前回は、期待を超えるマネジャーになるために必要な3つの力(組織で成果を出す力=スキル、仕事に対する想いの力、ギャップを埋める力)のうち、「組織で成果を出す力(=スキル)について詳しくお伝えしました。今回は、「仕事に対する想いの力」ついて詳しくお話をしていきます。
皆さんは「どんな想いをもって仕事をしていますか」「何を大切にして仕事をしていますか」という問いを投げかけたら、どう答えますか。また、そういう想いがビンビン伝わってくる上司と、何を考えているのか全然分からない上司がいたときに、どちらに惹かれるでしょうか。やりたいことや想いがビンビン伝わってくる上司についていきたい方が多いのではないでしょうか。中には、そういうのは暑苦しくて嫌だと思われる人もいらっしゃるかもしれませんが(笑)。
そのような観点で見ると、仕事に対する想いが明確になっていると言うのは、とても大切であることがわかります。
では、その想いをもう少し具体的に見てみましょう。これまでにインタビューをした数十人のマネジャーの方の話から、仕事に対する想いの語り方は、以下の4つのタイプに分けられることに気付きました。1つずつ説明していきましょう。
■What型
「何を成し遂げたいのか」「何をやっているのか」ということに強く想いのある方です。例えば、「私はデザイナーとして働いていて、こういうものを作っていくことに命をかけています」というタイプの人です。
■How型
「どういうやりかたをして仕事を成果としてつくりあげていくのか」に重点を置いている方です。例えば、「自分は組織と組織の間に入って上手くそこをコーディネートしながら、いいところをみつけて組織として成果をあげたい、そんな繋ぎ役のような仕事に自分はわくわくする」という、仕事のやり方に対してこだわりのある方です。
■Where型
組織に対する帰属意識が高く、「とにかく私はFM福岡という会社で働いているということが、なによりも大事なんです」というタイプの方です。
■Who型
「誰のために働いているのか」ということにすごくこだわりを持っている方です。「お客さんのため」とか「患者様のため」、もしくは「仲間のため」などです。誰のために働いているのかということが思いの源泉になっているような方もいます。
一緒にラジオを担当しているアナウンサーの方は、whatとwhoに強い思い入れがあるということでした。WhatとWhoに対する想いがすごく強いタイプの方というのは、例えば、どういうやり方で番組を作るかということにはあまり想いがないので、そこは割とフレキシビリティをもって対応することが出来ます。しかし、聴いてくださる方にあまり価値のないような番組を作るという話になると、途端にやる気が起きなくなるでしょう。そこが次回お話しようとしている、「ギャップ」につながるわけです。
上司に言われたことはこれでお給料もらっているわけだし「何でも従う」という姿勢で仕事をしていると、ある意味全部寄り添えてしまうため、あまりギャップは生まれません。しかし、「番組とはこうあるべきである」「リスナーに届けるものはこうあるべきである」という想いが強くなれば強くなるほど、自分の想いと異なることを会社や上司に要求された時には、ギャップが生まれるということが起きるわけです。
では、仕事に対する想いのない人というのはギャップが生まれなくていいのかというと、そういう人は周りから見ても、部下から見ていても魅力のない人に映る可能性が高いので、「仕事はしているけれど、無難にやっている人」と思われているかもしれません。
さて、皆さんは何を大事にして仕事をしているでしょうか。一度考えてみてはいかがでしょう。
(本記事は、FM FUKUOKAのラジオ番組「BBIQモーニングビジネススクール」で放送された内容をGLOBIS知見録用に再構成したものです)