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Stable Diffusion、生成AIでゲーム業界はどう変わる!?まずは「業務効率化」から始めよう

投稿日:2023/07/31更新日:2023/12/13

G1ベンチャー2023
第3部分科会E「ゲーム×Generative AIで変わるエンタメの未来」
(2023年6月11日/グロービス経営大学院 東京校)

Generative AIの出現によって、急速に進化するゲーム。AIによるキャラクターやシナリオの生成、移動や攻撃などのゲーム内行動や戦略の最適化など、新たな表現方法やゲーム体験を創り出す可能性が拓かれている。ゲームとGenerative AIの融合はエンタメの未来にどのような影響を与えるのか、その可能性と課題を議論する。(肩書きは2023年6月11日登壇当時のもの)

02:05 GPT4が登場から3~4か月経った現状

-(深津氏)去年11月ごろ、素早く手をつけた人たちが急速にアウトプットを出し始めた。雨後の筍のような状況になっている。最近では、仮想空間の中の村人が、毎回違うことを話して行動するようなものがすごく面白かった。
-(深津氏)自分でもGPT4を使ったゲームを作ってみて、面白いものは出来そうだと思った。一方課題は、1会話に3円取られるので、商品化するのが難しい所。MMOワールド全体のシナリオ、ルールなど、大きなところで使う方が良いと思っている。
-(溝部氏)生成AIには、去年の9月に本格参入した。11月ごろにstable diffusionを使った人狼ゲーム「AIアートインポスター」をリリースした。生成AIの使い方は、革新的に新しいものを創るか、業務効率化に生かすかのどちらか。今までのGoogle検索との違いで考えると、上位40%ぐらいの開発者であれば生成AIが社内で一番賢い。名前の案出しなどでは、生成AIの方が優れている。
-(溝部氏)Stable Diffusiondはコンセプトアートの検証として使える。8時間かかっていたものが5秒で出来る。ゲームの大きな方向性自体にも関わると思っている。
-(深津氏)「Left 4 Dead」のようなゲームに、ゲームマスターのようにバランス調整を行うことに生成AIを組み込むのは面白いかも。
-(溝部氏)「マインクラフト」でも、ChatGPTにPythonのスクリプトを生成させて、橋を生成したりという例もみられる。

12:13 生成AIが、ゲーム業界・エンタメ業界全体に影響を及ぼすのか

-(中山氏)アニメはウォーターフォール型で、クオリティコントロールの世界。20名ほどのアニメを作ったことがない学生がハッカソンでアニメを作ったのをアニメ会社が見て、発見が多かったと話していた。
-(溝部氏)生成AIで動画が出来るようになったら、ゲームに限らず劇的に世界が変わる。加えてテキストto 3D、テキストtoモーションも来たら、ワークフローが劇的に変わる。そうなると、小規模の会社が台頭する余地が出てくる。
-(深津氏)テキストtoビルドが来るのに注目している。テキストだけで最終アウトプットを作るのは難しい。レゴブロックを作るのにAIを使うのではなく、レゴブロックを組み立てるのにAIを使うイメージ。

20:11 このようなことが実現すると、今後何が起こり得るか。

-(中山氏)組織にインプリメンテーション(実装)するのは、だいぶ遅くなるのではないか。Unityもゲーム会社では10年前から使っていたが、アニメを作れるようになったのは2023年。小中規模の会社で、社内のインフラを管理する人がいない。トップダウンでやるのか、ボトムアップで自由にやってもらうべきなのか。
-(溝部氏)自社でも意識が高い開発者じゃないと、自分から積極的に使う人はいない。優秀な人がそれを使ってさらに優秀になる。必ずしも日頃大活躍している社員ではないが、やってもらったらそこそこアウトプットを出すようになる。下位を引き上げる効果もある。
-(深津氏)サービスを普及させるとき、「使ってくれないんじゃないか」と悲観的に一歩引いて見るようにしている。AIをプロアクティブに設計したほうがうまくいく。便利さが伝わった後に、主体的に出来るようになればいい。
-(中山氏)バズが起こった後、マスになるまでには結構時間がかかる。冬の時代に仕込んでいる会社が数年後当たるというのがある。
-(溝部氏)チャットGPTを初めていきなり1兆円立つことはないが、業務効率化からやっていくうちに5年後くらいに生成AIでなければできない事例が生まれるということがあるのではないか。すでにオープンワールドのゲームでは機械学習がないと出来ないようになっているので、AIを使ってどう爆発するかは期待できるポイント。
-(深津氏)労働集約型で出来なかった声優さんの収録も、声優さんと生成AIが上手く組んで回ることで、声のトーンを都度変えたりすることが出来るのではないか。
-(赤川氏)音声や音楽生成の領域で、ゲーム開発上活用できることは?
-(溝部氏)ユーザーからすれば、人間が作った音楽でもAIが作った音楽でもどちらでも良いと思っているが、現状では何となく人間を選んでいる。もう数年経ったら使えるかなと思っている。5年前にChatGPTが人間並みに賢いと言っても、誰も信じてないし、夢物語だった。今この領域来ないと言った所で、2年後変わっているのが今の時代。

