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ストレングス・ファインダーで発見する、ヒトへの関心がなかった自分の変化——強みを活かすスキルの獲得

投稿日:2024/08/12更新日:2024/08/13

ヒトへの向き合い方の変遷について、自己理解を深めるツールのひとつであるクリフトンストレングス・テスト(ストレングス・ファインダー)による強みの源泉と結びつけながらグロービス経営大学院卒業生に聞くシリーズ。

組織内で新たな役割を付与されメンバーを巻き込まなければならない状況に立たされたことで、これまで隠れていた他者との関係性に作用する資質(「成長促進」、「親密性」、「個別化」など)が顕在化する機会になった3名。しかし、自分とは違う多様なメンバーに対し、その資質を有効に働かせる「スキル」をまだ十分にもっておらず、自分起点・自己の論理にとどまりうまくいかなかった。

今回は、その「スキル」をどのように獲得し、行動を改善していったのかについて聞いてみた。

「学習欲」が「成長促進」を活かすためのコミュニケーションスキルに変化をもたらした

Q: 自分のこうあるべき!が強く、そのレンズで相手をみて正そうとしてしまい、うまくいかなかったという苦い経験から何を契機にどのように乗り越えられたのか? 

青柳(上位5資質:個別化、着想、成長促進、学習欲、原点思考):

2つの大きな契機があった。ひとつ目は、試行錯誤を繰り返し、うまくいかない日々が続いていた時に自分の「学習欲」(*1)に火がつき、グロービスでスキルとしての手法を学べたことだ。
資質の活かし方は状況によってかわってくる。したがって様々な状況下で学んだことを実践し引き出しを増やしていった。信頼を勝ち取るために自分の弱さもさらけ出し、少しずつ距離を近づけていった。「自分はこうなってほしい。こんな人生を歩んでほしいんだ。あなたはどうなりたいのか?」と語りかけた。すると徐々に部下の表情が変わっていき、部下自ら「変わりたい・・・!」と心の声を発してくれるようになった。その時に今まで感じたことのない幸せを自分の中で感じることができた。まさに「成長促進」(*2)という自分の上位資質が成就した瞬間だ。

もうひとつの変化のポイントは、とある企業研修で叱咤を受けたことだった。研修オーナーとの1on1を通じて、自分のキャリアを語り深める場面。グロービスの授業受講時のように頭をフル回転させながら、伝えよう深めようとして話をする私に対して突然、『青柳さん、ちょっと待って!すぐに反応しないで!』『ちゃんときいて!鎧を着てファイティングポーズ取っているように見えるよ!』と。指摘されてハッとした。無意識で相手を急かしており、自分の土俵に持ち込もうとしていたのだと気づかせてくれた。
それからは、常に自分の表情や声の高さ・スピードチェックするようにした。上司や後輩にも開示して「実践できているかチェックして教えてほしい」とお願いして徹底的に訓練した。これも自己への「学習欲」という上位資質が表れたのだと思う。

Q:そして現在は? 

青柳:部下が気軽に自発的に相談してくれる回数が増えた。今までは、私から気にかけて行く機会が多かったが、今は、部下の方から「ちょっといいですか?」と声をかけてくれる機会が増えてありがたい。「表情が明らかに柔らかくなったし、みんなの話を聞いてくれるようになった。」と言われ、周りの人からも変化を感じてもらっているようだ。

会社設立30周年のタイミングで、部員100名全員で共通の価値観を語り合うイベントを主催し、継続している。温故知新、大切にしてきたものとこれから何をやっていこうかを闊達に語り合う場になっている。上位者からの押し付けでなく意見を出してくれる雰囲気づくりやまとめて次につなげていくことに、前述の「成長促進」「学習欲」とともに自身の上位資質である「個別化」(*3)、「着想」(*4)、「原点思考」(*5)も現れているものと認識している。 

個々の強みを活かすためのスキルを学び、「最上志向」へ

西川(上位5資質:最上志向、未来志向、着想、戦略性、親密性):

