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バラク・オバマに見る「ブランドの創り方」

投稿日:2008/11/06更新日:2019/04/09

バラク・オバマ氏が、アメリカの第44代大統領になった。アメリカでは、選挙のことを「民主主義の祭り」と呼ぶらしいが、さもありなんというフィーバー(古い!)ぶりである。

それにしても、若干47歳にして超大国のリーダーの座を射止めるからには、タダモノでないことは明らか。インターネットを駆使したキャンペーン活動なども評価され、先月には、アメリカ・マーケティング協会の「マーケター・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれている。

また、ご承知の通り、その演説の雄弁さは多くのメディアでも紹介され、多少、歯の根の浮きそうなセリフもあるが、「言葉で攻める」とは、こういうことを指すのだろうと感心させられる点が多い。

「CHANGE」は、その中でも最も出現回数の多い言葉だろうが、その言葉を使いながら彼はこういっている。

「一緒にアメリカを変えよう!一緒に世界を変えよう!」

そして、「黒人も、白人も、ヒスパニックも・・・・・」という「ひとつのアメリカ」を謳う主旨の演説とも重なって、大きな一体感をアピールする効果を生み出している。

これは、「上位概念の創出」に他ならない。

この場合、「時代の気分を捉える力」と言い換えても良いかもしれないが、人々の心の底に眠っている「澱(オリ)」のような微細で無数の感情を、一瞬にして発酵させ成熟させる魔術のようなものだ。

「自分たちは変わるのだ!自分たちで変えるのだ!そしてひとつになるのだ!」

「YES,WECAN!」

困難を乗り越えることから「プライド」は生まれる。

実際、世界中のブランドを見渡してみても、必ず豊かなストーリーに彩られている。艱難辛苦の果てに掴んだ栄光の物語が語られている。ブランド創りは、ストーリー創りだと言っても過言ではない。そして消費者は、そのブランドを購入することで、ブランドの背景にあるプライドを所有することができる。

「一緒に困難を乗り越えよう!私たちには、それができる!」

人々の心に「プライド」を植えつけるという活動(=ストーリー)が、今回、バラク・オバマというブランド生み出した大きな要因のように思う。

それにしても、「世界を変えよう!」と真顔で呼びかけることのできる政治家が我が国に現れないのは、逆説的に、その志(=プライド)の低さ故ではないかと考えてしまうのは悲観的過ぎるだろうか?

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ビジネスコンサルティングサービスを提供するクイックウィンズが、2006年4月にスタートしたWEB2.0時代のオンラインビジネス情報誌。独立系/現役コンサルタントや経営者などのビジネスのプロフェッショナルが、「ビジョナリー(先見の人)」として、各専門分野における知見をダイレクトに情報発信している。ユーザー参加型オンラインビジネスメディアというコンセプトは、INSIGHTNOW!に訪れるビジネスパーソンと共に、さまざまな知識を持った人がお互いの知見を交換することで、より大きな価値を生み出せるという「オープンナレッジ」という考え方に基づいている。

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