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SHIFT代表丹下大氏が語る「行動力と標準化」が切り拓いた起業家人生

SHIFT代表丹下大氏が語る「行動力と標準化」が切り拓いた起業家人生

投稿日：2025/08/22 読了時間 4分

地方の小さな町で育った少年が、「社長になりたい」と決意したのは小学校6年生の時。その約束を果たし、今や東証プライム上場企業・株式会社SHIFTの代表を務める丹下大氏。彼の原点にあるのは、頭ではなく行動で勝負するという覚悟と、個人のスキルを仕組みに落とし込む能力だった。起業家としての原点、若き日の苦悩、そして能力開発への向き合い方を、丹下氏自身の言葉で紐解いていく。

※この記事は、GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、「能力開発」にまつわる一部の内容をご紹介するものです。
（肩書きは2024年11月13日撮影当時のもの）

起業家の原点は「母との約束」から始まった

「起業は小学校6年生の時にたまたま母親と約束して、社長になりたいと言ったのがきっかけで。ただ、なんで？って聞かれるのでもう少し振り返ると、小学4年生の時に母親から晩ご飯を食べている時に、『どうやって将来飯を食っていくの？』と聞かれて」

広島県の人口3000人の町に生まれた丹下氏は、ごく普通の公務員家庭で育った。プロ野球選手に憧れた少年時代、しかし現実を知り、小学6年生で「社長になる」と方向転換。その原動力は、自分の存在を認めてもらいたいという純粋な想いだった。

「サラリーマンの人のトップはなれるのかもしれないということで社長と言った。晩ご飯作ってくれ欲しかったっていうだけです、母親に（笑）」

だがその言葉は冗談に終わらず、進学・就職・起業すべての選択が、この目標に向かって一直線に進んでいくことになる。

学歴の壁を越えて「目立つ」ための努力

同志社大学時代は遊びに夢中で就職活動に失敗。浪人の末、京都大学大学院へと進学した丹下氏。しかしそこには、「数学オリンピック銀メダリスト」のような天才たちとのレベル差があった。

「僕の一個下の子が数学オリンピック銀メダリストの子で、学校の教授に兄弟の数学を教えてたんですね、これはちょっと20歳の子でこんな頭いい子と勝負できないなっていうのが正直」
「60人くらいのちっちゃな会社に入れば、学歴とか頭いい人と競争じゃなくて、自分の自己表現で、気合と根性だけで勝ち上っていけるかなって思った」

選んだ就職先は当時社員60人ほどの製造業向けコンサルティング会社、インクス(現SOLIZE)。大企業ではなく、個の力が発揮できる環境で勝負を挑んだ。

「イエスの丹下君」と呼ばれた行動力

「社長面談でも、 2年でこの会社のトップに立ちますってことを言ってたんです。自分で発破をかけて、全ての仕事を拾っていくっていうんですかね。」

印象的なのは、すべての仕事を断らず引き受けた姿勢だ。コピー、ドライバー、雑用まですべてを率先して行い、「イエスの丹下君」と呼ばれるように。行動力だけで組織内の信頼を勝ち取り、コンサルティング部門をわずか5年で50億円規模にまで成長させた。

「やっぱり頭で勝負できないなって思ったので、行動力とかっていうので勝負しないといけないなと思ってですね」

能力は「仕組み化」して初めて価値になる

コンサルタントとして特に評価されたのは、職人の技術をツール化・標準化し、誰でも使える仕組みに落とし込んだ点だ。

「僕のシステムのツールを押せば、誰でもコンサルティングできるっていう仕組みを作った。オペレーションを簡素化して標準化して、システム化して、それがある程度自動的にできるような体制を、ある程度形を決めておいて、それを当てはめた」

職人技に依存せず、再現性のある成果を生む。個の能力をチームの力に転換するために、標準化とシステム化が必要だった。

丹下氏の話には、ビジネスパーソンが「自分の力をどう磨き、どう活かすか」というヒントが詰まっている。頭脳でもスキルでもなく、まず行動する。そしてその行動を価値に変えるには、仕組みに落とし込む視点が不可欠だ。

GLOBIS学び放題で配信中の『リーダーの挑戦』の中から、丹下大氏の「能力開発」にまつわる内容をご紹介しました。
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