仕損と減損って何?発生した場合はどう処理するの?

仕損・減損とは

仕損と減損皆さんは、仕損・減損と言う言葉を聞いたことがありますか?主に工業簿記などで使用する会計用語なので、一般的にはあまり耳にする機会はないかもしれません。

仕損とは、製造工程における失敗のことです。製品の製造中、様々な原因で加工に失敗することがあります。そして、仕損によって生じた失敗作のことを仕損品あるいは仕損じ品と言います。仕損品は、品質基準を満たせないため通常製品と同様に販売することはできません。他方、減損とは、製品の製造のために投入された材料などが加工の際に蒸発するなどで減ってしまうことです。

なお、固定資産の稼働率等の低下により発生する「減損損失」と名前が似ていますが、意味は異なります。

仕損と減損の違い

仕損は、通常製品と同じ値段で販売できないとはいえ形として残っています。したがって、材料として再利用したり、手直しをしてB級品などの規格外品として通常売価より安く販売することも可能です。これに対して減損は形が残っていません。既に消失しているため、再利用等ができません。

仕損と減損の会計処理

仕損や減損が発生した場合の会計処理は、その仕損や減損が正常なものか異常なものかによります。

・正常な仕損・減損の場合
通常の製造過程で不可避的に発生する仕損や減損のことを正常仕損・正常減損といいます。これらは完成品や月末仕掛品に負担させます。例えば、ある月に材料費1,000千円、加工費2,000千円をかけて製造した製品100個の内、10個が品質検査で不良と判断されたとします。製造された製品が全て良品であれば、1個当たりの製造コストは30,000円となりますが、不良と判断された10個分の製造コストに相当する300,000円は仕損費として、良品の製品の製造コストに加算します。したがって、合計3,000千円の製造コストを良品90個が負担することになりますので、良品1個の製造コストは33,333円(3,000千円÷90個)となります。

減損についても同様に、消失した分の原材料費分を完成した製品の原材料費に加算します。1,000円/キロで1,000キロ購入した原材料のうち、製造工程で5%の50キロ(50,000円)が減損したとすると、残りの950キロ(950,000円)が減損分の50,000円を負担します。その結果、原材料のキロ当たり単価は1,053円(1,000千円÷950キロ)と上昇します。

製造工程で発生する仕損・減損が多いほど(良品の)製造コストが増加し、製品販売価格に転嫁できなければ会社の収益性を圧迫することになります。

なお、月末の仕掛品に仕損費等を負担させるかどうかは、仕損・減損の発生が仕掛品の加工進捗度よりも後で発生したかどうかによって判断します。また、仕損品は良品としての価値は持たないものの、材料費としての価値等一定の価値を有する場合があります。そのようなケースでは、仕損費から仕損品の価値を控除した分を良品の製品等に負担させます。

・異常な仕損・減損の場合
通常発生する程度を超えて大量に発生する仕損や減損を異常仕損・異常減損といいます。これらは、完成品や月末仕掛品には負担させず非原価項目(特別損失等)として処理します。

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