皆さんは「ミドルマネジャー」という言葉を聞いてどんな状況を想像されますか。
最近では、30代半ばくらいから「ミドルマネジャー」というポジションが始まる会社が多いようですが、どちらかというと辛そうで、上司と部下とお客さんの間に板挟みになっている、というイメージを持たれている方が多いようです。そのため、アンケートを取ると、若い方ほど“なりたくないポジション”として「ミドルマネジャー」を捉えていることがわかります。
一方、いつも生き生きしていて元気そうにアクティブに動いている、そんなマネジャーの方もいると思います。そういう周囲から一目置かれているマネジャーと、どこか辛そうだと思われるマネジャーは何が違うのでしょう?
会社の中核を担っているミドルマネジャーが毎日毎日辛そうな顔をしていたら、新入社員や若手の社員は会社の未来が見えない、会社の未来が明るくないなという気になってしまいますよね。部下が将来に希望を持って働くために、身近にいる上司は生き生きとアクティブに動き、“あのマネジャーのようになりたい”と言ってもらわないと困るわけです。
そういった若手から尊敬され、慕われているマネジャー何十人かにインタビューをして、どういう特性を持っているのか、どういう働き方をしているのか、どうやって自分の能力を磨いているのか、どのように自分のネットワークを広げているのかということを根掘り葉掘り聞いてみました。その内容は千差万別でしたが、20人、30人、40人と数を重ねていくうちに、パターンが見えてきて、ある種の共通因子があることに気付きました。
そして、その成果を『これからのマネジャーの教科書』という本にまとめました。この本は、「これだけやればあなたもいいマネジャーになれます」というようなノウハウ本ではありません。現実として存在する、色々な紆余曲折や苦難を乗り越えて、一目置かれるマネジャーになった方々の具体的なスキルの習得方法や、どうやってよい状態を維持しているのか、どうやって一回駄目になったものを回復しているのか、といった話をリアルな事例と共に紹介している本です。本コラムでは、それらを3つの能力に分け、その能力の獲得の仕方、強化の仕方、維持の仕方についてお伝えしていきます。
(本記事は、FM FUKUOKAのラジオ番組「BBIQモーニングビジネススクール」で放送された内容をGLOBIS知見録用に再構成したものです)