キャンペーン終了まで

割引情報をチェック!

財務指標って何?

投稿日:2017/08/16更新日:2025/04/24

財務指標は、会社の業績や財政状態を評価する際に便利なツールです。会社の総合的な収益力を示す「ROE」も財務指標の1つです。財務指標は、P/Lの利益や売上高、B/Sの総資産、純資産などの財務諸表の数字を使った計算により比率(%)、回数、倍率などの単位で表されます。規模の大きな会社では、前期からの増減などを金額のみで捉えると売上や資産の金額が大きくなり実感がわきにくいことがあります。あるいは、事業規模の異なる会社の業績を比較する場合も、金額のみでは比べにくいものです。その点、財務指標は金額の規模を捨象して複数の会社の業績などを比較することができます。

会社の業績等の評価においては、絶対的な金額のみで評価をするのではなく、自社の過去の数値との比較(時系列比較)、自社の中長期目標数値との比較、あるいは同業他社の数値との比較と言った相対比較によることが多いと思われます。

財務指標には、総合力、成長性、収益性、効率性、財務安全性の種類があります。それぞれの主要な財務指標は以下の通りです。

総合力:ROE(自己資本利益率)、ROA(総資産利益率)
成長性:売上高成長率、総資産成長率
収益性:売上高総利益率、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高純利益率
効率性:総資産回転率、売上債権回転期間、たな卸資産回転期間、仕入債務回転期間
財務安全性:純資産比率、流動比率、当座比率、固定比率、インタレストカバレッジレシオ

会社の業績や財政状態を評価する際には、例えば、売上高の成長という一面だけからではなく、多面的な評価が求められます。会社は人間と同じように多面的な存在といえます。例えば、事業の成長スピードは非常に速くても、運転資本の増加に対して資金調達を適時にしないと倒産してしまいます。一面からだけの評価は判断を誤るリスクも抱えているのです。成長性、収益性、効率性、安全性、そして総合力の複数の観点から多面的に会社の業績等を分析、評価することが重要です。

また、分析、評価をする立場によって重視するポイントも変わります。例えば、株主や投資家であれば、会社の収益性や今後の成長性が気になるでしょう。一方で、会社に資金を融資している債権者であれば、元本と利息が着実に返済される程度の財務安全性に重きを置くでしょう。得意先や仕入先も同様に、取引が安定して継続できるような安全性を気にすると思われます。経営者の立場では、自身の目標はもちろんのこと、外部のステークホルダーからの期待に応える責任も負いますので、結果として総合力、成長性、収益性、効率性、財務安全性のすべてを意識する必要があるでしょう。

  • 溝口 聖規

    グロービス経営大学院 教員

    京都大学経済学部経済学科卒業後、公認会計士試験2次試験に合格し、青山監査法人(当時)入所。主として監査部門において公開企業の法定監査をはじめ、株式公開(IPO)支援業務、業務基幹システム導入コンサルティング業務、内部統制構築支援業務(国内/外)等のコンサルティング業務に従事。みすず監査法人(中央青山監査法人(当時))、有限責任監査法人トーマツを経て、溝口公認会計士事務所を開設。現在は、管理会計(月次決算体制、原価計算制度等)、株式公開、内部統制、企業評価等に関するコンサルティング業務を中心に活動している。 (資格) 公認会計士(CPA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、公認内部監査人(CIA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA)

サブスクリプション

学ぶ習慣が、
あなたを強くする

スキマ時間を使った動画学習で、効率的に仕事スキルをアップデート。

17,800本以上の
ビジネス動画が見放題

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

利用者の97%以上から
好評価をいただきました

スマホを眺める5分
学びの時間に。

まずは7日間無料
体験してみよう!!

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

新着記事

新着動画コース

10分以内の動画コース

再生回数の多い動画コース

コメントの多い動画コース