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カンパニー組織とは?事業部制を超えた独立性の高い組織運営で企業力を最大化する仕組み

投稿日:2025/06/21更新日:2025/07/16タイマーのアイコン 読了時間 5分

カンパニー組織とは、各事業を自立運営するカンパニー単位で構成された組織形態のこと。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

カンパニー組織とは

カンパニー組織とは、事業部の独立性をさらに高め、カンパニーを事業の括りの単位とした組織形態のことです。

従来の事業部制組織と比べて、各カンパニーがより自立的に運営される点が特徴で、本社は戦略立案とコントロールに専門特化し、各カンパニーが戦略の実行に専心するという役割分担が明確になっています。

日本では1990年代前半にソニーがいち早く導入し、その後1997年の独占禁止法改正によって持株会社が認められるようになったことで、多くの企業に広がりました。現在では、より柔軟で機動性のある組織運営を実現する手法として、多くの企業が注目している組織形態です。

なぜカンパニー組織が重要なのか - 変化の激しい時代に求められる組織の柔軟性

現代のビジネス環境では、市場の変化スピードが加速し、企業には従来以上に迅速で柔軟な対応が求められています。

カンパニー組織は、このような環境変化に対応するために生まれた組織形態で、企業の競争力向上に重要な役割を果たしています。

①意思決定の迅速化を実現

従来の事業部制では、重要な意思決定は本社の承認が必要でした。しかし、カンパニー組織では各カンパニーに大幅な権限が委譲されているため、市場の変化に素早く対応できます。

新商品の開発から販売まで、各カンパニーが独自に判断して実行できるため、競合他社よりも早く市場に参入することが可能になります。

②責任の明確化と成果の向上

カンパニー組織では、各カンパニーが独立した損益責任を負うため、責任の所在が明確になります。これにより、各カンパニーのリーダーは自分たちの判断と行動に対して明確な責任を持つことになり、結果として成果への意識が高まります。

カンパニー組織の詳しい解説 - 仕組みと特徴を理解する

カンパニー組織を深く理解するためには、その仕組みと特徴を詳しく見ていく必要があります。

①事業部制組織との違いを知る

事業部制組織では、各事業部は本社の一部門として機能し、重要な意思決定は本社が行います。一方、カンパニー組織では、各カンパニーがほぼ独立した会社のように運営されます。

具体的には、カンパニー組織では各カンパニーが独自の損益計算書を持ち、売上から費用まで自分たちで管理します。これにより、各カンパニーは自立的な経営判断を行えるようになります。

また、人事権についても、カンパニー組織では各カンパニーに大幅な権限が委譲されることが多く、必要な人材を独自に採用したり、社内の人材配置を決定したりできます。

②本社とカンパニーの役割分担

カンパニー組織において、本社の役割は戦略立案とコントロールに専門特化されます。具体的には、全体戦略の策定、各カンパニーの業績管理、資源配分の決定などが主な業務となります。

一方、各カンパニーは戦略の実行に専心します。本社が決めた方向性に沿って、具体的な事業運営を行い、目標達成に向けて活動します。

この役割分担により、本社は森を見て、各カンパニーは木を見るという効率的な組織運営が可能になります。

③シナジー効果の重要性

カンパニー組織では、各カンパニーの独立性が高い一方で、カンパニー間のシナジー効果も重要な要素となります。

通常は、ある程度のシナジーが期待できる範囲で事業展開を行います。例えば、技術の共有、営業ネットワークの活用、ブランドの相乗効果などが挙げられます。

ただし、本社が投資会社的な立場を取り、個々のカンパニー間にそれほどシナジーが効かないケースも見られます。この場合、各カンパニーは完全に独立した事業として運営されることになります。

カンパニー組織を実務で活かす方法 - 効果的な導入と運営のポイント

カンパニー組織を実際のビジネスで活用するためには、適切な導入と運営が重要です。

①戦略的な事業再編での活用

カンパニー組織は、事業の買収や売却において大きな威力を発揮します。従来の事業部制組織では、新規事業への参入や不採算部門の売却に時間がかかり、機動性に欠けていました。

しかし、カンパニー組織では各カンパニーが独立した事業単位として運営されているため、M&A(企業買収・合併)を迅速に実行できます。

例えば、新たな市場に参入したい場合、その分野で実績のある企業を買収して新しいカンパニーとして統合することが可能です。逆に、業績の悪いカンパニーを売却することも、比較的スムーズに行えます。

②人材育成と組織開発への応用

カンパニー組織は、将来の経営幹部を育てる場としても有効活用できます。各カンパニーのリーダーには、独立した事業を運営する経験を積ませることができるため、総合的な経営能力を身につけることが期待できます。

具体的には、若手の有望な人材をカンパニーの責任者に抜擢し、損益責任を持たせながら事業を運営させることで、将来的には本社のマネジメントを担当する人材として育成できます。

また、カンパニー組織では本社とカンパニーの間に適度な緊張関係が生まれます。各カンパニーは、本社の期待に応えられなければ売却の対象となる可能性があるため、常に高い成果を出すことが求められます。

この緊張関係は、組織全体の活性化につながり、競争力の向上に貢献します。カンパニー間での健全な競争も促進され、組織全体のパフォーマンス向上が期待できます。

カンパニー組織の導入を検討する際は、自社の事業特性や組織文化を十分に考慮し、段階的に導入することが成功の鍵となります。

参考ページ

MBA経営辞書「カンパニー組織」

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