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ゴールデンウィークに読みたい書籍――2025

投稿日:2025/04/25更新日:2025/04/25

連休は、ご自身のキャリアなどについてじっくり振り返ったり、新しい知見をキャッチアップするにもよい機会です。今回はグロービス経営大学院の教員・研究員が、そんなタイミングに読みたいオススメ書籍を4冊ご紹介します。

※これまでの長期休暇にオススメの書籍シリーズはこちら

岡本太郎・太陽の塔が問いかける生き方

推薦者:長尾 景紀

1970年の大阪万博でシンボルとして建てられた「太陽の塔」は、今もなお圧倒的な存在感を放っています。デザインを手がけた岡本太郎は、当時の「未来」や「技術」をテーマにした会場の中で、原始的で生命力にあふれる造形をぶつけ、強烈なインパクトを残しました。彼の代表作とも言えるこの塔には、「人間の本質とは何か」「生きるとはどういうことか」という深い問いが込められています。

その思想の根底にあるのが、著書『自分の中に毒を持て』に描かれた生き方です。

本書では、常識や社会の枠に縛られず、自分の内にある“毒”=衝動や違和感、恐れをも抱え込みながら本気で生きることの大切さが語られています。「失敗を恐れるな」「評価を気にするな」といったメッセージは、現代にも通じる強烈な自己肯定の力を持ち、読み手に強い刺激と勇気を与えます。

再び大阪万博が開催されている今、岡本太郎の言葉と太陽の塔は、「本当の生き方とは何か」をあらためて私たちに問いかけているのではないでしょうか。

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自分の中に毒を持て<新装版>
著:岡本 太郎 発行日:2017/12/9 価格:814円 発行元:青春出版社

<これからの生き方や自己の向上に関わることについてもっと知りたい方に>
変動の時代を生き抜く為のビジネスパーソン5原則│GLOBIS学び放題
出口治明が説く「これからの時代を生き抜く力」│GLOBIS学び放題

生成AIと学ぶ英語とは?

推薦者:谷原 英利

皆さん、最近英語を学ばれていますか?ChatGPT等の生成AIの登場・普及は働き方を劇的に変えていますが、実は英語の学び方も同様に変わり始めています。
今やChatGPTはじめ生成AIは、リーディング・リスニング・スピーキング及びライティングの4技能全てにおける「自分にパーソナライズされた英語の先生」として利用できるのです。

本書では、その具体的な学習方法が説明されていますが、いずれも手軽である上に実用的な内容となっています。

ここでChatGPTを英語学習に活用する利点として特に挙げたいのが、オリジナルの教材作成が可能であることです。市販の教材では自分のレベルや興味・関心にいまいち合わない場合があることは、学習者にとっての長年の課題でした。しかし、ChatGPT本来のカスタマイズ性を最大限に活かせれば、何とその課題を一気に解決することが可能な訳です。

また、単なる英語学習に留まらず、既に現代のビジネスパーソンには必須のスキルとさえ言えるプロンプト等のAIリテラシーを、より一層精緻に身に着ける機会にもなり、一石二鳥です。

英語 ×AIを学べる本書が示唆する学習スキルは、文字通り「超独学スキル」と言えます。なぜなら、これまで英語は基本的に誰かと学ぶことが当たり前でしたが、ChatGPTを武器にさえすれば、ほとんど費用も時間も掛からず自分自身で学べます。これはある意味英語だけの話ではなく、何かを学ぶ際の最先端のHow to Learnとも言えるかもしれません。ぜひご一読あれ!

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ChatGPT英語学習術 新AI時代の超独学スキルブック
著:山田 優  発行日:2025/2/21 価格:2,090円 発行元:アルク

<英語学習や学び方、AIなどについてもっと知りたい方に>
グローバルビジネス英語 I │GLOBIS学び放題
Learn How to Learn ~自分にあった学習法を見つけるための4つのステップ~│GLOBIS学び放題
AI・データ時代のビジネス~顧客価値の創り方(前編)│GLOBIS学び放題

人生というプロジェクトと経営学の共通点

推薦者:林 恭子

4月に新年度を迎え、進学、就職、転職、異動、組織変更、企業の方針転換など、様々な変化を迎えた方も少なくないだろう。そんな中で、ご自身のキャリアや人生が、果たして今のままで良いのかとの迷いや悩みが生じるのが、もしかしたらこのGWのタイミングなのかも知れない。

