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これまで2度に分けて、社内で「こと」を進めていくための大切な議論をしてきた。今回はこの話題の最後にさらに2つの重要なことについて考えていく。

ひとつは、早いタイミングで小さい成功(アーリー・スモール・ウィン)を作ることだ。改革プロジェクトなどを想定してみよう。鳴り物入りで組成されたプロジェクトを、外部の変革チームがリードするというケースを考えると、最初からは誰も信頼はしない、ということになるだろう。

この人を信頼しよう、このグループを信頼しようと周囲の人に思ってもらうためには、まずは実績を作ることが重要だ。そのためには、(1)最も悪い状況になっている場所・箇所・部分に手を入れる。(2)最も簡単に改善できそうなところに手を入れる。(3)最も多くの人が実益を感じるところから手を入れる。―という3つを念頭に置くとよいだろう。

例えば、このプロジェクトが始まったら、今まで汚かったロッカーがきれいになった。トイレが温水洗浄便座になった、などのことから始めてみるのだ。

2つ目は自分を含めた、関係者のエネルギーの維持だ。これは通常の仕事においても難しい。どんなプロジェクトでも始めたときはエネルギーレベルも高く、皆も注目している。しかし、多くの場合、長くは続かない。しばらく後の会議で「あの件どうなった?」というような質問が出てしまうことが多い。

エネルギーを維持するために大切なのはコミュニケーションだ。繰り返し話す、現場に行って直接語る、論理や数字だけなくストーリーを語る、聞き手と自分の前提の違いをふまえて話す。KISS(Keep it short and simple)の法則を常に意識して話す、などが重要だ。そして、結果にこだわり、しつこく周りをフォローする。どれも当たり前の話だが、知っている・分かっているのと実際にやる、できるのは別だ。

「聞く―理解する―合意する―実際に行動する―成果を上げる」。コミュニケーションによって実現しなければならない道のりは長く、奥は深い。

プロジェクトの規模が大きくなると、常に全員と直接、コミュニケーションをとることは難しくなるだろう。そうなったら、中間に入る人も、同じことを語れるように言葉を具体化していくことが求められる。

7W2Hをしっかり意識するとよいだろう。Why(なぜそれをするのか?)、What(何をするのか?)、Where(どこでやるのか?)、Who(誰が責任者なのか?)、When(いつまでにやるのか?)、with Whom(誰と一緒にやるのか?)、to Whom(誰に最終的に報告するのか?)、How(どうやってやるのか?)、How Much(いくらコストをかけてやるのか?)だ。仕事に慣れるとWhyといったメンバーのモチベーションの根源に関わる部分を語らなくなってしまうものだ。

大切なことを関係者が「見える」ようにしておくことも大切だ。いわゆる見える化だ。問題、状況、スケジュール、指標を見える化しておくことの重要性は論をまたない。大切なことは手間をかけずに「常に目に入る状況」にしておくのだ。何かのデーターベースを調べに行けば、どこかにデータは格納されています、では見える化にならない。

アーリー・スモール・ウィン、継続的かつシンプルな言葉を使ったコミュニケーション、そして見える化。これらを意識して「こと」にあたってみてほしい。

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