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氷山モデルとは?見えない部分にこそ真のリーダーシップの秘密がある

投稿日:2025/07/20更新日:2025/08/15タイマーのアイコン 読了時間 6分

氷山モデルとは、リーダーの行動・能力・価値観を氷山に例え、目に見えない部分の重要性を示す枠組みです。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

氷山モデルとは - 真のリーダーを育てる画期的な考え方

氷山モデルとは、リーダーシップ開発を目的としたリーダーの理想像を描くためのフレームワークです。

このモデルでは、リーダーの目に見える行動を氷山の海面上に出ている部分に例え、その下にある水面下の部分に「能力・知識」、さらに深い部分に「意欲・意識・考え方やスタンス」があると考えます。

実際の氷山と同じように、目に見える部分はほんの一部分であり、真に重要な要素は水面下に隠れているという考え方が、このモデルの核心です。リーダーシップ開発において、表面的な行動だけでなく、その背後にある見えない要素の重要性を示した画期的なアプローチとして、多くの企業や教育機関で活用されています。

なぜ氷山モデルが重要なのか - リーダー育成の新しい視点

現代のビジネス環境では、優秀なリーダーの育成が組織の成功を左右する重要な要素となっています。しかし、多くの組織が表面的なスキルトレーニングに注力する一方で、真のリーダーシップの源泉となる深い部分を見落としがちです。

①見た目だけでは分からないリーダーの本質

私たちは普段、他者を評価する際に目に見える行動や結果に注目しがちです。しかし、優れたリーダーの行動の背景には、長年にわたって培われた価値観や考え方、深い知識や経験があります。氷山モデルは、このような見えない部分の重要性に光を当て、真のリーダー育成に必要な視点を提供します。

②持続的な成長を可能にする包括的アプローチ

表面的なスキルだけを身につけても、困難な状況に直面した時には限界が生じます。氷山モデルを活用することで、リーダー候補者は自分自身の深い部分と向き合い、持続的で本質的な成長を実現できるのです。このアプローチにより、どのような状況でも一貫したリーダーシップを発揮できる人材を育成することが可能になります。

氷山モデルの詳しい解説 - 3つの層で理解する真のリーダーシップ

氷山モデルは、リーダーシップを3つの層に分けて整理します。それぞれの層が相互に関連し合いながら、真のリーダーシップを形成していきます。

①水面上の「行動」- 目に見えるリーダーの姿

氷山の水面上に出ている部分は、他者が観察できるリーダーの具体的な行動を表します。

この層には、「ビジョンを打ち出す」「高い目標を掲げる」「夢を語る」といった戦略的な行動から、「周囲を巻き込む」「個を活かす」「主体性を引き出す」といった人を動かす行動まで、様々な要素が含まれます。

また、「正しく伝える」「分かりやすく伝える」「くみ取る」「問う」といったコミュニケーション能力や、「やる気とエネルギーを与える」「育てる」といった人材開発に関わる行動も重要な要素です。

これらの行動は他者が直接観察でき、評価の対象となりやすい部分です。しかし、表面的な行動の模倣だけでは、真のリーダーシップは身につきません。

②水面下の「能力・知識」- リーダーシップを支える土台

氷山の水面下にある最初の層は、リーダーの能力と知識です。この部分は直接見ることはできませんが、行動を通じてその存在を推測することができます。

具体的には、「洞察力がある」「決断力がある」「説得力がある」「問題解決能力がある」といった基本的な能力から、「歴史観がある」「先見性がある」「独創力がある」といった高次の能力まで含まれます。

また、現代のリーダーに不可欠な「多様性への理解力がある」「知識と人脈が豊富である」といった要素も、この層に位置します。これらの能力や知識は、日々の学習と実践を通じて徐々に蓄積されるものです。

③最も深い層の「意欲・意識・考え方やスタンス」- リーダーシップの根源

氷山の最も深い部分には、リーダーの根本的な人格や価値観が位置します。これは「意欲・意識・考え方やスタンス」と表現され、すべての行動の源泉となる重要な要素です。

この層には、「熱心な」「情熱的な」といった積極性に関する要素や、「冷静な」「誠実な」「謙虚な」といった人格的な要素が含まれます。また、「懐が深い」「オープンな」「明るく前向きな」「フェアな」といった他者との関係性に影響する要素も重要です。

さらに、困難な状況でのリーダーシップを支える「逃げない」「タフな」「厳格な」といった強さや、「責任感が強い」「達成意欲が高い」といった成果への強いコミットメントも、この層に含まれます。

これらの要素は一朝一夕では身につかず、長期間にわたる自己研鑽と経験の積み重ねによって形成されるものです。

氷山モデルを実務で活かす方法 - 効果的なリーダー育成の実践

氷山モデルは理論的なフレームワークにとどまらず、実際の組織運営や人材育成において非常に実用的なツールです。

①人材評価と育成計画での活用

多くの企業では、リーダー候補者の評価において表面的な成果や行動にのみ注目しがちです。しかし、氷山モデルを活用することで、より包括的で効果的な評価と育成が可能になります。

例えば、ある管理職が優秀な業績を上げていても、それが一時的な成果なのか、深い能力と価値観に裏打ちされた持続的なものなのかを見極めることができます。水面下の能力や意識にまで踏み込んだ評価を行うことで、将来の成長可能性をより正確に予測できるのです。

また、育成計画においても、表面的なスキルトレーニングだけでなく、能力開発や価値観の醸成まで含めた総合的なアプローチを設計できます。これにより、短期的な改善にとどまらない、根本的なリーダーシップの向上を実現することが可能になります。

②自己開発とキャリア形成への応用

個人のレベルでも、氷山モデルは自己開発の強力なツールとなります。自分自身のリーダーシップを氷山の3つの層で分析することで、現在の強みと課題を客観的に把握できます。

特に重要なのは、目に見える行動だけでなく、その背景にある能力や価値観についても深く考察することです。「なぜこのような行動を取るのか」「どのような価値観がその行動を生み出しているのか」といった問いかけを通じて、自己理解を深めることができます。

また、理想とするリーダー像を氷山モデルで整理することで、具体的で実現可能な成長計画を立てることも可能です。表面的な行動の変化だけでなく、根本的な意識や能力の向上を含めた包括的な成長戦略を描くことで、より効果的な自己開発を実現できるでしょう。

参考ページ

MBA経営辞書「氷山モデル」

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