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MVAとは?企業価値を測る最強の財務指標で経営を革新する方法

投稿日:2025/08/06更新日:2025/08/26タイマーのアイコン 読了時間 5分

MVAとは、将来のEVAを現在価値に換算した総和で企業の価値創造を示す指標です。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

MVAとは

MVA(Market Value Added:市場付加価値)とは、将来のEVA(経済的付加価値)の現在価値の総和を表す財務指標です。

この指標は、スターン・スチュアート社によって提唱された収益性の測定方法で、企業が株主に対してどれだけの価値を創造しているかを明確に示します。

MVAの特徴は、単純に一時点での企業価値を見るのではなく、将来にわたって企業が生み出すであろう経済的付加価値を現在の価値に換算して評価することです。これにより、企業の持続的な価値創造能力を数値化できるのです。

なぜMVAが経営において重要なのか - 株主価値最大化の道筋を示す羅針盤

現代の企業経営において、MVAが注目される理由は、株主価値の最大化という経営目標を具体的な数値で示せることにあります。

従来の売上高や利益といった指標では見えない、真の価値創造の実態を把握できるため、経営者にとって極めて価値の高い判断材料となります。

①投資家の視点と経営者の視点を統一する

MVAは、投資家が求める長期的なリターンと、経営者が追求すべき価値創造を同じ土俵で評価できます。

これにより、短期的な利益追求に走りがちな経営判断を修正し、持続可能な成長戦略の構築に役立ちます。企業と投資家の利害を一致させることで、より建設的な対話と協働が可能になるのです。

②経営戦略の効果を定量的に測定できる

新規事業への投資や既存事業の改善など、さまざまな経営施策の効果をMVAの変化として定量的に把握できます。

これにより、どの戦略が実際に企業価値の向上に寄与しているかを客観的に評価し、資源配分の最適化を図ることができます。

MVAの詳しい解説 - EVAとNPVをつなぐ財務理論の架け橋

MVAの理解を深めるためには、関連する財務概念との関係性を把握することが重要です。

特に興味深いのは、EVAとフリーキャッシュフローは年度ごとに見ると必ずしも一致しないにも関わらず、EVAの現在価値の総和であるMVAは、フリーキャッシュフローの現在価値の総和であるNPV(正味現在価値)と一致するという点です。

①EVAとの関係性が示す経営の本質

EVAは各年度の経済的付加価値を表しますが、これを将来にわたって累積し、現在価値に換算したものがMVAです。

この関係性は、短期的な成果と長期的な価値創造の関連を明確に示しています。毎年のEVA向上努力が、最終的にMVAの増大として結実することを理解すれば、経営者は日々の意思決定においても長期的な視点を保つことができます。

②NPVとの理論的整合性が持つ意味

MVAがNPVと一致するという特性は、ファイナンス理論における論理的整合性を示す重要なポイントです。

これは、EVAやMVAを高める経営が、最終的にはNPVを最大化する経営と同じ方向性を持つことを意味します。つまり、MVAを指標として使用することで、理論的に正しい価値創造の道筋を歩むことができるのです。

③実務における受容性の高さ

MVAとEVAの概念が比較的短期間で広く受け入れられた背景には、その使い勝手の良さがあります。

コカ・コーラ社での成功事例に加え、ファイナンス理論との整合性が取れていることで、経営者にとって導入しやすく、かつ投資家にとっても理解しやすい指標となっています。複雑な計算を伴いながらも、その結果が直感的に理解できる点が、実務での普及を後押ししています。

MVAを実務で活かす方法 - 価値創造経営の実践的アプローチ

MVAを経営の実務に活用するためには、具体的な場面での応用方法を理解することが重要です。

この指標は単なる財務分析ツールではなく、経営戦略の立案から実行、評価に至るまでの幅広い場面で威力を発揮します。

①投資判断における活用方法

新規事業への投資や設備投資を検討する際、MVAの変化予測を通じて投資の妥当性を評価できます。

投資案件ごとにMVAへの影響を試算し、最も価値創造効果の高い案件を選択することで、限られた経営資源を最適に配分できます。また、投資実行後もMVAの実績値をモニタリングすることで、投資効果の検証と改善策の立案が可能になります。

②経営陣の業績評価制度への組み込み

MVAを経営陣の業績評価指標として活用することで、長期的な価値創造にコミットした経営を促進できます。

従来の短期的な利益指標だけでなく、MVAの改善度合いを評価に組み込むことで、経営者の行動を株主価値の最大化に向けて誘導できます。これにより、四半期決算に左右される短期志向の経営から脱却し、持続的な成長を重視する経営文化を醸成できるのです。

③投資家とのコミュニケーション改善

MVAを用いて自社の価値創造ストーリーを説明することで、投資家との建設的な対話を促進できます。

単純な財務数値の報告ではなく、どのような施策がMVAの向上に寄与しているか、将来に向けてどのような価値創造戦略を描いているかを具体的に示すことで、投資家の理解と支持を獲得できます。

参考ページ

MBA経営辞書「MVA」

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