減価償却方法って変更しても良いの?  

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固定資産の多くは使用や時間の経過に伴って価値が減少します。会社の決算上は、固定資産の価値の減少を減価償却という方法によって表します(参照:減価償却って何?減った資産の価値はどこに行くの?)。そして、減価償却方法には、定額法、定率法などの複数の方法があり、会社はこのうち固定資産に最も適した方法を選択します。

何を基準に減価償却方法を選択するか?

原則的には、減価償却方法は固定資産の性質に応じて選択されます。たとえば、製造設備のように使用に伴う物質的な価値の減少と同時に技術革新による代替品による経済的価値の陳腐化が起こる固定資産は、定率法が適しています。一方、堅牢な建物のように耐用年数が長く、陳腐化が起こりにくい固定資産は、使用に伴い価値が段階的に減少する定額法が適していると考えられます。

なお、減価償却方法は、建物、構築物、機械装置などの「勘定科目」ごとに選択できます。したがって、製造設備Aは定額法、製造設備Bは定率法という選択はできません。

実務的には、日本では定率法を選択する会社が多くみられます。これは、税務上のメリットを享受するためでしょう。一般に、定率法と定額法では特に取得後の早期において定率法の方が減価償却費は大きくなり(利益が小さくなり)法人税負担が減少する(正確には課税を繰り延べる)効果があります。

減価償却方法は変えられるのか?

一旦選択した減価償却方法は変えることは可能でしょうか。答えを先に言うと、可能です。ただし、いつでも理由なく変えることはできません。利益の調整弁になってしまい、計算される利益が会社の事業実態を反映しなくなってしまいます。基本的には、減価償却方法は一旦選択すると継続的に適用する必要があります。

しかしながら、固定資産の使用方法や使用環境等の変化にともない現在の減価償却方法から他の方法へ変更することが合理的と判断される場合には、変更することが可能です。この場合、決算書の「注記」に、変更の理由(なぜ当期に変更するかの適時性も含みます)と変更による利益の影響額を記載します。これによって、決算書の利用者が仮にその変更がなかった場合の利益を算定することができます。

最近の傾向として、グローバル企業がグループ会社の比較可能性を高めるために会計処理方法をグループ間で統一する目的で、親会社の減価償却方法を定率法から定額法(海外子会社は定額法を適用している例が多い)へ変更する例が見られます。
 

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