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「夏×(モノ+コト+食の安全)×省時間=?」

投稿日:2008/08/08更新日:2019/04/09

7月25日夏×(モノ+コト+食の安全)×省時間=?

夏×(モノ+コト+食の安全)×省時間・・・なぁんて方程式にズバリ合致した衝動買いをした。Amazonに発注済み。商品到着を楽しみにしているところである。

■夏

夏といえばかき氷だ。家で子供と一緒に氷をガリガリと削るのは楽しい。だが、削るのはともかく、実は味が苦手なのだ。氷のキーンと冷えた口当たりはうれしいものの、あのシロップそのものというプアな味わいはひと夏に1〜2回食べれば十分だと思ってしまう。

もう少しよく考えれば、削るのもすごく楽しいかというと、あまりにあっさり作れすぎて味気ない。ガリガリガリガリガリガリガ・・・終了。・・・寂しい・・・。単調ですぐに飽きてしまうのだ。

台所の片隅に箱に入って鎮座し、貴重なスペースを占有しているかき氷器は、毎年数回しか登場しない。出来上がった食べ物としてのスペック、作る課程の楽しさという、“モノ”と“コト”としての価値が、意外に低いのが原因なのだ。「夏の風物詩」として、ちょっと惰性的に作って食べていたのかもしれない。

■モノ+コト+食の安全

となると、もう一つの氷菓の雄、アイスクリームだ。

アイスクリームなら60円のガリガリ君から、1カップ500円の高級品まで、昨今はよりどりみどり。だが、市販のものは概ね甘い。甘すぎるのである。

そんなわけで、手作りアイスクリーム器=アイスクリーマーなるものを使っている人の話を聞くにつけ、興味を抱き、物欲メーターが少しずつ上昇していたのである。

手作りなら甘さのコントロールも自在にできる。こだわろうと思えば素材も自由に選べるし、もちろん、添加物などの心配もしなくていい。“食の安全”対応である。

“モノ”としてのスペックを自由にカスタマイズできるのは何ともうれしい。さらに制作過程の“コト”を考えると、単に氷を削るだけでなく、いろいろな素材を混ぜ合わせたり、かき回したりと、かき氷より複雑なプロセスを踏むため、エンターテイメント性は高い。

■省時間

アイスクリーマーなる商品を物色してみた。が、その結果は絶望的であった。確かに具材を子供と一緒にまぜまぜ・コネコネするのは楽しそうだが、何とも時間がかかるのだ。

具材を容器に入れて冷凍庫で冷やすこと10時間。その後、取り出してはコネコネかき回し、また冷凍庫に戻し・・・と数時間繰り返すという。考えられない・・・。

確かに作成プロセスに価値があることは理解できる。だが、人間は等しく1年365日、1日24時間と与えられた時間の中で生きている。それをアイスクリーム作りにそんなに費やして良いものだろうか。いや、良いはずがない。ゆえに、却下した。

しかし、技術の進歩とはすばらしい。なんたる人類の英知の結晶か。やるな、ナショナル(もうすぐパナソニック)。面倒なところは全自動になっているのだ。

Amazonに記載されている商品説明によれば、混ぜ合わせた材料を入れ、スイッチを押すだけの簡単操作。マイコン制御で自動かき混ぜ、自動停止してくれるので、出来上がるまで(約3時間ほど)、冷凍庫に入れっぱなしでいい、という。

具材を用意し、容器に入れ、わずか3時間。十数時間が3時間だ。なんという“省時間”。

考えてみれば、制作過程で楽しいのは、材料のレシピを考えて容器に混ぜ入れるところと、後は仕上がりの瞬間だろう。まぜまぜ・コネコネも楽しいかもしれないが、作業過程いかんでは失敗のリスクを大きくはらむという。ならば自動の方がいい。

というわけで、夏×(モノ+コト+食の安全)×省時間=National電池式コードレスアイスクリーマーBH-941なのである。

「この夏はたっぷりアイスを食うぞー」と思いつつ、物を一つ買うのに、こんなにめんどくさい考え方をする自分は、あまり“省時間”ではないなとも思ったりする・・・。

しかし、ここで今一度、視点を転じてみると、この一連の流れは消費者が購入に至る心理・態度変容の変遷と、モノを買う理由(KeyBuyingFactor)の抽出そのものでもある。

筆者は一般的な消費者像とは多少の乖離があり、モデルとしてはいささか複雑なパターンすぎるかもしれない。しかし、心理・態度変容やKBFは、既存のフレームワーク(例えばAIDMA)や、「安い」とか「便利」では計れない実例として考えられなだろうか。

ちょっと自分の衝動買いの理由付けをしつつ、後付けっぽく真面目にまとめてみた。

  • 金森 努

    グロービス経営大学院 教員

    東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道四半世紀以上。コンサルティング事務所、広告を経て、2005年独立起業。 青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。著書「図解 よくわかるこれからのマーケティング」(同文舘出版)「”いま”をつかむマーケティング」(アニモ出版)。共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。監修「実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則」(TAC出版)。雑誌への連載、講演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。

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