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顧客の問題は「掛け算」で解決せよ

投稿日:2018/12/29更新日:2019/04/09

新刊『MBA 問題解決100の基本』の7章「顧客の問題解決こそがキャッシュを生む」から、「Basic063 社内の問題解決と顧客の問題解決の二兎を追え」を紹介します。

ビジネス、特にマーケティングや製品開発は、顧客の問題を解決することとも言えます。「不便」「不快」「不安」「不確か」など、「不」という文字がつくところにビジネスチャンスがあるというのも同根の発想です。この時、単に顧客の問題を解決するだけではなく、同時に自社の問題も解決できれば、その効果は相乗的に高まり、お互いに非常にハッピーな関係が生まれます。自社にとってもメリットが生まれる結果、そこで得られた時間や利益をさらに顧客の便益に投資したりすることができるからです。顧客は絶対的な神様というわけではありません。自社と顧客の間でWin-Winの関係が築けないか、しっかり検討したいものです。

(このシリーズは、グロービスの書籍から、東洋経済新報社了承のもと、選抜した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

社内の問題解決と顧客の問題解決の二兎を追え

これは、社内の問題解決のみで何かを変えるよりも、顧客視点も併せて新しい手法を考える方が桁違いの効果をもたしうることを示す言葉です。筆者が個人的に意識しているポイントでもあります。

たとえば回転寿司のコンベアは、もともと提供側の人手不足を解消するために考え出されたものでした。しかし、それだけだったらここまで受け入れられはしなかったでしょう。顧客にとっても早い、安い、注文の必要が減る(他人とあまり関わらなくてもいい)という便益を提供することで、大ヒットとなったのです(この時は、発明者は後付けで顧客側のメリットに気がついたそうです)。

似たようなケースで、最初から顧客視点で新しいサービスを生み出したのがAmazon Goです。日本ではレジ無しの無人店舗と紹介されることが多いですが、狙いは決して省人化ではなく、アマゾンらしく(コラム参照)顧客の便益です。スマホとアプリさえあれば、いちいち人に頼らなくても、欲しいものを即時に決済できるという点がポイントです。またレジに並ぶ必要がないので、通常決済にかかる時間数分が節約できます。その裏側には、アマゾンが開発したAIや画像認識の技術がふんだんに使われています。

日本でもローソンなどが似たような実験を始めています(こちらはバイトの採用難という事情もあったようです)。いずれにせよ、顧客よし、自社よしのWin-Winのソリューションはやはり大きなパワーになるのです。

コラム:アマゾンの顧客中心主義

Basic023でも触れたように、アマゾンはとにかく顧客の便益に投資する会社です。「速い、安い、品揃えが多い、とにかく便利」と言えます。そこにある発想は、最初は顧客単位で多少赤字になろうが、一度便利さを味わってもらえば結局はまた使ってくれるので、まずはユニークユーザーを増やす、そして彼らのLTV(顧客生涯価値)は最後にはプラスになるので、それが企業価値向上に結び付くという発想です。

たとえば書籍であれば、通常の書店は新刊の店なら新刊しか扱いませんが、アマゾンでは同時にマーケットプレイスの1円の中古品も表示したりします。一見理に合わないようにも見えますが、ユニークユーザー数×LTVを最大化するという狙いに沿って見ると、これも理にかなっているのです。

#キーワード
Win-Win、ユニークユーザー、LTV

(本項担当執筆者:嶋田毅 グロービス出版局長)

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