棚卸って何のためにするの? 

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棚卸決算期末の重要な業務の1つに、製品や商品の棚卸業務があります。製造や物流業務に従事する方の中には、棚卸業務に駆り出された経験がある方もいるでしょう。棚卸業務が深夜まで及ぶなど、良いイメージを持たない方もいるかも知れません。棚卸業務は重要な決算作業の1つですが、会計用語では実地棚卸と言います。今回は、何のために実地棚卸をするのかを説明します。

実地棚卸の目的

まず、実地棚卸には、以下の2つの重要な目的があります。

■利益の確定
売上総利益は、売上高-売上原価で計算されます。そして売上原価は、期首棚卸資産額+期中仕入額-期末棚卸資産額で計算されます。したがって、実地棚卸によって期末棚卸資産額を確定しないことには利益が計算できません。実地棚卸は、利益を確定するために不可欠な手続きと言うことです。

実地棚卸に対して帳簿棚卸があります。帳簿棚卸は、帳簿の残高をもって期末棚卸資産額とみなす方法ですが、入力ミスなどのヒューマンエラーの可能性があり、必ずしも帳簿棚卸=実地棚卸とはなりません。当然ながら、実地棚卸の方が正確に期末棚卸資産額を把握することができます。

棚卸資産管理
実地棚卸では棚卸資産の数量を把握することが主たる目的(その後マスタ等に記録される単価に乗ずることで棚卸資産額を計算)ですが、現物をチェックすることで不良在庫や滞留在庫の有無が把握できます。不良在庫や滞留在庫については、評価(単価)の切り下げや現物の廃棄の要否を検討することになり、これも利益に影響することになります。

また、不良在庫や滞留在庫は、会社の棚卸資産の保管方法や発注方法に原因がある可能性があります。定期的に不良在庫や滞留在庫を確認し、発生原因を分析することで、棚卸資産管理の改善につなげます。

実地棚卸の方法

実地棚卸には、タグ方式とリスト方式があります。

タグ方式は、タグ(棚札)に棚卸数量を記入して現物に貼付する方法です。対象となる棚卸資産全てにタグを貼付けるので、棚卸資産を網羅的にカウントするには効果的ですが、タグの管理等実地棚卸業務に時間がかかります。

リスト方式は、棚卸資産管理システム等から出力されたリストと棚卸資産の数量を照合する方法です。タグ方式とは対照的に、実地棚卸を効率的に進めることができる一方で、リストに記載されていない棚卸資産がカウント漏れとなるリスクがあります。

棚卸資産の種類(質的、金額的重要性等)によって、タグ方式とリスト方式を使い分けるケースもあります。タグ方式、リスト方式の選択はシステム等による在庫管理の精度にもよりますが、今後のIoTの進行により在庫管理の精度が高まると実地棚卸の方法も変わるかもしれませんね。

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