在庫単価はどう計算するの? 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

棚卸資産(在庫)の金額は、単価×数量で決まります。数量については、前回説明した決算期末の実地棚卸によって確定します。では、単価はどのように決まるのでしょうか。そこで、今回は棚卸資産の単価の決定方法について説明します。

棚卸資産の期末単価の計算方法(棚卸資産の評価方法と言います)にはいくつかの種類がありますが、一般的に採用される方法として先入先出法と平均法があります。以前は後入先出法もありましたが、現在は使用できません。

先入先出法は、先に仕入れたものから先に払い出したと仮定して期末単価を計算する方法です。平均法は、購入時期に偏らず満遍なく払い出したと仮定して期末単価を計算する方法です。後入先出法は、後に仕入れたものから先に払い出したと仮定して期末単価を計算する方法です。

それぞれの方法の違いを簡単な例を使ってみてみましょう。

棚卸資産

それぞれの計算方法によって、払出単価と期末単価はどのように変わるでしょうか。

棚卸資産

先入先出法では、@300円の棚卸資産50個と@350円の棚卸資産を10個払い出したと仮定するので、期末には@350円が20個と@400円が20個残ることになります。したがって、期末単価は(@350円*20個+@400円*20個)÷40個=@375円となります。

平均法では、期首保有分、仕入①、仕入②による棚卸資産が満遍なく期末に残ると仮定するので、期末単価は、(@300円*50個+@350円*30個+@400円*20個)÷100個=@335円と計算されます。後入先出法では、期首保有分50個の内40個が期末に残ると仮定するので、期末単価は@300円となります。

購入単価が異なる場合、計算方法によって棚卸資産の期末単価及び棚卸資産金額が変わることが分かるでしょう。そして、棚卸資産の期末単価が変わることにより、払出単価、すなわち売上原価も変化します。その結果、計算される売上総利益も変わります。

棚卸資産

このように、ビジネスの実態が同じであっても棚卸資産の期末単価の計算方法によってP/Lの利益、B/Sの棚卸資産の金額が変わり得るので注意が必要です。業績を他社と比較する際にも重要な情報ですので、棚卸資産の期末単価の計算方法は「財務諸表の注記」に明記されます。

計算方法の選択は、必ずしも棚卸資産の入出庫の方法とは一致する必要はありません。例えば、先入先出的に倉庫在庫の入出庫を行う会社であっても平均法を選択することは可能です。また、設例でも分かるように、先入先出法、後入先出法に比べて、平均法は購入単価の変動による払出単価及び期末単価への影響を平均化(中和)する作用があります。

関連記事

名言

PAGE
TOP