうマインドとアクションがないと、世界を変えたいと考えている起業家をアトラクトしきれません。

我々が有望な投資先を探すのと同じように、起業家側も事業パートナーは誰がベストなのかをシビアに見ています。そういう関係性がエコシステムをよりコンペティティブにするし、高い次元に引き上げるのだと思います。

――ファンドに出資されているLP(Limited Partners)には、国内外様々な機関投資家が参加されています。その方たちからは、どんな声が上がっていますか。

福島:LPの方々も直接・間接を問わず市場環境の変化を感じとっています。以前のファンドから継続的に出資をしてくださっている投資家さんは、7号ファンドのコンセプトにも賛成し、これまでよりも大きな金額を出資してくれています。

――LPについて、6号との違いはどこにあるのでしょうか。

湯浅:大半が既存の方々で、ありがたいことに前回よりも多く出資していただいている方も多いです。我々の過去の実績や培ってきた信頼関係、また、新しいファンドへの期待が反映されているのだと思います。

福島:この10年間くらいで「メルカリ」「スマートニュース」に代表されるような大きな成功事例、もしくは社会的な価値貢献によって機関投資家の皆さんにしっかりと認知されました。おかげで、以前はスタートアップに投資するファンドには投資をしなかったLP層からの関心が徐々に強くなってきた感覚があります。数十年前にベンチャー投資で大きなショックを受けた金融機関や、これまであまり投資をされてこなかった投資家も、他のLPから口コミで良い評判を聞いて、新たに参加してくださっています。

3世代にわたってファンドを継続するVC「育成」の仕組み

湯浅:7号に関する大きな変化としては、創業パートナーの仮屋薗さんが次のロールに移り、福島さんと私が新しくパートナーになりました。つまりGCPは、堀・仮屋薗、高宮・今野、福島・湯浅という3世代のパートナーシップがそれぞれにバトンタッチされ継続している。多くの場合、創設者が引退する時にファンドを解散、もしくは次世代にバトンタッチしても続かないことが多いなかで、パートナーが入れ替わりながらも同じファンドという箱を維持し続けられている例は多くないと思います。

――どうして継続できているのでしょう。

福島:我々は常に旗艦ファンドのリターンの最大化に注力していますが、最大瞬間風速を出すのではなくアップデートし続けることが大切だと考えています。継続的に支援してくださるLPさんがいるからこそ、可能なことです。

世代をアップデートしたのは、そういった意思の表れでもあります。いずれにせよ持続性を大事にしているケースは、とても珍しいと思います。

湯浅持続性を大切にするがゆえに、採用育成方針も一貫しています。我々はアソシエイトレイヤーから、時間をかけてしっかり育てていくという方針をとっています。堀さん、仮屋薗さんは創業者ですが、高宮さん、今野さんはアソシエイトから入って徐々にランクアップしていますし、我々も早いタイミングから挑戦する機会をもらい、組織に育ててもらいました。

いざ自分がパートナーになった時も、これからは後進を育成し、その人たちがいつかパートナーになった時に、しっかりスペースをつくってあげたい。採用からそういうマインドが一貫していることが、世代交代ができる一つの要因だと思います。

――採用も継続されていくのですね。

湯浅:毎年2~3人は採用し続ける予定です。GCPとしての共通の価値観や投資スタイルは大切にしながらも、一人ひとりのバックグラウンドや個性を生かして、それぞれのキャピタリスト像を追い求めてほしいと思います。

福島:投資領域も拡張する中で今後は更に多様なバックグラウンドを持った方、例えばエンジニア出身者や元起業家、そういった方々にも興味をもってもらいたいですね。

湯浅:入り口で絞り込もうとしても、ある程度成功事例が過去にあるタイプや採用側が見て評価しやすいタイプばかりになってしまいます。それだと組織としてのダイバーシティや拡張性が保てないのです。

VCという仕事の醍醐味

――VCの面白さは何でしょうか。あるいは、どういう人がVCに向くのでしょうか。

湯浅:楽しめる要素はたくさんあります。ハマる人はこれ以上楽しい仕事はないのではないでしょうか。日々さまざまな起業家に会って、挑戦や課題についてディスカッションしていく仕事は刺激的です。既存の投資先ならハンズオン支援の一環として平均5年から7年間は一緒に歩みますが、この過程で最初は10人ぐらいだった会社が300人、500人と増えていくことがあります。プロダクトもどんどん強化されていく。そういう成長を見ると嬉しいですね。

福島:毎日いろいろなことが起こるので、知的好奇心が刺激されない日はありません。新たな投資テーマもそうだし、新しいビジネスモデルに触れることができるし、真剣にチャレンジしている人たちと一緒に仕事ができる。そんな仕事はなかなかありませんよ。

湯浅:VCは自分でコミュニティをつくってネットワーキングし、いい案件をソーシングしてそこに投資するのが仕事ですが、それをどういう方法で進めるかは、その時代やその人の強み、興味によって変わってきます。自分の道をつくれるか、糸口をつかめるかどうかですね。

福島:アントレプレナーシップがある人とは、答えのないことに対していろいろな仮説を持ってチャレンジできる人だと思いますが、そこに加えて、プロフェッショナルとしてのいい意味でのプライドがある人がいいですね。起業家と同じく「こんな世界を実現したい」という理想を持った人が向いていると思います。

――最後に、今後の抱負や意気込みをお聞かせください。

湯浅:ファンドレイヤーとしては、グローバルへの挑戦や業界のプラットフォームをつくり変えることと、そこに対して今までにないようなメニューをつくって支援し、挑戦していきたいと思っています。

個人という意味では、27年間の歴史があるGCPというプラットフォームを丁寧に守って次代に引き継ぐというよりも、アントレプレナーシップを持って新しいことに挑戦したいですね。いくつかは失敗するかもしれないけれども、守りばかりでなく攻めのほうもやっていきたいです。

福島:私も後者に近いかな。世代がアップデートされても変わらないのは起業家やLPの信頼を損ねないことです。ただし、そこで提供する価値は、時代やテーマによって変容し得ると思います。GCPはステージの進んだ会社への投資や、検証されたビジネスへの投資というイメージが強いと思いますが、そういうイメージを刷新するような取り組みを、個人としてもファンドとしても続けていくべきだと思います。

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