AIは医療をどう変えるのか?医療DX最前線|データ最適化がもたらす効率化と人間ならではの「共感」の効果

投稿日:2026/06/26タイマーのアイコン 読了時間 1時間09分

医療AIとDXの急速な進化がもたらす医療の変革と、その先にある人間ならではの価値を問い直す。米国でのAI処方の最前線から日本の医療DXの現在地、情報アーキテクチャーの標準化までを網羅する。データドリブンな効率化の限界を指摘し、患者のナラティブに寄り添う全人的医療や「義と人」の最適化、臨床推論力が生む本質的な共感の重要性を解説。AI時代に医療従事者や社会が備えるべきマインドセットを提示する。

グロービス テクノベート勉強会
「 AIは『意味』を紡げるか? —AI時代のプロフェッショナルが磨くべき『不立文字』の知性」矢野裕一朗×八尾麻理
(2026年4月23日開催 / オンライン開催) 

生成AIが未来の疾患予測さえ可能にする今、医療における「正解」は安価なコモディティになろうとしている。AIが高次元の統計データから導き出す「平均解」に対し、私たち人間が担うべき本質的な価値とは何なのか。順天堂大学教授であり、日本医学会・医療DX推進委員なども務められる矢野裕一朗先生をお招きし、予防医学とAI活用のフロントランナーの視点から見る、全身を俯瞰する「総合診療」の現場で体感された「データ化できない身体知(不立文字)」の重要性とは。「臓器なき知性」であるAIとの協働を通して、これからの時代に私たちが磨くべき知性について語る。(肩書等は当時のもの)

※タイムスタンプは生成AIで作成しているため、一部誤りがある可能性があります。あらかじめご了承ください。

00:00 医療AIDXの最新現状

米国の特区で始まったAIによる自律的な薬の処方を解説する。

01:21 AI処方の脆弱性と課題

ハッキング手法による不適切処方やハルシネーションを指摘する。

03:03 米国の医療社会的構造

国民皆保険がない米国でAI処方が合理的に受け入れられる背景だ。

04:11 日本の医療アクセス変化

負担増や働き方改革により日本でも制限が始まりつつある現状を語る。

06:23 外科領域でのAI自律化

手術ロボットのデータ収集とオープンソース化の潮流を解説する。

08:02 日本の医療DXの現在地

音声入力カルテや画像診断支援など現場の取り組みを紹介する。

10:15 サマリー自動化の効果

退院記録の自動作成がもたらす時間削減とコストカットの成果だ。

12:28 医療情報の三層構造

データが部門ごとに独立し横の連携が取れない課題を説明する。

13:55 データの標準化とMCP

電子カルテのベンダーを超えて接続を一本化する試みを提案する。

15:44 医療における速さと深さ

AIの平均的な回答だけでは患者の行動変容は難しいと指摘する。

17:06 データドリブンの教訓

最適化の追求が戦略の多様性や不確実性を失わせるリスクを語る。

19:51 人間が求めるケアの本質

効率化の極限が患者の物語への共感を切り捨てる懸念を示す。

22:37 医療の境界を拡張する深さ

健康を規定する要因が社会経済的な環境にも存在することを説く。

26:25 表層データドリブンの限界

数値の背景にあるストーリーを捉える重要性を自身の経験から示す。

28:53 LLMによるデータ統合

日常生活のライフログと病院のデータを結ぶ新技術を展望する。

31:53 人間特有の非合理性とAI

理屈だけでは動けない人間の性質と身体性の重要性を考察する。

34:15 義と人による再最適化

AIの最適解に医療人の倫理と情を重ねる役割が必要だと述べる。

38:03 臨床推論力と本質的共感

推論を深めることで表面的な同情ではない共感が生まれる仕組みだ。

44:04 AI時代に求められる教育

知識の価値が下がる時代に五感で感じる体験型学習の必要性を説く。

51:40 生き方のマッピングと限界

病気予測は可能でも Webにない生の軌跡の学習は困難だと語る。

1:03:08 医療DX実装の課題と展望

究極の個人情報である医療データの商用利用の壁と対話を促す。

58:15 質疑応答:多様な人材マネジメントと企業の反応

外国人材や女性活躍の現状、オーナー企業の危機感と連鎖的な変化の可能性。

1:08:33 地方発イノベーションに必要な土壌と自国理解

地域の特性を深く知り、受け身を脱却して個人単位でアタックする姿勢の必要性。

  • 矢野 裕一朗

    順天堂大学医学部 総合診療科学講座 教授 / AIインキュベーションファーム センター長 / 東京科学大学M&Dデータプラットフォーム推進室 特任教授

    2002年自治医科大学卒。シカゴ大学、デューク大学など米国各地で研究・教育に従事。現在はデューク大学客員教授、スタンフォード大学Global Facultyも兼任。専門は予防医学、データサイエンス、医療DX。 JAMA、NEJM等を含む250報以上の論文を発表し、日本高血圧学会学術賞、米国心臓協会(AHA)学術賞など受賞多数。日本医学会連合・医療DX推進委員会委員等を務め、国内の医療デジタル化を牽引する傍ら、NHK「あしたが変わるトリセツショー」出演などメディアでも幅広く活躍中。

  • 八尾 麻理 

    グロービス ファカルティグループオフィス 戦略企画担当|テクノベートFG所属|医科学修士

    大阪大学工学部卒業後、日本総合研究所にてビジネス変革・新規事業開発および官公庁の政策支援などに従事。その後、独立系コンサルティングファームの創業に参画し、二児の出産・育児と並行して、インキュベーションと社会課題解決型事業プロデュースの分野で執行役員を務める。グロービスでは、経営戦略およびテクノベート領域の特別科目の開発やメディアへの動画・記事の発信に従事。プライベートでは、3人の子育て期に、親の介護・みとりを経て、現在、医学研究科博士課程で医療・ヘルスケアの社会課題解決に従事。

    共著:『[新版]グロービスMBA経営戦略』(ダイヤモンド社)、『ビジネススクールで教えている武器としてのAI×TECHスキル』(東洋経済新聞社)、共訳著:『TOCハンドブック 制約条件の理論』(日刊工業新聞社) など

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