キャンペーン終了まで

割引情報をチェック!

リンダは銀行員?代表性ヒューリスティックとは――【リンダ問題の答えは/行動経済学のキーワード】

投稿日:2010/04/14更新日:2019/08/15

代表性ヒューリスティックとは

代表性ヒューリスティックとは、ヒューリスティック(人間の思考の癖)で、特定のカテゴリーに該当しやすいと思われる事柄の確率を過大に評価するものです。

特定の母集団やカテゴリーに典型的と思われる事項に着目しすぎるあまり、その確率を過大に評価しやすい意思決定プロセスを、代表性ヒューリスティックと呼びます。

具体例で代表性ヒューリスティックを考える

以下の会話のどこに問題があるか考えてみましょう。

「最近、うちの会社に応募してきたA君だけど、やたら元気な人間だったね」

「確かにそうでしたね。学生時代は、体育会系、趣味系含め、いくつものサークルを主催していたそうです」

「いかにもそういう感じだったな」

「でも、頭は悪くないし、社交的な感じですよね。大きな欠点もないので、採用は問題ないと思います」

「採用したら、彼は10年後何をしているかな」

「まあ、最もイメージしやすいのは、営業で頑張っているという感じでしょうか」

「僕は単に営業で頑張っているというより、営業マンの中でも結構トップグループにいる可能性の方が高いと思うな」

冷静に考えれば、「営業で頑張っている。なおかつトップグループにいる」ということは、「営業で頑張っている」ということの部分集合ですから、そちらの方が確率が高いことはありえません。しかし人間は、なんとなく前者の方の確率を過大に評価してしまうのです。

リンダ問題とは?その解答は?

この問題を端的に示す有名な例が、下記の「リンダ問題」と呼ばれる事例です。構造は、今回ケースに示したものと全く同じです。

リンダは31歳の独身女性。非常に知的で、はっきりものを言う。大学時代は哲学を専攻しており、学生の頃は社会主義と差別問題に関する活動に深く関わり、核兵器反対のデモにも参加したことがある。さて、リンダの今を推測する場合、可能性が高いのはどっち?

  • 彼女は銀行員である
  • 彼女は銀行員で、女性運動で活動している

後者は前者の部分集合ですから、当然、確率としては前者の方が高いはずですが、多くの人は後者の確率が高いと錯覚してしまいます。筆者がある生産財メーカーで技術者対象の研修をしたとき、この事例を出してみたことがあるのですが、数学的素養の強いはずの彼らでさえ、半数近くが間違った方を選んでしまいました。

確率や可能性を考える際には、直感に頼るだけではなく、「何に対する何の比率か」ということを冷静に考えたいものです。

なお、ある条件の下での確率の考え方に「ベイズ確率」という考え方があります。これもよく錯覚しやすいテーマなので、別の機会にご紹介したいと思います。

さらに詳しく知りたい方へ、
おすすめの動画をご案内します。

■論理的思考について学べるおすすめの動画はこちら

■GLOBIS 学び放題で、さらに学びを深めませんか?

GLOBIS 学び放題は、ビジネススクールを運営するグロービスの動画学習サービスです。
上記でご紹介した目標設定、マネジメントに関連する動画を始め、マーケティングや経営戦略など、14カテゴリのビジネススキルが学び放題。

▼特徴▼

  • MBAほかで教える講師監修の高品質なビジネス動画を提供
  • 14,000本以上の動画(※2024年2月時点)を毎月書籍1冊分の価格で見放題
  • 1動画3分〜、スマホやアプリでいつでもどこでも学べる
  • ビジネスの原理原則〜最新トレンドまで、仕事に役立つ実践的な知識を体系的に網羅
  • 初級・中級・実践まで自分に合うレベルを選べる
  • オンラインイベントやユーザー主催の勉強会などで、一緒に学ぶ仲間に出会える
  • 第20回日本e-Learning大賞で厚生労働大臣賞を受賞!
  • Japan e-LearningAwards2023 | 第20回日本e-Learning大賞厚生労働大臣賞を受賞。
  • 20代〜30代ビジネスパーソン334名を対象とした調査の結果、オンラインビジネス学習サービス部門、4部門で高評価を達成!
オンライン学習サービス部門 20代〜30代ビジネスパーソン334名を対象とした調査の結果 4部門で高評価達成!

GLOBIS学び放題で、あなたの可能性を広げる一歩を始めませんか?

▼さらに詳しい情報や、無料体験はこちらから▼

GLOBIS学び放題 7日間無料体験やさらに詳しい情報はこちら
  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

関連動画

学びを深くする

記事に関連する、一緒に学ぶべき動画学習コースをまとめました。

関連記事

合わせて読みたい

一緒に読みたい、関連するトピックをまとめました。

サブスクリプション

学ぶ習慣が、
あなたを強くする

スキマ時間を使った動画学習で、効率的に仕事スキルをアップデート。

17,800本以上の
ビジネス動画が見放題

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

利用者の97%以上から
好評価をいただきました

スマホを眺める5分
学びの時間に。

まずは7日間無料
体験してみよう!!

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

新着記事

新着動画コース

10分以内の動画コース

再生回数の多い動画コース

コメントの多い動画コース