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ビープラッツやグローバルモビリティサービスに見るIoTで変わる未来

投稿日:2017/07/03更新日:2019/04/09

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」は「モノのインターネット」ともいわれる。従来の通信端末を超えたあらゆるモノに通信機能を搭載することが可能になり生み出される世界観である。

一般に、センサーなどで取得されたデータがクラウド上で蓄積・解析され、その結果が別の入力・出力情報として生かされる形態を指す。非常に広範な概念であるため、具体的な事業機会や提供価値を連想しにくい。

ビープラッツの例

ビープラッツ(東京・千代田)はサブスクリプション(月額課金・継続課金)ビジネスの契約・受注・請求などを統合管理できるプラットフォーム「Bplats(ビープラッツ)」を提供している。メーカーを中心に評価を受け、10を超えるビジネスエコシステム(企業の生態系)に基盤を提供しているという。

藤田健治社長(47)は大手商社時代からセキュリティーソフトに始まり、2006年の同社設立以降一貫してソフトウエアのオンライン流通を手掛ける。「IoT関連ビジネスは1社単独で完結するものではなく、協業によるエコシステムのモデルが適切。ハード、ソフト、通信、サービスなどそれぞれの得意分野のノウハウが組み合わさり、新しい価値を生み出すことで飛躍的にビジネスが生まれる」と話す。

「これらエコシステム内の企業間取引(B2B)を柔軟に管理できるプラットフォームが必要だ」。加えて「製造業各社にとってIoT市場の競合は米アマゾン・ドット・コムや米グーグルなどグローバル規模の他業種企業だ。製造業の強い日本ではハードウエア起点のIoTの話題は事欠かないが、サービス業側からのアプローチを併存させない限り、米IT(情報技術)企業の勢いに太刀打ちできない」と藤田氏は危機感を募らせる。

グローバルモビリティサービスでは

グローバルモビリティサービス(東京・中央)は自動車の遠隔制御を可能にする独自技術で自動車の与信審査を変革し、自動車流通の市場拡大を可能にしている。13年に同社を設立した中島徳至社長(50)は電気自動車メーカーを日本とアジアで2社起業した経験を持つシリアルアントレプレナー(連続起業家)だ。

日本の大手オートリース会社やフィリピンの最大手通信会社と提携。「世界中の20億人ともいわれる自動車を購入できない人々に機会を提供して雇用創出や所得向上に貢献したい」という。

中島氏は「従来のオートファイナンスにおける照会情報は個人の『過去』の情報のみだった」と分析。「車の遠隔制御技術によりデフォルト(債務不履行)時の金融会社の損失リスクを著しく低減させることを可能にすれば、硬直化された社会の階層構造を変化させる機会を生み出す」と意気込みを語る。

さらに「IoT化で新たな価値を生み出そうとするサービスの多くが提供者の都合で発想されていることが多い」と指摘。「IoT化の流れは第4次産業革命ともいわれるほど、製品やサービスの変化にとどまらず、事業・産業・社会のあり方そのものを変革させる可能性を有する。社会視点で物事を発想することがIoT関連ビジネスの要諦だ」と強調する。

IoT化した世界では、日常生活に密着したサービス・プロダクトはデータのフィードバックループとともにユーザーと継続的な関係性・密着性が前提となる。同時に、単純に「作って、売る」というようなシンプルなバリューチェーンからの非連続な再定義がなされることとなろう。

(2017年6月29日付日経産業新聞の記事「VB経営AtoZ」を再掲載したものです)

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