そんな方に是非おすすめしたいのが、この『人生の経営戦略』という書籍だ。長年、経営コンサルタントとして幅広い経験を積まれた山口氏が、自身の培ってきた、経営戦略論をはじめとする経営学の様々な知見を用いて、個人の「人生というプロジェクト」に取り組む方法を指南している。
それにしても、なぜ「経営」に関する理論を「キャリア」や「人生」という畑違いなものに転用することができるのだろう?……いや、実はそこには大きな共通点があるのだ。それは、双方とも「思い通りにならないもの」だから、とする著者の見解が大変興味深い。

用いられる理論には、経営戦略論の代表的な「ポジショニング」や「リソース・ベースド・ビュー」をはじめ、「ブルーオーシャン戦略」、「CSV競争戦略」、ファイナンスの「正味現在価値」、人に関連する「内発的動機付け」、「サーバントリーダーシップ」他、MBAで学ぶ理論やフレームワークがずらり。さらに巻末には、理解を深めるための書籍リストやマンダラ図まで用意されている。これからMBAを学びたい人やビジネス知識を深めたい人には入門書として、既にMBAを学んだ人には、知識を人生にどう転用するか膝を打つ思いで読める本として、おすすめできる。

この本を読んで、GWが明ける頃には、また新たな思いでご自身のキャリアに向き合えることを期待したい。

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人生の経営戦略――自分の人生を自分で考えて生きるための戦略コンセプト20
著:山口 周 発行日:2025/1/15 価格:1,980円 発行元:ダイヤモンド社

<人生戦略にも役立つフレームワークについてもっと知りたい方に>
ポジショニング ~自社製品の差別化と優位性を築く~│GLOBIS学び放題
戦略キャンバス ~ブルーオーシャン市場を見つける~│GLOBIS学び放題

軍隊的組織から脱し、「冒険する組織」を築く

推薦者:嶋田 毅

本書は、ベストセラーとなった『問いのデザイン』の著者でもある、コンサルティングファーム「MIMIGURI」の創業者にして研究者・安斎勇樹氏によるものだ。組織における「世界観のズレ」を乗り越えることをテーマに、これからの組織のあり方を示した1冊である。

さて、ビジネスには軍隊から借用した言葉が多い。戦略や戦術という言葉そのものもそうだし、「橋頭保を築く」「〇〇を武器にする」なども軍隊的な表現だ。組織構造も、軍隊的なピラミッド構造をとっている企業は多いだろう。

しかし、こうした軍隊を想起させるような組織には限界があり、これからの時代にはそぐわないというのが著者の主張だ。もっと個人の想いや可能性を尊重しつつ、不確実な世界で新しい価値を探求できる組織、すなわち「冒険する組織」を築くことが、これからの企業の盛衰を左右するというのだ(ただし、軍隊的組織を全否定するのではなく、その良いところは引き続き活かすというのは妥当な見解だろう)。

「冒険する組織」の実現に向けて核となるフレームワークとして著者が提唱するのが「CCM(Creative Cultivation Model)」だ。詳細は本書に譲るが、分析ツールとしても組織変革の指針としても非常に興味深いフレームワークになっている。

本書は前半が理論編、後半が実践編となっている。正直、理論編だけを読むとやや観念的な印象も受けるが、実践編(20のキーワード、言い換えればティップスが示されている)では著者らが実際に企業に向けて行った取り組みなども紹介されている。これらは決して実践が難しいものでなく、実際にいくつかは既に行っている企業も多いだろう。そうした組織は、実は「冒険する組織」に向けて変わり始めているともいえる。

冒険する組織がどのくらい現実的に成功を収めるかはこれからの研究課題になるだろうが、組織の在り方に問題意識やモヤモヤ感を抱いている方にはぜひ読んでほしい。

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冒険する組織のつくりかた「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法
著:安斎勇樹 発行日:2025/1/24 価格:2,640円 発行元:テオリア

<組織やリーダーシップについてもっと知りたい方に>
【新版】組織行動とリーダーシップ│GLOBIS学び放題
レビンの組織変革プロセス ~組織の変革を成功に導くプロセス~ │GLOBIS学び放題


GLOBIS学び放題でも『達人の一冊』シリーズほかで、グロービスの教員や研究員によるおすすめ書籍をご紹介しています。

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