株式報酬って何のためにあるの? 

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株式報酬制度の目的と背景

株式報酬株式会社の役員や従業員への報酬は金銭で支払われるのが通常ですが、コーポレートガバナンスの強化を目的として株式を役員への報酬として付与する会社が増えています。

コーポレートガバナンス・コードが提唱する「攻めの経営」では、国内市場が縮小し、グローバル競争が激化する経営環境におかれた日本企業がリスクを適正に評価しつつも果敢に取りに行く経営が求められます。ところが、従来の日本企業の役員報酬は固定報酬が大部分を占めていました。そこで、将来の業績や株価に連動した成果報酬部分を役員報酬に織り込むことで、リスクテイクに対するインセンティブとしようというものです。また、役員に対するインセンティブは役員賞与など比較的短期の業績に対して金銭で付与するのが一般的でしたが、自社の株式を報酬として付与することで、役員の意識を短期的な業績だけでなく中長期的な企業価値向上へ向ける目的もあります。

株式報酬の種類

株式報酬には関連する法令等によりいくつかの種類があります。以下、代表的な株式報酬制度を簡単に説明します。

・ストックオプション(新株予約権)
会社が、役員や従業員に対して会社の株式を予め定めた価格(権利行使価格)で将来取得する権利を付与する制度です。役員の貢献によって会社の株価が上昇すれば、将来市場価格よりも安い株価(権利行使価格)で株式を購入して市場で売却することにより売却益(キャピタルゲイン)を得ることができます。

日産の元会長のゴーン氏で有名になったストックアプリシエーション権(SAR)はストックオプションの考え方をベースにしています。仕組みは概ね同じですが、株式に代えて金銭での支払いが可能になります。

・リストリクテッドストック(特定譲渡制限付株式)
会社が役員や従業員に無償で株式を報酬として付与しますが、一定期間(通常は勤務期間)は付与された株式の売却等を制限します。一定期間の譲渡制限によって、中長期での株主価値の向上等、株主目線に立った経営への意欲を高めようとするものです。平成28年に会社法や法人税法などの関連法の整備が進み、導入する企業が増えています。

・パフォーマンスシェア(業績連動株式報酬)
中長期の業績目標の達成度合いに応じて、予め決められた一定のスキームにしたがって付与される株式による報酬です。

 

今後、関連する法令の改正等に伴い、株式報酬制度は改廃されることになると考えます。

株式報酬の会計処理

株式報酬の会計処理は、それぞれの株式報酬制度の趣旨や性質に基づいて異なります。共通しているのは、会計処理とキャッシュフローのタイミングとは異なるということです。

例えば、ストックオプションにおいて、役員にストックオプションを付与した時点では会社は役員に対して何らおカネは支払っていません。しかし、「付与時点の株価>権利行使価格」の場合など、ストックオプションの本源的な価値が認められる場合には役員報酬費用を計上する必要があります。

【設例】
非上場会社(*)であるA社は役員Bに対してストックオプションの付与を行いました。付与時点の株価は2,000円、ストックオプションの行使価格は1,000円、対象勤務期間は2年と設定します。

【付与した年度の会計処理】
借)株式報酬費用 500  貸)新株予約権 500
500={付与時点の株価(2,000)-行使価格(1,000)}÷2年

(*)会社の上場/非上場によって会計処理は異なります。

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