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ホーソン研究とは?働く人の心をひらいた歴史的発見から学ぶマネジメントの本質

投稿日:2025/07/27更新日:2025/08/26タイマーのアイコン 読了時間 7分

ホーソン研究とは、働く人間の心理と人間関係が生産性に与える影響を明らかにした研究です。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

ホーソン研究とは

ホーソン研究とは、1927年から約5年間にわたって行われた、人間の働く動機に関する画期的な研究です。

アメリカのウエスタンエレクトリック社のホーソン工場で実施されたこの実験は、当初は作業環境と生産性の関係を調べる単純な調査でした。しかし、予想外の結果が次々と現れ、働く人々の心理や人間関係が生産性に大きな影響を与えることを明らかにしました。

この研究を主導したのは、ハーバード大学のエルトン・メイヨーやフリッツ・レスリスバーガーといった研究者たちです。彼らの発見は、それまでの「人は経済的報酬だけで動く」という考え方を根本から覆し、現代のマネジメント理論の基礎を築いたのです。

ホーソン研究の最も興味深い点は、研究者たちが予想していた結果とはまったく違う現象が起きたことです。この「予想外の発見」こそが、後の組織運営や人材マネジメントに革命的な変化をもたらすことになりました。

なぜホーソン研究が重要なのか - 人間中心の経営への転換点

ホーソン研究が経営学において極めて重要とされる理由は、働く人々を「人間」として捉える視点を確立したことにあります。

1920年代当時の職場では、フレデリック・テイラーが提唱した「科学的管理法」が主流でした。この考え方では、作業を細分化し、効率的な手順を決めれば生産性は向上するとされていました。しかし、この方法による改善には限界が見えていたのです。

①従来の常識を覆した発見の意義

ホーソン研究が始まったきっかけは、作業場の明るさが生産性にどの程度影響するかを調べることでした。研究者たちは、照明を明るくすれば作業効率が上がると考えていました。

ところが実験を進めると、照明を暗くしても作業効率は下がらず、むしろ向上することが分かったのです。この予想外の結果により、物理的な環境よりも心理的な要因の方が重要であることが明らかになりました。

②現代マネジメントの基礎を築いた価値

この研究により、労働者が単なる「労働力」ではなく、感情や人間関係を持つ「人間」であることが認識されるようになりました。職場における人間関係の質や、働く人が感じる「やりがい」「認められている実感」が生産性に直結することが科学的に証明されたのです。

この発見は、現代の「人間関係論」や「行動科学」の出発点となり、今日の組織マネジメントや人材育成の考え方に大きな影響を与え続けています。

ホーソン研究の詳しい解説 - 実験の内容と驚きの結果

ホーソン研究の具体的な内容を詳しく見ていくと、なぜこの研究が革命的だったのかがよく分かります。

実験は段階的に進められ、それぞれの段階で新たな発見がありました。研究者たちは当初、作業環境の改善が生産性向上の鍵だと考えていましたが、実際に重要だったのはまったく別の要因だったのです。

①照明実験で見つかった不思議な現象

最初の実験では、作業場の照明の明るさを変えて、それが作業効率にどう影響するかを調べました。実験グループと対照グループに分けて比較したところ、照明を明るくした実験グループの生産性が向上しました。

しかし驚いたことに、照明を変えなかった対照グループの生産性も同じように向上していたのです。さらに、照明を暗くしていっても、作業員たちの生産性は下がらず、むしろ上がり続けました。

この結果から、照明の明るさそのものよりも、「実験に参加している」「注目されている」という心理的な要因が影響していることが分かりました。

②継電器組立実験から見えた人間関係の重要性

次に行われたのが、6人の女性作業員を対象とした継電器組立実験です。この実験では、休憩時間の長さや回数、労働時間などの条件を変えながら、生産性の変化を観察しました。

実験が進むにつれて、作業員同士の人間関係が良好になり、チームワークが向上していることが分かりました。彼女たちは互いを励まし合い、協力し合うようになったのです。そして、この良好な人間関係こそが生産性向上の真の要因だったことが明らかになりました。

③面接実験で発見された労働者の本音

研究者たちは、労働者の本当の気持ちを理解するために大規模な面接調査も実施しました。約2万人の従業員に対して行われたこの面接では、仕事に対する不満や希望、職場の人間関係についての本音を聞き取りました。

この面接を通じて、労働者たちは単に給料や待遇の改善だけを求めているわけではないことが分かりました。むしろ、自分の仕事が認められること、職場で良好な人間関係を築けること、やりがいを感じられることを重視していたのです。

ホーソン研究を実務で活かす方法 - 現代の職場で使える知恵

ホーソン研究から得られた知見は、現代の職場運営や人材マネジメントにおいて極めて実用的な指針を提供してくれます。

約100年前の研究でありながら、その発見は今日の組織運営においてもますます重要性を増しています。特に、働き方が多様化し、従業員の価値観が変化している現代においては、ホーソン研究の教えがより一層意味を持っています。

①チームワークと人間関係の構築

現代の職場でホーソン研究の知見を活かす最も重要な場面は、チーム運営です。研究から分かったように、良好な人間関係は生産性向上の重要な要因です。

管理職は、メンバー同士が互いを理解し、協力し合える環境づくりに注力すべきです。定期的なチームミーティングや非公式なコミュニケーションの機会を設けることで、自然な人間関係の構築を促進できます。

また、新入社員の受け入れや異動者のチーム参加においても、単に業務を教えるだけでなく、チームの一員として受け入れられていることを感じてもらうことが大切です。

②従業員の声を聞く仕組みづくり

ホーソン研究の面接実験が示すように、従業員の本音を聞き取ることは組織運営において非常に重要です。現代では、定期的な1on1ミーティングや従業員アンケート、提案制度などを通じて、この機能を果たすことができます。

重要なのは、単に意見を聞くだけでなく、それに対して適切にフィードバックを行い、可能な改善は実際に行うことです。従業員が「自分の声が届いている」「会社が自分たちのことを考えてくれている」と感じることが、モチベーション向上につながります。

③やりがいと成長機会の提供

現代の働く人々は、ホーソン研究の時代と同様に、経済的な報酬だけでなく、仕事から得られる精神的な充足感を重視しています。管理職は、部下一人ひとりが仕事にやりがいを感じられるよう、適切な役割分担や成長機会の提供を心がける必要があります。

プロジェクトの目的や意義を明確に伝え、個々の貢献がどのように全体の成功につながるかを説明することで、仕事への誇りと責任感を育てることができます。また、新しいスキルを学ぶ機会や挑戦的な業務への参加機会を提供することで、継続的な成長への動機づけを行うことも大切です。

参考ページ

MBA経営辞書「ホーソン研究」

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