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オーセンティック・リーダーシップとは?真のリーダーが持つべき「本物の力」を身につける方法

投稿日:2025/07/20更新日:2025/08/15タイマーのアイコン 読了時間 7分

オーセンティック・リーダーシップとは、自らの価値観と信念に基づき誠実に導く「本物のリーダー像」です。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

オーセンティック・リーダーシップとは - 時代が求める「本物のリーダー」の条件

オーセンティック・リーダーシップとは、「真正のリーダーシップ」「本物のリーダーシップ」を意味するリーダーシップ理論です。

「オーセンティック」という言葉は、「真正の」「本物の」「信ずべき」などと訳され、まさに偽りのない真の姿でリーダーシップを発揮することを指しています。この考え方は、組織や社会に対して誠実で一貫性のある行動を取り、自分自身の価値観や信念に基づいてリーダーシップを発揮することの重要性を強調しています。

現代のビジネス環境では、表面的なカリスマ性や権威に頼るのではなく、内面からにじみ出る真の人格と価値観に基づいたリーダーシップが求められているのです。

なぜオーセンティック・リーダーシップが重要なのか - 現代組織が直面する課題への答え

オーセンティック・リーダーシップが注目される背景には、現代の組織や社会が抱える深刻な課題があります。

近年、多くの企業で不祥事や倫理的な問題が発生し、組織のトップに対する信頼が揺らいでいます。従来の権威的なリーダーシップや、短期的な成果を重視するあまりに倫理観を見失ったリーダーシップでは、もはや持続的な組織運営は困難になっています。

①信頼関係の構築により組織力が向上する

オーセンティック・リーダーシップを実践するリーダーは、自分自身に対して正直であるだけでなく、部下や関係者に対しても誠実な態度で接します。このような姿勢は、組織内の信頼関係を深め、メンバーのモチベーションや エンゲージメントを高める効果があります。信頼に基づいた関係性は、困難な状況においても団結力を生み出し、組織全体のパフォーマンス向上につながるのです。

②持続可能な組織運営を実現する

真のリーダーシップは、短期的な利益追求ではなく、長期的な視点で組織や社会の価値創造を目指します。すべてのステークホルダーのニーズに応え、社会に奉仕するという意識を持つことで、企業の社会的責任を果たしながら持続的な成長を実現できます。これは、現代のESG経営や サステナビリティ重視の経営環境において、ますます重要性を増している考え方です。

オーセンティック・リーダーシップの詳しい解説 - ビル・ジョージが示した新しいリーダー像

オーセンティック・リーダーシップという概念を広めたのは、メドトロニック社の元CEOとして同社を目覚ましい発展に導いたビル・ジョージです。

彼は2003年の著書「Authentic Leadership」において、従来のカリスマ的リーダーシップに代わる新しいリーダー像の必要性を提唱しました。ジョージ自身の経験に基づく この理論は、多くのビジネススクールや企業で取り入れられ、現代のリーダーシップ開発の重要な柱となっています。

①オーセンティック・リーダーに求められる基本要件

ジョージが示した新しいリーダー像の要件は、非常に具体的で実践的です。まず、「高度なインテグリティ(統合性)を備え、永続する組織を築くことに献身する」ことが求められます。インテグリティとは、言行一致や首尾一貫性を意味し、自分の価値観と行動が矛盾しないことを指します。

さらに、「しっかりとした目的意識を備え、自らのコアの価値観に忠実」であることも重要な要件です。これは、外部からの圧力や誘惑に左右されることなく、自分が信じる価値観に基づいて意思決定を行うことを意味します。

②すべてのステークホルダーへの責任と社会奉仕の意識

オーセンティック・リーダーは、「すべてのステークホルダーのニーズに応える企業を築き上げる気概を備え、かつ社会に奉仕することの重要性を理解」していることが求められます。これは、株主だけでなく、従業員、顧客、地域社会、そして環境に対しても責任を持つという包括的な視点を意味します。

現代のビジネス環境では、企業の社会的責任がますます重要視されており、オーセンティック・リーダーシップはこうした要求に応える理論的枠組みを提供しています。

③オーセンティック・リーダーが持つべき5つの属性

ジョージは、オーセンティック・リーダーには以下の5つの属性が備わっていると説いています。

第一に、「自らの目的をしっかり理解している」ことです。これは、自分が何のために存在し、何を成し遂げたいのかを明確に把握していることを意味します。第二に、「しっかりした価値観に基づいて行動する」ことで、一貫性のある意思決定と行動を取ることができます。

第三に、「真心をこめてリードする」ことで、部下や関係者との信頼関係を築きます。第四に、「しっかりした人間関係を築く」能力により、組織内外のネットワークを構築し、協力関係を育みます。そして第五に、「しっかり自己を律する」ことで、感情や欲望をコントロールし、冷静で公正な判断を下すことができるのです。

オーセンティック・リーダーシップを実務で活かす方法 - 現場での実践とキャリア開発

オーセンティック・リーダーシップは理論的な概念にとどまらず、実際のビジネス現場で活用できる実践的なアプローチです。

現在では、複数のビジネススクールが「オーセンティック・リーダーシップ開発」のコースを設けており、学生自身のキャリア上の目的、価値観の理解、モチベーションの源泉、人生の統合などを見つめる内容のプログラムを提供しています。これらのプログラムは、自己理解を深めることからスタートし、実践的なリーダーシップスキルの開発につなげていく構成になっています。

①日常業務での実践方法と具体的な取り組み

オーセンティック・リーダーシップを日常業務で実践するには、まず自分自身の価値観や目的を明確にすることから始めます。定期的な自己振り返りの時間を設け、自分の行動が価値観と一致しているかを確認することが重要です。

部下との コミュニケーションにおいては、オープンで正直な対話を心がけ、自分の考えや感情を適切に表現することが求められます。また、意思決定の際には、短期的な利益だけでなく、長期的な影響や関係者への配慮を含めた包括的な判断を行うことが大切です。チームメンバーの成長や幸福を真に願い、そのための支援を惜しまない姿勢も、オーセンティック・リーダーシップの重要な実践要素です。

②継続的な自己開発とリーダーシップ向上のポイント

オーセンティック・リーダーシップの向上には、継続的な学習と自己開発が欠かせません。360度フィードバックや コーチングセッションを通じて、自分の強みや改善点を客観的に把握することが効果的です。

また、メンターや ロールモデルとなるリーダーから学び、自分なりのリーダーシップスタイルを確立していくことも重要です。困難な状況や倫理的なジレンマに直面した際の判断基準を明確にし、一貫性のある行動を取れるよう準備しておくことで、真のリーダーとしての信頼を築くことができます。さらに、組織や社会への貢献を意識し、自分のリーダーシップが周囲にどのような影響を与えているかを常に振り返ることで、オーセンティック・リーダーとしての成長を続けることができるのです。

参考ページ

MBA経営辞書「オーセンティック・リーダーシップ」

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