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昨年6月に導入されたコーポレートガバナンス(CG)・コードの目玉の1つとして、持ち合い株式の解消、があります。

株式持ち合いとは、その名の通り、複数の株式会社がお互いに相手の株式会社の株式を保有することです。そして、相互に保有されている株式を持ち合い株式、相互保有株式などと言います。持ち合い株式は、B/S上は固定資産(投資その他の資産)に「投資有価証券」として計上されます。

有価証券報告書の「コーポレート・ガバナンスの状況」のセクションには、純投資以外の目的で保有する特定投資株式として銘柄、株式数、貸借対照表計上額、保有目的が記載されています。

株式持ち合いは高度経済成長において一定の役割は果たしたのですが、一方で、資本の空洞化や安定株主工作による株主総会の形骸化といった問題が指摘されていました。バブル経済の崩壊以降、会計ルールが徐々に時価主義へと移行するようになると、株式持ち合いの解消が進行しました。持ち合い株式を時価評価して取得価額との差額を決算に反映する必要が生じると、業績の悪い会社の株式を保有することは自社の決算に悪影響を及ぼすようになったためです。しかし、依然として株式会社が保有する持ち合い株式は相当の残高があると言われます。CG・コードのお墨付きによって、取引先の株式を売却することに躊躇していた会社の持ち合い株式の解消に拍車がかかることになるでしょう。

ROEを重視する経営においては、資本の効率的な運用が求められます。会社がおカネを事業に投資せずに、おカネを生まない(配当程度は稼ぎますが)取引先の株式に投じることはおカネを寝かせていることと同じであり、資本の効率的運用を阻害するうことになります。そこで、CG・コードでは、経済合理性に照らして会社にとって株式を持ち合うことの明確な理由が無い場合は株式持ち合いを解消して、そのおカネを事業へ投資することを促しているわけです。

しかし、持ち合い株式を売却したり、それによって得たおカネを設備投資するだけではB/Sの資産の内訳が「投資有価証券」から「現金及び預金」や「有形固定資産(機械装置)」に振り替わるだけであり、ROEが高まるわけではありません。持ち合い株式に含み益がある場合は、ROEが低下することもあります。投資された設備が稼働して、売上そして利益を稼ぐことによって初めてROEに好影響が出ることになるので注意が必要です。

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