20%の議決権を持つ「少数株主」
前回は、連結財務諸表の概要について説明しました。連結財務諸表には連結財務諸表特有の項目(勘定科目)があります。「少数株主持分」もその1つです。今回は、少数株主持分について説明したいと思います。
少数株主とは
連結財務諸表に取り込まれる子会社の中には、親会社が議決権の100%を持っていない子会社もあります。例えば、親会社が80%の議決権を持つ子会社には他に20%の議決権を持つ株主が存在します。この20%の議決権を持つ株主をまとめて「少数株主」と言います。
少数株主持分とは
連結財務諸表の作成手続きでは、親会社の財務諸表(B/S、P/L等)と連結子会社の財務諸表を「合算」することから開始します。その際、80%子会社であっても、一旦、財務諸表の全額を合算します。したがって、合算時点では、少数株主の持分に相当する20%の正味の財産(純資産)や儲け(当期純利益)も全額が親会社の持分のように表されてしまいます。
そこで、合算した後に少数株主に帰属する20%部分を親会社の持分とは区分するために控除してB/S上に「少数株主持分」として表すように調整します。少数株主持分は、ざっくりいうと連結子会社の正味の財産(純資産※)の内、少数株主に帰属する持分ということです。
少数株主持分を連結財務諸表で表す方法
親会社の連結B/Sに少数株主持分がある場合は、連結子会社の中に親会社の持分が100%でない会社があると同時に、少数株主の持分があるということは連結子会社の純資産がプラスであるということが分かります。なお、少数株主持分は、連結B/Sでは、「純資産」の一部として表示されます。(※)正確には一部項目は除かれます
また、同様に連結P/Lにおいては親会社の当期純利益に連結子会社の当期純利益を合算された状態から少数株主に帰属する部分を控除します。その際、「少数株主損益」として処理します。例えば、連結子会社が利益を出している場合は「少数株主利益」として当期純利益の直前で減算されることになります。
なお、平成27年4月1日以降開始事業年度の決算(平成28年3月期決算)からは、少数株主持分は『非支配株主持分』へと名称が変更されます。
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