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日本IBM社長・山口明夫が語る「能力開発」──「真摯さ」と「学び続ける姿勢」が天職を導く

投稿日:2025/09/24タイマーのアイコン 読了時間 5分

日本IBM代表取締役社長執行役員の山口明夫氏。
農家の出身で、高校、大学と進学を重ね、やがて日本を代表するグローバル企業のトップへと上り詰めた異色のキャリアの持ち主です。
今回は、山口氏がこれまでどのように能力を開発してきたのかに焦点を当てます。
その成長の軌跡には、ビジネスパーソンが自身のキャリアを切り開くための重要なヒントが隠されています。

※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。
(肩書きは2023年2月14日撮影当時のもの)

「わからない」が成長の原点──異色のキャリアを切り開いた真摯な姿勢

日本IBMに入社後、山口氏が最初に配属されたのはコールセンターでした。
専門知識のない状態からスタートした彼は、まず目の前の仕事を完璧にこなすことに集中しました。

「まずは教えていただこうと。まずこの仕事がしっかりできるようになりたいと思って、そうやって教えてもらって、自分でできるように一つずつやってきました」

次に配属されたのは、大型コンピューターの保守業務です。ここでも知識ゼロからのスタートでしたが、山口氏は独学ではなく、現場のプロに直接教えを請うことを選びました。

「まずは本を読む前に、実際に仕事をしている方々に聞いてみようと。(中略)どういう勉強をすればいいんですかとか、何が難しいんですかとか、いろんなことを本当に教えていただいて、自分でこういうやり方がいいのかなということを勉強しながら」

目の前の仕事に対して真摯に向き合い、分からないことは素直に教えを請う姿勢。これが山口氏の能力開発の原点となりました。

金融業務×IT──専門性の「掛け算」が天職を生む

保守業務の次は、システムエンジニア(SE)へとキャリアチェンジしました。
金融機関担当となった山口氏の前に立ちはだかったのは、ITだけでなく「金融業務」という新たな壁でした。
ITの知識だけでは、顧客の課題を解決することはできません。

「金融の業務を知らないんですよ。言葉を知らない。これはやばいと。こんなこと分からなかったら、ITをある程度理解していても仕事ができないなと思って」

そこで山口氏は、現場で働く銀行員の同期と協力し、互いの専門知識を教え合いました。この経験が、顧客との深い信頼関係を築く土台となりました。

「お互い資料を持ち合って、そこからすごく仲良くなって、すごく勉強が楽しくなって。銀行の業務や言葉も理解できるし、お客様と会話をすると通じるわけですよ」

複数の専門知識を掛け合わせることで、山口氏の能力は飛躍的に高まりました。そして、顧客との対話から生まれる新たな学びが、さらなる成長の原動力となりました。

「引き取ってあげた方がいい」と言われた男が社長になるまで

「もう戻そうかと思った」。SEとして働き始めた当初、山口氏は金融機関の顧客からそう評されていたといいます。
しかし、当時の上司は「あいつはちゃんとやるから、ここにいさせてあげてくれ」と山口氏を信じ、擁護し続けました。

「分からないことは分からない。知らないことは知らない。知ったかぶりしたところで仕事できるわけじゃないので。(中略)全部積み重ねでしかなかったですね」

「知らないことは知らない」と正直に認め、地道な努力を続ける
この真摯な姿勢が、顧客や上司からの信頼を勝ち取りました。
そして、当初「使えない」と評された新人は、10年以上にわたって同じ顧客を担当するほどの信頼を築き、やがては日本IBMのトップにまで上り詰めたのです。

桃畑とアルバイトが育んだ「真面目さ」と「勤勉さ」

山口氏の成長の土台には、和歌山県で農家を営む家庭で育った経験があります。
早朝から桃の収穫を手伝い、学費を自分で稼ぐためにアルバイトを掛け持ちする学生時代を送りました。

「働くっていうことがそんなに嫌じゃなかったし、他の方々と話をしたりするのは好きだったので」

「働くこと」に対する抵抗のなさ。この幼少期からの経験が、未知の分野にも臆することなく飛び込み、学び続ける山口氏の姿勢を形作りました。
与えられた環境で真面目に、真摯に努力を積み重ねる。山口氏のキャリアは、その地道な努力こそが最大の「能力開発」であることを物語っています。

特別な才能は不要──誰でもできる「積み重ね」のキャリア術

山口氏のキャリアは、才能や劇的な成功体験によって築かれたものではありません。それは、日々の小さな積み重ねを真摯に続けることで、着実に能力を開発してきた結果だと言えます。
自身の「分からない」という不足を正直に認め、それを補うための努力を惜しまない。これが、山口氏の能力開発の核となる姿勢です。「分からない」を起点に、本を読み、人に尋ね、知識を吸収し続けることで、不足を誤魔化さず補う努力を続けました。
山口氏の成功は、この「積み重ね」を自ら設計し、実行し続けた結果なのです。

GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、山口明夫氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
『リーダーの挑戦』シリーズでは、グロービス経営大学院学長の堀義人が、日本を代表するリーダーに5つの質問(能力開発/挑戦/試練/仲間/志)を投げかけ、その人生哲学を解き明かします。続きはぜひGLOBIS学び放題でご覧ください。


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  • 本橋敦子

    GLOBIS学び放題×知見録 編集部

    大学卒業後、全国紙の記者として10年勤務。仙台支局で事件・事故、裁判、行政、スポーツ、東日本大震災の被災地を取材したほか、異動後の東京経済部では流通・小売り、通信、フェムテックなどをテーマに執筆した。現在はグロービスにて、オウンドメディア「GLOBIS学び放題×知見録」 の編集を担当。

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