32:38 ユーザー体験で変わりそうなところは

-(深津氏)一人のための物語を作るのか、みんなのための物語を作るのかが大きく分かれるんじゃ ないか。前者だと共通体験が作れない。
-(溝部氏)エンタメ領域でも、コンテンツの一部をパーソナライズ化を動的にやることは、今後間違いなく出てくる。
-(深津氏)ゼルダの伝説は、みんなゼルダを助けに行く物語。これがそれぞれ違うと共通体験が作れない。
-(溝部氏)雑にチャットGPTにいろんなものを投げ出してるが、結構それがワーク する。
-(赤川氏)優秀な人たちのChatGPTの使い方から学べることは
-(溝部氏)プロンプトをどう扱うかを完璧に理解した上でどう投げるかとか、他の事例を見ながら自分で学習して、それがどんどん洗練されていくからうまく使える。

38:20 今後の人材競争力が変わりそうなポイント

-(溝部氏)AIを活用して突き抜ける人たちはさらに突き抜けて、逆にもう使っていないと振り落とされるから、使っている人たちはだいたい均一レベルに落ち着くではないか。
-(中山氏)突き抜ける人のエンジニアバックグラウンドの必要性は?
-(溝部氏)全く違う業種でも、元からコンピュータが好きな人たちはChatGPTの活用が上手い人が多い。
-(中山氏)産業革命のことを調べると、紡績機などを作った人に絵描きが多い。こういうタイミングは、職種に固定されていない人の方が有利なのかもしれない。
-(深津氏)フォートナイトやRPGツクールのようなものに生成AIが入ることで、AAAゲームを作る小学生が出てくるのではないか。

42:04 質疑応答①「自社で生成AI領域で研究しないと決めている領域は」「エンジニアや作業は日本に戻るのか」「プラットフォーム側での生成AIの使い方」

-(深津氏)GPT5で出来そうなことは研究しない方が良いと思っている。LLMブームだからこそ、LLMの外側に張りたい。プロンプトはつなぎ。
-(溝部氏)オフショアに任せる意味もなくなってくるかも。UnityやUnreal Engineが世界を変えてくれた。
-(赤川氏)ユーザーサイドは自分が欲しいものかどうかしか見ないので、ユーザサイドの反応を見ながらやっていくしかない。

48:38 質疑応答②「コストがかからないGPT3.5をうまく活用する方法」「ゲーム業界にAIが入るのが遅い理由」

-(深津氏)GPT3.5の活用法について。GPT4を組み合わせれば、同程度のアウトプットを出せる。
-(溝部氏)ゲームは最高品質が求められる。その最高品質を提供するにはまだ至っていない。

52:33 質疑応答③「国内でモデル開発しているゲーム会社はあるのか」

-(深津氏)AGIや基盤モデルを作っているところはないが、LLMに投資している会社はある。

53:43 今後のAIへの取り組み

-(深津氏)サービス設計のコンサルとして、色んな会社にベストプラクティスを提供したい。
-(中山氏)産業のリエゾンの役割を果たしていきたい。
-(溝部氏)大手では活用できないことで市場開拓していきたい。

57:03 赤川氏によるラップアップ

-改めて我々が最初に触れたAI、ドラクエⅣから学ぼう。

  • 中山 淳雄

    Re entertainment 代表取締役

    エンタメ社会学者。事業家(エンタメ企業のコンサルを行うRe entertainment創業)と研究者(早稲田博士・慶應・立命館大研究員)、記者(Gamebiz記者)、政策アドバイザー(経産省コンテンツIPプロジェクト主査)を兼任しながら、コンテンツの海外展開をライフワークとする。以前はリクルートスタッフィングから転職し、DeNA・デロイト・バンダイナムコスタジオ・ブシロードで北米、アジア向けのメディアミックスIPプロジェクトを推進&アニメ・ゲーム・スポーツの海外展開を担当してきた。著書に『エンタメビジネス全史』『エンタの巨匠』『推しエコノミー』『オタク経済圏創世記』など。
  • 深津 貴之

    株式会社THE GUILD 代表取締役/note株式会社 CXO

    インタラクションデザイナー。株式会社thaを経て、Flashコミュニティで活躍。2009年の独立以降は活動の中心をスマートフォンアプリのUI設計に移し、株式会社Art&Mobile、クリエイティブファームTHE GUILDを設立。現在はnoteのCXOなど、領域を超えた事業アドバイザリーを行う。執筆、講演などでも精力的に活動。
  • 溝部 拓郎

    株式会社ポケットペア 代表取締役社長

    1988年生まれ。2012年東京工業大学工学部卒業。同年、新卒でJ.P.モルガン入社。その後、株式会社レジュプレスを共同創業し、仮想通貨取引所を運営する『Coincheck』を立ち上げ。 2015年、ゲームの企画・開発・運営会社である株式会社ポケットペアを創業し、現職。「クラフトピア」や「AIアートインポスター」といった先進的なゲームを手掛ける。

モデレーター

  • 赤川 隼一

    株式会社ミラティブ 代表取締役

    1983年生。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、2006年DeNAに新卒入社。2012年4月より最年少執行役員として海外事業、ブラウザゲーム事業等を管轄。2015年、スマートフォン画面を生配信するライブストリーミングサービス「Mirrativ」を開始。2018年3月に、Mirrativ事業をDeNAからMBOする形で株式会社ミラティブを創業し、現在までに累計60億円超を資金調達、日本最大のゲーム実況アプリ・スマホメタバースとして運営中。 「わかりあう願いをつなごう」をミッションに、ゲームとゲーム実況の融合「ライブゲーミング」やバーチャルアバター「エモモ」を通じて、日本発の新たなコミュニケーションの形を世に展開している。

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