キャンペーン終了まで

割引情報をチェック!

仕事のとらえ方を拡張してみませんか?

投稿日:2017/09/07更新日:2019/04/09

「悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する」――仏哲学者・アラン

仕事を楽観的・意志的に拡大解釈すると……

悲観主義で物事をとらえるか、それとも楽観主義で物事をとらえるかで、人生・仕事はまったく違った景色に見えてきます。

仕事は多分にしんどいものですが、楽観的・意志的に構える人は、「仕事はしんどいけど、面白みがある」になります。逆に、悲観的・感情的に流される人は、「仕事はしんどくて、つらいだけのもの」になります。

この心持ちの差は、5年、10年、20年が経つ間に、決定的な差になってくるでしょう。私たちはどのみち働いて生きていくわけですから、仕事を楽観的にとらえていく意志的努力は非常に大切なものです。

例えば、仕事は「ゲーム」だと考えてみる。

ゲームは勝負事ですが、遊び心をもって楽しんでやるものです。現在、目の前にあるトラブルや困難は、ゲームを面白くするためにゲームメーカーが仕組んだ障害物だととらえてみましょう。スマホゲームを1面1面クリアしていくように、1つ1つの問題を解決して、「よーし、次の面はどんな面だ」と待ち受けることができれば、たいしたものです。

また、仕事は「絶好の学び機会」だと解釈してみる。

仕事はさまざまに私たちに解を出せと求めてきます。しかし、解がすんなり出せる公式はありません。だからこそ、無上の学習機会なのです。しかも、給料をもらいながら、こうした学習と経験ができるのです。有り難い話ではないですか。

さらに、仕事は「アート」だととらえてみる。

今は、一個人の趣味やスタイルが、多くの人の心をつかまえて、そのままビジネスになりうる時代です。自分の興味・関心の向くまま、好奇心をエネルギーに変えて、「こんなこと考えてみました」とか「こんなふうにつくってみました」と、自分表現のアウトプットを上司や組織に提案してみましょう。思わぬところから、「お、それいいね」と反応が起こり、一気に仕事が面白くなるかもしれません。

悲観の引力に身を任せると仕事は「労役」になる

フランスの哲学者ベルグソンは次のように言いました。

「生命には物質のくだる坂をさかのぼろうとする努力がある」(『創造的進化』より)

私たち一人一人は傾斜に立っています。つまり自分には常に下向きの力がはたらいています。ですから、私たちは気を緩めれば、いつでも下に転がるような摂理の中に身を置いています。

この傾斜という負荷に対し、抵抗をやめることは基本的にラクです。しかし、そのラクの先に天国はありません。

逆に、私たちは「仕事」という傾斜を上っていく努力をする限り、何らかの成長や喜びを得ることができます。ただし、その努力の先に必ず天国があるかどうかはわかりません。これがこの世の深遠なところです。しかし、傾斜を上ろうとするその過程にこそ幸福はあると私は思っています。

仕事という傾斜に対し抵抗をやめれば、そこには「労役」という別の世界が待ち受けています。この世界に入り込んでしまうと、ほんとうにツライです。ネガティブ回路が増幅して脱出も難しくなります。

目の前の仕事を労役にせず、仕事をよりよい機会にするために、私たちはたくましき楽観主義が必要です。もちろん心構えだけで、難しく入り組んだ個々の仕事問題が解決できるわけではありませんが、楽観的意志を持つことはよりよき仕事・キャリアへの土台となります。

ベルグソンが言ったように、物質である石ころは傾斜を転げ落ちるしかありません。しかし、私たち人間は意志を持って坂を上っていけます。坂を上ることを、ゲームととらえたり、学びととらえたり、アートととらえたり。そういう解釈が健やかなエネルギーを湧かせます。

さて、2017年も下半期がスタートしました。仕事に面白みを感じている人も、そうでない人も、仕事を今一度、楽観・意志的にながめ、新鮮な解釈で取り組んでみてはいかがでしょうか。

  • 村山 昇

    キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

    人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)をはじめ、管理職研修、キャリア開発研修、思考技術研修などの分野で企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。 GCC(グロービス・キャリア・クラブ)主催セミナーにて登壇も多数。 1986年慶應義塾大学・経済学部卒業。プラス、日経BP社、ベネッセコーポレーション、NTTデータを経て、03年独立。94-95年イリノイ工科大学大学院「Institute of Design」(米・シカゴ)研究員、07年一橋大学大学院・商学研究科にて経営学修士(MBA)取得。 著書に、『キレの思考・コクの思考』(東洋経済新報社)、『個と組織を強くする部課長の対話力』『いい仕事ができる人の考え方』『働き方の哲学』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

関連動画

学びを深くする

記事に関連する、一緒に学ぶべき動画学習コースをまとめました。

関連記事

合わせて読みたい

一緒に読みたい、関連するトピックをまとめました。

サブスクリプション

学ぶ習慣が、
あなたを強くする

スキマ時間を使った動画学習で、効率的に仕事スキルをアップデート。

17,800本以上の
ビジネス動画が見放題

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

利用者の97%以上から
好評価をいただきました

スマホを眺める5分
学びの時間に。

まずは7日間無料
体験してみよう!!

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

新着記事

新着動画コース

10分以内の動画コース

再生回数の多い動画コース

コメントの多い動画コース