職責が変わり以前より大きな組織を持つようになり、自分の価値観のベースにある『知的好奇心』に火がつき、より大きな対象のPDCAを回し新しいことを生み出すことにやりがいを感じた。これは自分の上位資質である「最上志向」(*6)、「戦略性」(*7)につながるからだ。

しかし一方で、組織の垣根を超えたチーム運営を円滑に行って最大のアウトプットを出すための「やり方」を自己流で続けるのに限界も感じていた。その頃に、グロービスでの学びに出会った。当時、グロービス教員の言葉で、「信頼は貯蓄」「応援することはめぐって自分へ」というメッセージを今でも自分は大切にしている。リーダーは何でも自分でしなければならないという固定概念から、リーダーとして個々の強みを活かしながら(「個別化」)組織最適化によって結果を出す方法をスキルとして学んだ。自分はアニメ『ONE PIECE』の麦わらのルフィのように『自分ができないことは、チームに助けてもらい、チームメンバーが自分を助けたいと思えるチームにしたい』という思いが強くなった。これは上位資質の「親密性」(*8)ともつながる。 

Q:そして現在は?

西川:メンバーへは常に未来を、これからのことを考えるように意識的にリードしている。僕自身のビジョンややりたいことをメンバーに話すと、メンバーはわくわくさせてくれる、周りにエネルギーを与えてくれると言ってくれる事も増えた。ここは私の上位資質である「未来志向」(*9)がうまく発揮できていると思う。

基本的に自分は無知であることを自覚しているので、自分の苦手も伝えるようにしている。また部下の得意なところを伸ばし信じるようにすることも自身の信念としている(「個別化」)。現場をよく知っている部下たちをリスペクトし、納得感をもって仕事をしてもらうように心がけているので、自発的なアクションをとってもらえることが多く、部下もチームに貢献できていると思ってくれている。こうしたチームの相互信頼関係(「親密性」)と個々のメンバーを活かした組織アウトプットの最大化(「個別化」)は、最高のものを作り上げたいという思い(「最上志向」)ともつながっている。

多様なバックグラウンドを持つ人々の切磋琢磨で学んだ「個別化」の活かし方

植木(上位5資質:自己確信、達成欲、未来志向、個別化、戦略性):

グローバルチームを率いるうえで特に意識してきたことは3つある。一つ目は、覚悟をもって決断し必ず結果を出すんだという信念。これは自分の上位資質である「自己確信」(*10)と「達成欲」(*11)からくるものだ。自分が信じきれないことを相手に信じてくれとは言えないので、まずこれが根底にある。
二つ目は、先を見据えた考え方を明確にもち、それを組織に伝えることで組織のエンゲージメントを高めることで、これは上位資質の「未来志向」とつながる。
三つめは、いかなる人でも良いところが活かせるように業務をあてはめ組織最適をはかること(「個別化」)である。ところが、この三つ目の個別化という自分の上位資質を適切に発揮するための具体的スキルを自分は持っていなかった。それをグロービスで学ぶことができた。

 グロービスには、比較的、個性的な方が多く、国籍や老若男女様々な方がいて、社会的にも大きく成功されている方等と同じ講義を学ばせていただいた際に感じたことは、良い結果(成功)を生むやり方は、一緒に物事に取り組む相手の個性やスキルの違いによって変えていかなければならないということ(「個別化」)。たとえば、授業のグループワークでファシリテーターをさせていただいた際、個性的な受講生の皆さんと激論し、時に引き下がらない人もいる中で、それぞれの強みを引き出し、皆が納得感のある答えを導きだし、最高の答え(結果)を生み出す経験をしたことは大きな財産である。

 Q:「個別化」を実現するために具体的にどのようなことをやっているのか?

