AbemaTVはいつ黒字になるのか?損益分岐点分析で考える 

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先日、元SMAPのメンバー3人が出演した、AbemaTVの『72時間ホンネテレビ』が大いに話題となりました。これまでの地上波テレビでは芸能事務所等との関係でなかなかできないと思われた企画や演出を実現できたことが、新鮮なインパクトとなったようです。

このAbemaTVは、サイバーエージェント社とテレビ朝日との出資で昨年始まったインターネットテレビ局ですが、サイバーエージェントの2017年9月期決算によれば、まだ約200億円の赤字とのことです。しかし、今回の『72時間ホンネテレビ』の成功を起爆剤として、広告価値が高まったり有料会員が増えたりすれば、近い将来の黒字化の可能性も高まると言えるでしょう。

さて、ある事業においてどのくらい売上が伸びれば黒字になるのかを定量的に見る手法が、損益分岐点分析です。

■損益分岐点とは(視聴時間:59秒)

事業にかかるコストを固定費と変動費に分解し、売上高を追加で一単位増やすことで上がる利益(売上高-変動費)を限界利益、この限界利益が売上高に占める割合を限界利益率と呼びます。そして、固定費を限界利益率で割った値が損益分岐点売上高、すなわちこれ以上の売上高ならば利益が出るというわけです。

一般的に、固定費が大きいビジネスは損益分岐点売上高も大きくなります。つまり、黒字化に必要な売上高は比較的高めになります。AbemaTVも配信設備やスタッフの確保など、固定費の大きいタイプのビジネスと想定されますので、9月期末の段階で赤字といっても必ずしも驚くものではありません。

また注意が必要なのは、「固定費」という呼び名であっても金額がずっと一定なわけではないということです。あくまでも売上の変化に比例的に連動する性質ではないというだけで、追加投資をしたりすれば固定費の額も当然増えます。そうすれば、損益分岐点売上高もそれにつれて上がることになります。AbemaTVでも、上記の決算説明の中では、引き続き先行投資を行っていくと言われています。

もちろん、固定費大きめのビジネスは、単に損益分岐点売上高が高くてなかなか黒字化しにくい、というだけではありません。一般的には限界利益率が高めになる傾向があり、ひとたび損益分岐点売上高を超えて好調に推移すれば、より多額の利益を享受できるということでもあるのです(鉄道やテーマパーク等々)。そのため、少々固定費がかさむことになろうとも、将来の売上高を伸ばすために投資をしようという判断にもなるのです。

 

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