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MBA経営辞書「ホーソン研究」

投稿日:2010/12/06更新日:2019/04/09

ホーソン研究(theHawthorneresearch)

人間の動機づけに関する古典的研究。

この研究がきっかけとなり、労働者の人間的側面と社会的動機(一緒に働く人々からなるグループの中で、円滑に働き認められたいという動機)が注目されるようになり、この考え方は後日、行動科学に昇華された。

研究が始まった1927年当時は、テイラーの提唱する科学的管理法による生産性向上が行き詰まりを見せていた。そこで新たな生産性拡大の理論を構築するために、エルトン・メイヨーやフリッツ・レスリスバーガーなど米国ハーバード大学の研究グループが、ウエスタンエレクトリック社のホーソン工場で長期間(足かけ5年間)にわたって実験を行った。

メイヨーらは当初、作業場の明るさに注目し、照度を変えることがどの程度作業効率に影響を与えるかを実験したのだが、照度を下げても作業の効率は下がるどころか、上がっていくという「矛盾」が生じた。これを元に、メイヨーらは、作業員にとっては注目されている(調査の対象となっている)労働グループの一員となっていること自体が効率的な作業への動機づけなったのではないかとの仮説が立てた。ここから、労働者を人間と捉え、その社会的動機を刺激するための方法論への興味が高まっていくことになる。

この研究は、後日、メイヨーの著書、“TheHumanProblemsofanIndustrialCivilization(「産業文明における人間問題」)”として結実し、企業を複雑で絶え間なく変化する生き物としてとらえる視点として確立される。

ホーソン工場の実験結果と同じように、現代でも労働の経済的対価である給料やキャリアに関わる社内での将来性、昇進・昇格の機会などよりも、自分の能力が生かせる環境や仕事の面白さ、新しいことを学ぶ機会など仕事から得られるやりがいや自己充足などの精神的対価を重視する傾向が見られる。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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