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ブランド・ロイヤルティとは?お客様の心をつかんで離さない企業の秘密

投稿日:2025/07/13更新日:2025/08/08タイマーのアイコン 読了時間 6分

ブランド・ロイヤルティとは、消費者が特定のブランドに対して持つ愛着や忠誠心の強さを示す概念です。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

ブランド・ロイヤルティとは

ブランド・ロイヤルティとは、お客様が特定のブランドに対してどれだけ愛着や忠誠心を持っているかを表す概念です。

簡単に言えば「このブランドじゃなきゃダメ!」という気持ちの強さのこと。たとえば、iPhoneユーザーが新機種が出るたびに迷わず購入したり、スターバックスファンが他のカフェがあってもスタバに通い続けたりするのが、ブランド・ロイヤルティの表れです。

この概念は、ブランドの価値を測る「ブランド・エクイティ」を構成する重要な要素の1つとして位置づけられています。お客様がブランドに感じる愛着の強さが、そのまま企業の競争力や収益性に直結するため、現代のビジネスにおいて欠かせない指標となっています。

なぜブランド・ロイヤルティが重要なのか - 企業成長の鍵を握る理由

現代の競争が激しいビジネス環境において、ブランド・ロイヤルティは企業の生存と成長を左右する極めて重要な要素となっています。

その理由は、ロイヤルな顧客が企業にもたらす価値の大きさにあります。一般的に、新規顧客を獲得するコストは既存顧客を維持するコストの5倍以上かかると言われており、既存顧客の満足度を高めてリピート購入を促すことが、効率的な経営につながります。

①安定した収益基盤の確立

ブランド・ロイヤルティの高い顧客は、価格競争に巻き込まれにくく、継続的な購入を期待できます。これにより、企業は安定した売上と利益を確保でき、長期的な事業計画を立てやすくなります。経済状況が悪化した際も、ロイヤルな顧客は他社に流れにくく、企業の経営を支える重要な基盤となるのです。

②口コミによる新規顧客獲得

満足度の高いロイヤル顧客は、自然と周りの人にそのブランドを推薦してくれる「アンバサダー」的な役割を果たします。友人や家族への推薦は、企業が行う広告よりもはるかに信頼性が高く、効果的な新規顧客獲得につながります。この口コミ効果により、マーケティングコストを抑えながら顧客基盤を拡大できるのです。

ブランド・ロイヤルティの詳しい解説 - 5つのレベルで理解する顧客心理

ブランド・ロイヤルティは一律ではなく、顧客の心理状態によって5つのレベルに分類されます。同じように繰り返し購入している顧客でも、その理由や動機は大きく異なるため、企業はこれらのレベルを正確に把握し、それぞれに適した対応を取る必要があります。

①価格重視型 - 選択肢がない消極的な購入

最も低いレベルのロイヤルティで、顧客は「仕方なく」そのブランドを選んでいる状態です。より安価で便利な商品があれば、迷わず乗り換えたいと考えているものの、現時点では他に良い選択肢が見つからないため継続購入しています。このレベルの顧客は、競合他社が魅力的な商品を投入すればすぐに離れてしまう可能性が高く、企業にとって最も不安定な顧客層と言えます。

②習慣型 - 特別な理由はないが継続購入

特に強い不満も満足もなく、習慣的にそのブランドを選んでいる状態です。「いつも使っているから」「特に他を探す理由がない」といった消極的な理由で継続購入しています。日用品や食材など、日常的に購入する商品によく見られるパターンで、安定性は価格重視型より高いものの、競合からの積極的なアプローチがあれば乗り換える可能性があります。

③コスト重視型 - スイッチングコストを嫌う合理的判断

商品やサービスに満足しており、他のブランドに変更する際の手間やリスク、コストを考慮して現状維持を選んでいる状態です。銀行の口座変更や携帯電話会社の乗り換えなど、切り替えに伴う煩雑な手続きや学習コストを避けたい心理が働いています。満足度は高いものの、よほどのメリットがない限り変更しないという、合理的な判断に基づくロイヤルティです。

④愛着型 - 感情的なつながりを持つ顧客

ブランドに対して感情的な愛着を持ち、「このブランドが好き」という気持ちで継続購入している状態です。商品の機能や価格だけでなく、ブランドの世界観やイメージ、過去の良い体験などが購買動機となっています。このレベルになると、多少高価でも、あるいは一時的に品質に問題があっても、ブランドへの愛着から離れにくくなります。

⑤信奉型 - ブランドへの絶対的な信頼と誇り

最も高いレベルのロイヤルティで、顧客がそのブランドのファンやアンバサダーとなっている状態です。ブランドを使っていることに誇りを感じ、周りの人にも積極的に推薦します。新商品が出れば真っ先に購入し、ブランドを批判されれば擁護するほどの強い愛着を持っています。アップル製品のファンやハーレーダビッドソンのライダーなどが典型例で、企業にとって最も価値の高い顧客層です。

ブランド・ロイヤルティを実務で活かす方法 - 顧客の心をつかむ実践戦略

ブランド・ロイヤルティの概念を理解したら、次は実際のビジネスでどのように活用するかが重要になります。顧客との関係性を深めて、より高いレベルのロイヤルティを築くための具体的な方法を見ていきましょう。

①顧客セグメントの分析と個別対応

まず重要なのは、自社の顧客がどのレベルのロイヤルティを持っているかを正確に把握することです。アンケート調査や購買データの分析を通じて、顧客を5つのレベルに分類し、それぞれのグループに最適なアプローチを設計します。

価格重視型の顧客には、コストパフォーマンスの良さや特典を訴求し、習慣型の顧客には新しい価値や体験を提供して満足度を高めます。愛着型や信奉型の顧客には、限定商品やVIP待遇などの特別感を演出し、さらに強い絆を築いていきます。

②体験価値の向上による感情的なつながりの構築

商品やサービスそのものの品質向上はもちろん、購買プロセス全体を通じた顧客体験の質を高めることが重要です。店舗での接客、ウェブサイトの使いやすさ、アフターサービスの充実など、あらゆる接点で顧客が「このブランドは特別だ」と感じられるような体験を提供します。

特に、問題が発生した際の対応は、ロイヤルティ向上の大きなチャンスです。誠実で迅速な対応により、一時的な不満を長期的な信頼に変えることができれば、より強固な関係性を築くことができます。また、顧客の声を商品開発に活かし、「自分の意見が反映された」という特別感を与えることも効果的です。

参考ページ

MBA経営辞書「ブランド・ロイヤルティ」

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