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コミュニケーション効率を劇的に上げる秘訣

投稿日:2008/11/21更新日:2019/04/09

「目標達成型」と「価値観型」、この2つのタイプ分けについて聞いたことがあるだろうか。人間には様々なタイプがある。色んな分け方があるし、自分に合ったタイプ分けを参考にすればよいと思うが、特に会社における目標を達成しようとするとき、人をいかに動かすのか、というのは大きな課題だ。そんなとき、この「目標達成型」と「価値観型」のタイプ分けについて知り、活用すると、コミュニケーション効率は劇的に上がる。

想像してほしい。ある健康器具の会社。2週間先には300人を集めるイベントが控えている。なのに、今のところ集客状況はたったの150人。このままでは2週間先に300人の集客なんて絶対に不可能だ。

そこで営業部長が10人の営業担当を集めて会議、ハッパをかけ始めた。「おい、おまえら、あと2週間で300人集めなきゃいけないのに、今たったの150人しかエントリーしてないんだぞ。これは由々しき問題だぞ!あと150人、2週間で集客だ!各人顧客リストをしらみつぶしにあたって、なにがなんでもあと150人エントリーさせるんだ!やるべきことをやればきっとできる。300人集められたらおまえらにとってすごい自信になるぞ。頼むぞ!」

営業部長の言葉を聞き、「そうか、ヤバ。やらなきゃ!」と思って活動を開始するのはおそらく10人のうち2人。あとの8人は、「えーでも、来たくない人を無理やり呼んでもなぁ」とか、「別に何が何でも300人じゃなくても、150人でも来てくれた人に喜んでもらえるイベントになったらそれでいいんじゃないのー」とか思いながらポカンとしている。

この営業部長の言葉を聞いて、「そうか、やらなきゃ!」と思って活動を開始できるのは「目標達成型」である。目標達成型の人は、社長や部長クラスにも多いが、定量的な数字や目標と定められたことを達成すること自体に喜びを見出すタイプである。成果は決めて出し、行動するのが基本的に好き。そして目標を達成するためならありとあらゆることをやるタイプで、目標達成することを基準にして物事を判断する。

だから、「やるべきことをやればきっとできる」とか、「やりきった後には自信がつく」などの言葉には強く反応、同調する。なぜなら彼らは基本的にそういう生き方をしてきているので、「やればできる」「やり終えたら自信がつく」ということを体験として既に持っているのだ。だから彼らにはある目標を与えれば、細かな指示を与えなくても目標達成のために何をしたらいいのかは自分で考え、決断できる。この営業部長はまさに目標達成型のリーダーなので、彼自身も定量的な目標達成にこだわってあらゆる手を打つだろうし、こういう言い回しになってくる。

さて、ご想像の通り、あとの8人はまさしく「価値観型」である。価値観型の人というのは、先の営業部長のような言葉を言われても、緊張感もなければ全くピンと来もしない。営業部長にとってみれば、なんて響かない鈍感なやつらだ、と憤まんやるかたない人々である。しかし彼らは基本的に、定量的な数字や目標というものは、むしろ「足かせ」くらいの感覚を持っていて、その重要性は理解しない。なぜなら彼らは「人に喜んでもらう」ことや「誰かの役に立つ」といったことのほうが、うんと大切。目標達成は大切だとは思うが、目標を達成するための理由に納得して、しかもやり方にこだわりたいし、成果はあとでついてくるだろうと思っているタイプだからだ。物事は、その場その場で自分の感情や価値で判断する。それが彼らの価値観なのだ。だから価値観型のリーダーの場合、職場の雰囲気はいいのだが、いまひとつ定量的な成果を出すことが苦手なタイプも多かったりする。

従って、価値観型の人には同じことでも例えば次のように伝えると伝わりやすい。「君たちに頼みがある。2週間先のイベントには本当は300人の人を集めたいが、まだ150人しかエントリーがない状態だ。君たちはこの会社の製品の良さにひかれて入社してくれた人がほとんどだと思う。うちの製品が世の中にもっと広まったら、健康で豊かな気持ちで暮らせる人達が増えるよな。俺は今度のイベントはそういう意味で、多くの人にうちの会社の製品の良さを感じてもらうことのできる貴重な場だと思っている。1人でも多くの人が来てくれればそれだけ、健康で豊かな世の中作りへの貢献ができると思ってる。だからそのために君らの手を貸してくれないか。1人でも多くの人に来てもらって良さを伝えようじゃないか。今日はまず、顧客リストから、より多くの人に知ってもらえる機会のある規模の大きな会社から順に連絡して、足を運んでもらえるよう是非、頼んでみてくれないか」。

このように、彼らがなぜ300人集めたほうがいいのか、その理由を彼らの価値に訴えて説明し、具体的なアクションまで付加してあげるとなお動いてもらいやすいのである。

さて、あなたは「目標達成型」「価値観型」のどちらのタイプだろうか。あなたが目標達成型であれ、価値観型であれ、大切なことは、世の中には大きく分けて2割の目標達成型と、8割の価値観型の人々がいて、それらの人々をうまく味方につけてドライブしていくことができなければ、経営者や上司として会社の目標を達成していくことは難しいということである。

自分が目標達成型なら、目標達成型にしか響かない伝え方をしているだろうし、だとするとあとの8割もの人を動かすことはできないし、理解もできない。あなたが価値観型なら、目標達成型には一切、響かない伝え方をしているだろうし、おそらく目標達成型の良い点を伸ばしきれない上司かもしれない。目標達成型の部下にとって、価値観型の上司ほどまわりくどく、イラつくものはないのである。いずれにせよ、自分のタイプを知り、両方のタイプの感じ方の違いを心得てコミュニケーションすることは、コミュニケーション効率を上げ、会社の目標達成を効果的に行っていくことに非常に役に立つ。

以下に非常におおざっぱな目標達成型と価値観型の違いをまとめた。参考になれば幸いである。

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