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ダブルループ・ラーニングとは?組織を劇的に変革する学習プロセスの秘密

投稿日:2025/07/22更新日:2025/08/26タイマーのアイコン 読了時間 6分

ダブルループ・ラーニングとは、問題解決に際して前提や目的そのものを問い直し、根本的に軌道修正する学習プロセスです。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

ダブルループ・ラーニングとは

ダブルループ・ラーニングとは、問題に直面した際に既存の目的や前提条件そのものを疑い、それらも含めて根本的な軌道修正を行う学習プロセスのことです。

この概念は、ハーバード大学ビジネススクールの著名な研究者であるクリス・アージリスによって提唱されました。従来の問題解決では「どうやって解決するか」に焦点を当てがちですが、ダブルループ・ラーニングでは「そもそもその目標は正しいのか」「前提となる考え方は適切なのか」という、より深いレベルでの問いかけを行います。

この学習方法は、急速に変化する現代のビジネス環境において、組織が持続的な成長と革新を実現するための重要な鍵となっています。

なぜダブルループ・ラーニングが重要なのか - 変化の時代を生き抜く必須スキル

現代の経営環境は、これまでにないスピードで変化しています。技術革新、グローバル化、消費者ニーズの多様化など、様々な要因が組織に新しい課題をもたらしています。このような状況では、従来の方法論だけでは限界があり、根本的な発想の転換が求められるのです。

①従来の問題解決では対応しきれない複雑性

多くの組織では、問題が発生した際に既存の枠組みの中で解決策を探そうとします。しかし、現代の複雑な問題の多くは、その枠組み自体に原因があることが少なくありません。例えば、売上が下がった際に「どうやって売上を上げるか」ばかりを考えていると、そもそも「その商品やサービスは顧客に本当に必要なのか」という根本的な疑問を見落としてしまう可能性があります。

②組織の構成員の主体性と責任感の醸成

ダブルループ・ラーニングを実践することで、組織のメンバーは受け身の姿勢から脱却し、自発的に考え行動する力を身につけることができます。前提を疑い、新しい視点から物事を捉える習慣が、変革への意欲と責任感を育むのです。

ダブルループ・ラーニングの詳しい解説 - サーモスタットの例で理解する学習の仕組み

ダブルループ・ラーニングを理解するために、アージリスが用いたサーモスタットの例を詳しく見てみましょう。この比喩は、2つの異なる学習アプローチの違いを明確に示しています。

①シングルループ・ラーニングとの比較で見える違い

シングルループ・ラーニングのサーモスタットは、室温を22度に設定されると、常にその温度を維持しようとします。室温が下がれば暖房をつけ、上がれば冷房をつけるという、一定の目的を達成するための行動を繰り返します。これは効率的ではありますが、「22度が本当に適切なのか」という疑問は持ちません。

一方、ダブルループ・ラーニングのサーモスタットは、設定された目標温度そのものを常に見直します。今日は体調が悪いから24度にしよう、外が暖かいから18度で十分だろう、といったように状況に応じて目標自体を変更するのです。

②フレームワークとしての二重の学習ループ

この学習プロセスは「二重のループ」と呼ばれる理由があります。第一のループは「行動の修正」、第二のループは「前提や価値観の見直し」を行います。多くの組織は第一のループにとどまりがちですが、真の変革を実現するためには第二のループまで踏み込む必要があります。

具体的には、問題が発生した際に「どう対処するか(第一ループ)」だけでなく、「なぜこの問題が起きたのか、われわれの考え方や前提に問題はないか(第二ループ)」まで考えることが重要なのです。

③組織学習理論における位置づけと発展

アージリスのダブルループ・ラーニング理論は、1970年代から発展してきた組織学習理論の中核を成しています。この理論は後に、ピーター・センゲの「学習する組織」やイケジリ・ノナカの「知識創造理論」など、多くの組織論に影響を与えています。

現代では、この概念はデザイン思考やアジャイル開発、リーン・スタートアップなどの実践的な手法の理論的基盤としても活用されています。これらの手法に共通するのは、仮説を立てて検証し、必要に応じて根本的な前提を見直すというアプローチです。

ダブルループ・ラーニングを実務で活かす方法 - 現場での実践的な取り組み

ダブルループ・ラーニングの理論を理解したところで、実際の業務にどのように活かせばよいのでしょうか。ここでは、具体的な活用場面と実践のポイントをご紹介します。

①製品開発やサービス改善における活用シーン

製品開発の現場では、顧客からのクレームや要望に対して機能追加や品質改善で応えることが一般的です。これはシングルループ・ラーニングの典型例です。しかし、ダブルループ・ラーニングの視点では、「そもそも顧客が本当に求めているものは何か」「われわれが解決すべき本質的な課題は何か」という問いから始めます。

例えば、スマートフォンアプリの使いにくさについてクレームがあった場合、単にUIを改善するのではなく、「ユーザーがアプリを使う本当の目的は何か」「もっとシンプルで別のアプローチはないか」といった根本的な問いを投げかけることで、革新的な解決策が生まれる可能性があります。

②組織運営と人材育成における実践的なポイント

組織運営においてダブルループ・ラーニングを実践するには、心理的安全性の確保が不可欠です。メンバーが既存の前提を疑い、率直な意見を述べられる環境を作ることが重要です。

定期的な振り返りの会議では、「何がうまくいったか、いかなかったか」だけでなく、「われわれの前提や価値観で見直すべきものはないか」「より良い方法があるのではないか」といった深いレベルでの対話を促進しましょう。

また、失敗を学習の機会として捉える文化を醸成することも大切です。失敗した際に責任を追及するのではなく、「なぜこの前提や判断をしたのか」「次回はどのような視点で考えればよいか」といった建設的な議論を行うことで、組織全体の学習能力を高めることができます。

リーダーシップの観点では、管理者自身が既存の考え方を疑い、新しい視点を積極的に取り入れる姿勢を示すことが重要です。部下からの提案や意見に対して、「なぜそう考えるのか」「他の見方はないか」といった質問を投げかけることで、組織全体でダブルループ・ラーニングを実践する土壌を育てることができるのです。

参考ページ

MBA経営辞書「ダブルループ・ラーニング」

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