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サンクコスト(埋没コスト)とは?ビジネス判断で陥りやすい心理的な罠を理解して賢い経営を実現しよう

投稿日:2025/07/20更新日:2025/08/26タイマーのアイコン 読了時間 6分

サンクコストとは

サンクコスト(埋没コスト)とは、すでに発生してしまい、どんな選択をしても取り戻すことができない費用のことです。「沈没コスト」とも呼ばれ、まさに海に沈んでしまった船のように、もう二度と回収できないお金を指しています。

たとえば、新しい工場を建設するためにすでに支払った建設費用や、新商品開発のために使ってしまった研究開発費などがこれに当たります。これらの費用は、その後どのような判断を下そうとも、お金が戻ってくることはありません。そのため本来であれば、将来の投資判断を行う際には、これらの埋没コストは考慮すべきではないのです。

なぜ埋没コストの理解が重要なのか - 経営判断の精度を高める鍵

埋没コストを正しく理解することは、経営者やビジネスパーソンにとって極めて重要です。なぜなら、この概念を理解していないと、過去の投資に囚われて合理的な判断ができなくなってしまうからです。

①感情的な判断を避けられる

「これまでに多額の費用をかけたのだから、今さらやめるわけにはいかない」という考えは、一見もっともらしく聞こえます。しかし、これは典型的な埋没コストの罠に陥った状態です。過去に使った費用は、今後の判断に影響を与えるべきではありません。重要なのは、これから先の投資に対してどれだけのリターンが期待できるかということだけです。

②資源の有効活用につながる

埋没コストの概念を理解していると、限られた資源をより効果的に配分することができます。過去の投資にこだわらず、将来性のある分野に経営資源を集中させることで、企業全体の競争力を高めることができるのです。

埋没コストの詳しい解説 - ビジネスの現場で起こる具体的な状況

埋没コストは、理論的には簡単に理解できる概念ですが、実際のビジネスの現場では多くの経営者や管理者が陥りやすい罠となっています。その背景にある心理的要因や、正しい対処法について詳しく見ていきましょう。

①心理的バイアスが生む判断ミス

人間は心理的に、すでに投資したものを無駄にしたくないという強い欲求を持っています。これは「コンコルド効果」とも呼ばれる現象で、イギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機コンコルドの例に由来しています。このプロジェクトは途中で商業的な採算が取れないことが明らかになったにもかかわらず、それまでの巨額投資を無駄にしたくないという理由で継続され、結果的にさらなる損失を招きました。

ビジネスの現場でも同様のことが起こります。「20億円もの研究開発費をすでに投入したプロジェクトを今さら中止できない」「新システムの導入に多額の費用をかけたのだから、多少問題があっても使い続けるしかない」といった判断です。しかし、過去の投資額に関係なく、将来の収益性や効率性だけを基準に判断すべきなのです。

②投資判断における正しい考え方

正しい投資判断を行うためには、「これから先のキャッシュフロー」だけを比較検討する必要があります。プロジェクトを「実施する場合」と「実施しない場合」を比較する際、すでに支出済みの費用は両方のケースで共通するため、判断材料から除外すべきです。

たとえば、ある製品の開発に1000万円を投資した後、さらに500万円の追加投資が必要になったとします。この時点で市場調査の結果、その製品の将来収益が300万円しか見込めないことが判明した場合、すでに投資した1000万円は埋没コストなので、追加投資500万円に対する収益300万円のみを比較して判断すべきです。

③組織における意思決定の難しさ

組織の中では、埋没コストの罠はより複雑になります。プロジェクトの責任者は、自分が推進してきた案件を中止することで、責任を問われることを恐れる場合があります。また、過去の投資判断を下した上司や役員の面子を考慮して、合理的でない判断を下してしまうこともあります。

これを防ぐためには、組織全体で埋没コストの概念を共有し、過去の投資にとらわれない意思決定を評価する文化を作ることが重要です。失敗を恐れずに合理的な判断を下せる環境を整備することが、長期的な企業価値の向上につながるのです。

埋没コストを実務で活かす方法 - 合理的な経営判断を実現するためのポイント

埋没コストの概念を理解したら、実際のビジネスの現場でどのように活用すべきでしょうか。具体的な活用方法と注意点について詳しく解説します。

①プロジェクト評価における実践的アプローチ

まず重要なのは、定期的なプロジェクト見直しの仕組みを作ることです。四半期ごとや半年ごとに、進行中のプロジェクトについて「ゼロベース」で評価を行います。この際、これまでに投入した費用は一切考慮せず、「今この瞬間から新たにスタートするとしたら、このプロジェクトに投資する価値があるか」という観点で判断します。

具体的には、残りの投資額と期待される将来収益を比較し、投資対効果が企業の基準を満たしているかを確認します。もし基準を下回る場合は、過去の投資額に関係なく、プロジェクトの中止や大幅な見直しを検討すべきです。

②意思決定プロセスの改善

埋没コストの罠を避けるためには、意思決定のプロセス自体を見直すことも大切です。重要な投資判断を行う際には、必ず複数の選択肢を比較検討し、それぞれの将来キャッシュフローを客観的に評価します。また、外部のコンサルタントや専門家の意見を求めることで、内部の人間では気づかない視点を取り入れることができます。

さらに、意思決定に関わる会議では、「過去の投資」と「将来の投資」を明確に分けて議論することを徹底します。会議の資料にも、埋没コストと将来の投資を分けて記載し、参加者全員が正しい判断基準で議論できるようにします。このような仕組み作りが、組織全体の意思決定の質を高めることにつながるのです。

参考ページ

MBA経営辞書「埋没コスト」

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    ビジネスパーソンの役に立つコンテンツをお届けすべく、取材、インタビュー、撮影、編集などを日々行っています。

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