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どうするスタバ!マック「買いたいコーヒー」二冠!

投稿日:2008/05/15更新日:2019/04/09

5月9日どうするスタバ!マック「買いたいコーヒー」二冠!

オリコンのグルメランキングによれば、マクドナルドのアイスコーヒーがホットコーヒーを対象とした調査に引き続き、第1位を獲得した。

オリコンの調査は、20〜30代の男女お気に入りの1杯を探すべく1280名の男女にブラインドテストを実施ということ。テイクアウトが可能なマクドナルド、ドトール、モスバーガー、ミスタードーナツ、スターバックスの5社が対象だ。その結果、味の面では香り・苦み・酸味・後味などの各項目で評価が分かれ、拮抗という結果になったが、さらに味を基にした「購入意向」では、マクドナルドが100円という価格面での強みから断然トップを獲得している。この傾向はホットコーヒーの調査でも同様であった。

さて、筆者は実は根っからのスターバックス派だ。1996年に銀座松屋の裏に小さな2階建て店舗(現在も営業中)でスタートとした頃から足繁く通ったものだった。だが、残念なことに、この調査では「買いたい」というランクでは他よりかなりポイントが引き離されてしまっている。

しかも、「どう考えても味ならスタバでしょ!」ともなかなか強弁しにくくなるのだ。なぜなら、調査は旧来のマクドナルドのアイスコーヒーを対象に行われているのだが、5月16日よりマクドナルド全店でアイスもプレミアムコーヒーにグレードアップするという発表がされている。好みの問題でいうなら、断然味はスタバなのだが、正直に言えば100円のマックのプレミアムコーヒーはなかなか侮れなかった。アイスもなかなかの味を引き出してくるのではないだろうか。

そもそも、マックの100円と、スタバの本日のコーヒー(S)280円という価格差はどう考えればいいのだろうか。確かに以前なら、ハンバーガーを食べるついでにコーヒーを頼むことはあったが、100円払ってわざわざマックにコーヒーを飲みに行く気はしなかった。あの“茶色いお湯”と揶揄されていたマックのコーヒーに100円の価値はなかったからだ。それがおいしくなるとすれば、魅力が出てくることになる。

もう一つの要素は店内空間だ。店内の快適さで考えればスタバとマックは比較にならなかった。マックのプラスチック(FRPか?)素材でできた座り心地の悪い椅子や、けばけばしい店内装飾はどうにも落ち着かなかった。対して、スタバはゆとりのある什器の配置、座り心地のいいソファー、照明の加減やポスター、BGMまでオシャレで快適だ。しかし、マクドナルドも家族向けの郊外店は旧来の趣だが、都市部の店舗は随分とオシャレで機能的に改装されてきている。

日経MJ5月9日号、「ファストフード店、“食べる”から“過ごす”へ、無線LANで仕事」という記事でも紹介されている。明るい木目と白の什器と店内装飾。1人でも過ごしやすいような座席を多く確保。さらに無線LANにコンセントまで提供している。ちょっとした休息とメールチェックなどにはもってこいの環境だといえるだろう。これでコーヒーが100円。さらにもうすぐアイスコーヒーもおいしくなる。もしかすると、マックはこの夏のアイスコーヒー戦争で一人勝ちになるのではないかという気配も漂ってくる。

さて、スタバ派としてはどうしてもその点でスタバにがんばってもらいたいので注文を付けたい。前述の通り、味は好みもあるし、文句はない。価格もまぁ、100円と比べれば随分高いが払える範囲なので目をつぶる。しかし、本来の売り物であった「店内空間」が少しプアになっている観が強い。

出店ペースを速めた頃から、随分と狭いスペースの店も多くなった。明らかにテーブルを詰め込みすぎだ。1人あたりのスペースの狭さではドトールと変わらないだろう。旧来の広い店も、ソファー席を無くしたり減らしたりして、テーブルを詰め込んでいる。シンボル的にソファー席は多少あっても座れたためしがない。とにかく、空間としての落ち着きがなくなってしまっているのだ。

マクドナルドの約3倍の価格には、「安らぎの空間」も商品の一部として価格に含まれているはずだ。顧客がどんな価値を評価しているのか忘れないでもらいたい。このままだと筆者も、パソコン持って、100円握りしめて、マクドナルドに通うようになってしまう気もする。

日本経済新聞5月1日付け夕刊によれば、米スタバは1〜3月期27%減益だと伝えられている。マックVS.スタバは、米国で一足先に最終決戦ともいうべき状況に突入している。節約志向を強める米国の消費者が比較的単価が高い同社を敬遠する動きが広がり、来店客数が落ち込んだと分析されている。明らかにスタバは劣勢だ。しかし、圧倒的な規模の経済を持つマックに価格面で勝てるわけはない。「何が顧客に対し提供できる価値なのか」という原点に帰って健闘してもらいたいものだ。

  • 金森 努

    グロービス経営大学院 教員

    東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道四半世紀以上。コンサルティング事務所、広告を経て、2005年独立起業。 青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。著書「図解 よくわかるこれからのマーケティング」(同文舘出版)「”いま”をつかむマーケティング」(アニモ出版)。共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。監修「実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則」(TAC出版)。雑誌への連載、講演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。

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