植木:会社の大義とメンバー個人のやりがいが整合したときに、メンバーは自発的に動きたくなり結果も出やすくなる。したがって、リーダーはメンバーの人生のゴール(なりたい姿)を知りうまくKPIを調整すればよい。
そのために具体的にやるようになったことのひとつは、バリューカードを使ってメンバーの価値観を理解し、それぞれの価値観にあった業務配分とKPI設定を行うことだ。メンバーは自分の価値観にあわせ自らキャリアを選択できれば、自分の生活の一部に仕事が位置づけられ自分事化する。結果、チームのパフォーマンスはアップしてきている。

二つ目に、個々のキャリア形成をサポートするものとして、メンバーに自己成長機会、これもひとつの報酬であり、それが得られるようにしている。社内規定や社内研修内容をみると、メンバーの成長機会となるOFF-JTの選択肢がたくさんある。そのなかには上司である私の一存で決めることができるOFF-JTもある。全員に一律に与えないところにもメリットがある。すなわち、こうした報酬機会を得られる可能性があるだけで、メンバーは希望をもつし、フェアな判断による抜擢は、チーム内でよい意味での競争(切磋琢磨)を生み出せる。三つ目に、個々の強み資質に着目するストレングスファインダーの結果なども利用しながら、メンバーとの丁寧な1on1の機会により、一人ひとりが爆発できる環境をパーソナライズして用意するようになった。 

資質を発揮するためのスキルを意識的に獲得

3人に共通するのは、過去の失敗から学びながら、かつより大きい組織を任されるなかで、自分の資質を自分起点で行使することを改め、個々のメンバーのユニークな個性を尊重した上で(「個別化」)、それらが活きるように3人のリーダーそれぞれの資質をうまく発揮し回りだしていることだ。たとえば、自分のべき論を押し付けない「成長促進」に行動を変えたり、個々のメンバーの価値観や強みを的確に把握したりしながら、それらに火をつけるようなアサインメントを課すように変化しているなどだ。確かに、大学院の私のクラスで3人が提出した、学びの実践の振り返りシートをみても、それを愚直に継続されていることが確認できる。

では、その行動変化に至る過程で、あらためてグロービスという場の存在がどのように影響したのか?「ヒトへの関心」がどのように変化したのか?などについて次回聞いてみたい。


(*1)「学習欲」:学習意欲が旺盛で、常に向上を望んでいる。特に結果よりも学習すること自体に意義を見出す。

(*2)「成長促進」:他の人の持つ可能性を認識し、それを伸ばす。彼らの小さな進歩の兆候を見逃さず、成長の証に満足感を得る。

(*3)「個別化」:一人ひとりが持つユニークな個性に興味をひかれる。異なるタイプの人たちの集団をまとめ、生産性の高いチームを作ることに長けている。

(*4)「着想」:新しいアイデアを考えるのが大好きで、見た目には共通点のない現象に、関連性を見出すことができる。

(*5)「原点思考」:過去について考えるのが好きで、歴史をたどることにより、現在を理解する。

(*6)「最上志向」:個人や集団の卓越性を高める手段として、強みに着目する。優れたものを最高レベルのものに変えようとする。

(*7)「戦略性」: 目的に向かうための複数の選択肢を想定することができる。いかなる想定に直面しようとも、適切なパターンと問題点を直ちに予測することができる。

(*8)「親密性」:他の人たちとの緊密な関係を築くことに喜びを覚える。目標達成のために仲間とともに努力することに深い満足感を得る。

(*9)「未来志向」:未来と未来にできることを心に描くことで、ひらめきを得る。未来についてのビジョンを語ることで、人々にエネルギーを与える。

(*10)「自己確信」:自分の能力と判断力に自信を持っている。まるで、自分が正しい方向へ進んでいることを教えてくれる羅針盤が体内に備わっているかのように。

(*11)「達成欲」:並外れたスタミナがあり、旺盛に仕事に取り組む。自分が多忙で生産的であることに、大きな満足感を得る。

(©2000, 2019  Gallup, Inc.)

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