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スタートアップCOOのリアル 夢を実現していく仕事 vol.2

投稿日:2022/02/23更新日:2022/02/24

トップの活躍には有能な経営幹部の存在が不可欠です。スタートアップ企業の場合、CEO(最高経営責任者)の活躍ぶりに脚光が当たりがちですが、COO(最高執行責任者)の役割や存在意義については、多く語られることはありませんでした。

今回の対談企画ではトップを支えるスタートアップCOOにスポットを当てます。CIC TOKYOで2021年12月2日に実施された「VentureCafe」に登壇したCOOの4名が「ナンバー2」として意識していることなどについて語りました。(全2回後編、前編はこちら)

採用にどこまでコミットするか

髙原:社内外とのコミュニケーションのあり方についてこれまでお話を伺いましたが、せっかくですので再現性の高いお話を共有できる場にもしたいと思っています。

冨田:COOが採用にどのぐらい関わっているのか、という点に私は興味を持っています。当社は従業員数17人の会社なので、先輩の皆さんにぜひ伺いたいと思っています。

山下:私の場合、全体の時間の2~3割になるかもしれません。採用に非常に力を入れていて、募集しているポジションも多いんです。採用チームも専任1人、兼任1人がいるのですが間に合いません。この時期にいい人材が採用できると、成長角度が変わると思っているので、そこに対して私自身もコミットが必要かなと思っています。

ハック的とまでは言えないかもしれないですが、ポジションごとに候補者にはフィードバックを求めます。採用したいと思った候補者が入社に至らなかった時は、必ず「20~30分、時間をください」と言って、どのプロセスでどのように感じたのかなど、詳細を伺って勉強するようにはしています。

島田:1人入社することで、がらっと景色が変わるという瞬間が毎月のように起こっており、採用活動に時間と費用をかける価値はあると思っています。毎月10人ほど採用するのが、半年ぐらい続いており、私が1次面接から入ることもあります。採用には50%以上の時間を費やしています。

採用時に大切にするポイント

髙原:採用をされる際に、何を大切にされていますか?

島田:当社は徹底して数値化するというコンセプトでビジネスを展開しています。人事・採用面でも、計測できないものは改善できないという感覚でやっています。ただ、ヒトは数値で計れない部分がたくさんあるのも事実で、中平CEOと私が採用に臨む際に、その計れない部分を計ることとしています。言語化、数値化が難しい要素としては、「波動の高さ」などが挙げられますね。

長井:質問を受けたらずっと話を続けてしまう「ツボ」のようなポイントが、どの候補者にもあるのだと思います。「何が好きですか」「何に一番テンションが上がりますか?」というのは意識して聞いているかもしれません。

山下:課題に興味を持ち、「前のめり」な人はすごくいいなと思います。私の採用面接は、途中から、こちらの「お悩み相談」のようになります。「今これで困っているんですが、どう思いますか」みたいなことを聞きます。ロジカルな反応でなくても興味を持ってくれて、「私ならこうします」といった答えが出てくると、すごく楽しいですね。相手の熱量なども、このようなスタイルで見極めています。

多様な人たちが集うチームのマネジメント方法

髙原:異質な人を入れて会社の器を広げていくことも非常に大切ですよね。ある意味で挑戦であり、新たなコミュニケーションも発生しますが、そこにコツのようなものはあるのでしょうか?

島田:当社でも多様な人材を採用しようとしています。一方、バックグラウンドは多様でも、バリューを共有することは同時に大切にしています。当社はバリューを4つ定めていて、やはりバリューに適合している人材は活躍しています。

長井: 現在、CEOやCTO(最高技術責任者)が中心となって採用活動を進めているのですが、採用後のオンボーディングには私も深く関わっています。入社して1カ月後、経営陣とKPT(Keep、Problem、Tryのフレームワークによる分析手法)で振り返りの面談をするのですけど、入社前とギャップはなかったか、問題点がなかったのかを把握し、すぐに改善するようにしています。

山下:当社はもともと様々なタイプの人材が存在していましたが、ビジョンにはみな共感していました。互いにリスペクトするというのもバリューの1つとしており、コミュニケーションがとりにくくなるということは起きにくかったです。それでも人数が増えると、コミュニケーションの仕組化が求められていくのだと思います。今まさにそれを進めているところです。

冨田:仕組化という点では、CTOがビジネスサイドのメンバーと、COOが開発メンバーと定期的に1on1を設けるのをルール化しています。フルリモートとなった後、社内のコミュニケーションを取りづらい局面にあっては、メンバー同士が互いに相手を称えあうことで生まれるプラス効果、好循環がありました。

選んだ道を正解にする

髙原:皆さんが、今の会社を選んだ経緯についても興味があります。事業への愛のようなものがあったのでしょうか?

冨田:自分が起業しようとしていた事業を諦めたタイミングで誘いを受けました。尊敬できるCEOだったのも大きかったです。壁にぶつかりながら、ここはない、ここもない、という検証を続け、これだろうと思って飛び込んだ世界が正解なのだと思いますし、正解にするしかないのだと思っています。

長井:新卒で入社したDeNAの創業者の南場智子さんが、まさに同じようなことを言っていて、なぜ起業したのかと聞くと、自分の意思決定を正解にすることができるのが事業会社だからと教わり、すごく格好いいと思ったのを覚えています。

創業前のことですが、PoC(コンセプト検証)の一環で、開発したプロダクトを妻に使ってもらったところ、妻がすごく喜んでいたんです。こんな熱量を間近で感じられるサービスなのかと驚きました。これはいけると確信めいたものを持ち、創業しました。コロナ禍でアパレル業界にネガティブな話題が相次いでも、日々私たちは洋服を着ています。われわれがファッションテックをやらなくて、どこがやるのだという気概でやっています。

島田:愛という言葉が出ましたが、生命と成長に対してコミットメントをした時間が愛だと私は考えています。COOはたえず会社やメンバー、会社の未来を考えて過ごしています。非常に強い愛がないとできない役割だと思います。

山下:社会的意義のある事業をしたいという想いがありましたが、だいたい事業には社会的意義があるものです。私の場合は、自分が何に幸せを感じるのか内省を重ねました。結果、自分にはできない「モノづくり」に携わる人々が、もっと活躍できる場を作れないかという想いがあるのに気づいたんです。生産者とユーザーの距離が近い「食べチョク」の事業の可能性について、自分のなかで腹落ちがしたのが大きかったです。

髙原:皆さんCOOとして、CEOの夢を受けながら色んな人々を巻き込み、前進しているのだと感じました。これからも応援させていただきます。本日はありがとうございました。

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