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インセンティブとは?チームのやる気を最大化する報酬設計の極意

投稿日:2025/07/28更新日:2025/08/26タイマーのアイコン 読了時間 7分

インセンティブとは、人や組織の行動を促す動機付けや報酬の仕組みのことです。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

インセンティブとは - 人と組織を動かす原動力

インセンティブとは、人や組織のやる気を引き出し、行動を促すための刺激や動機付けのことです。 簡単に言えば、「がんばろう」という気持ちを起こさせるきっかけや仕組みのことを指します。

職場では、従業員が目標に向かって積極的に取り組むよう促すために、 さまざまなインセンティブが用意されています。 代表的なものには、お金による報酬、職場での評価や地位の向上、 そして自分らしく働ける環境の提供などがあります。

これらは単なる「ご褒美」ではなく、個人の成長と組織の発展を 同時に実現するための戦略的な仕組みと考えることが大切です。

なぜインセンティブが重要なのか - 成果と満足度を両立させる鍵

現代のビジネス環境では、従業員一人ひとりのモチベーションが 組織全体の競争力を左右する重要な要素となっています。 適切なインセンティブ設計は、個人と組織の Win-Win の関係を 築くための基盤となるのです。

①個人のパフォーマンス向上につながる理由

インセンティブは、従業員が「なぜ頑張るのか」という明確な理由を提供します。 目標達成に対する具体的な報酬が分かることで、 日々の業務に対する取り組み方が変わり、結果として個人の成果が向上します。

また、自分の努力が正当に評価される仕組みがあることで、 長期的なキャリア形成に対する意欲も高まります。

②組織全体の生産性向上を実現する効果

個人のモチベーションが高まることで、チーム全体の雰囲気も良くなります。 積極的に取り組む人が増えることで、組織全体の生産性が向上し、 より良い成果を生み出すことができるようになります。

さらに、優秀な人材の定着率も高まり、 採用コストや教育コストの削減にもつながります。

インセンティブの詳しい解説 - 3つの柱を理解しよう

効果的なインセンティブ制度を構築するためには、 人間のモチベーションの源泉となる3つの要素を理解することが重要です。 それぞれの特徴と効果的な活用方法を見ていきましょう。

①金銭的報酬 - 分かりやすく効果的な動機付け

金銭的報酬は最も分かりやすく、即効性のあるインセンティブです。 基本給に加えて、成果に応じて支払われる変動報酬には 様々な種類があります。

プロフィット・シェアリングは、企業の利益を一定の基準に従って 従業員に配分する制度です。会社の成功が直接自分の収入につながるため、 企業全体の業績向上に対する意識が高まります。

ストック・オプションは、自社株式を一定の価格で購入できる権利を 従業員に与える制度です。株価の上昇によって大きな利益を得る可能性があるため、 長期的な企業価値の向上に貢献しようという意欲が高まります。

ただし、金銭的報酬には限界もあります。 一定のレベルを超えると、それ以上の金額を提示しても モチベーション向上の効果が薄れる傾向があります。 就職活動で給料よりもやりがいを重視する人が多いのも、この理由からです。

②社会的評価 - 承認欲求を満たす力

社会的評価は、地位や権限、名誉など、 人から認められることによる満足感を提供するインセンティブです。

昇進や昇格といった分かりやすい評価から、 上司からの「お疲れさま」という一言まで、 様々なレベルの社会的評価があります。

特に日本の職場では、チームワークや人間関係を重視する文化があるため、 同僚や上司からの認められることが大きなモチベーションとなります。 「あの人に認められたい」「チームの役に立ちたい」という気持ちが、 日々の業務への取り組み方を変えていきます。

また、魅力的なリーダーや信頼できる仲間の存在も、 重要な社会的インセンティブとなります。 「この人と一緒に働きたい」という気持ちが、 組織への帰属意識や長期的なコミットメントを生み出します。

③自己実現の機会 - 内発的動機を引き出す環境

自己実現の機会は、「理想の自分になりたい」という 人間の根本的な欲求に応えるインセンティブです。

多くの人は「こんな人になりたい」「こんな仕事をしたい」という 理想像を持っています。その理想に近づくための機会や環境が 与えられることで、強いモチベーションが生まれます。

企業の経営理念やビジョンに共感できる環境、 自分の能力を発揮できる責任ある業務、 スキルアップのための研修や教育機会などが、 自己実現につながるインセンティブとなります。

このタイプのインセンティブは、金銭的報酬とは異なり、 時間をかけて効果を発揮する特徴があります。 しかし、一度火がつくと長期間にわたって持続し、 創造性や主体性を引き出す効果があります。

インセンティブを実務で活かす方法 - 実践的な制度設計のポイント

理論を理解したら、次は実際の職場でどのように インセンティブを活用するかを考えてみましょう。 効果的な制度設計のポイントと具体的な活用シーンをご紹介します。

①目標設定と連動させた具体的な活用シーン

営業部門での成果連動型報酬では、個人の売上目標や チームの業績目標を明確に設定し、達成度に応じて インセンティブを支給します。四半期ごとの評価で 短期的なモチベーションを維持しつつ、 年間を通した長期目標への意識も高めることができます。

プロジェクト完遂に対する表彰制度では、 困難なプロジェクトを成功に導いたチームや個人を 社内で表彰し、その功績を広く知らせます。 金銭的報酬と社会的評価を組み合わせることで、 より大きな効果が期待できます。

キャリア開発支援プログラムでは、 従業員の希望するキャリアパスに応じて、 必要なスキル習得のための研修費用を会社が負担したり、 社外での学習機会を提供したりします。 自己実現の機会を具体的に提供することで、 長期的な定着率向上につながります。

②制度運用で成功するための実践的なポイント

公平性と透明性の確保が最も重要です。 評価基準や報酬の仕組みを明確にし、 全ての従業員が理解できるようにしましょう。 「なぜあの人がもらえて、自分はもらえないのか」 という疑問が生まれないよう、客観的で分かりやすい基準を設けることが大切です。

定期的な見直しと改善も欠かせません。 時代や組織の変化に合わせて、インセンティブの内容も アップデートしていく必要があります。 従業員からのフィードバックを積極的に収集し、 より効果的な制度へと改善し続けることが重要です。

また、個人の価値観の多様性を認識することも大切です。 お金を重視する人もいれば、やりがいを重視する人もいます。 画一的な制度ではなく、個人の志向に合わせて 選択できる仕組みを用意することで、 より多くの従業員のモチベーション向上につながります。

参考ページ

MBA経営辞書「インセンティブ」

  • GLOBIS学び放題×知見録

    編集部

    ビジネスパーソンの役に立つコンテンツをお届けすべく、取材、インタビュー、撮影、編集などを日々行っています。

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