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好意とは?人を動かすための心理学的アプローチと実践術

投稿日:2025/07/20更新日:2025/08/15タイマーのアイコン 読了時間 5分

好意とは、好感を抱く相手の要求を受け入れやすくなる心理原理です。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

好意とは - 人を動かす最もシンプルで強力な影響力

好意とは、ロバート・チャルディーニが提唱した「影響力の6つの原理」のうちの一つで、「自分が好意を感じている人の要求は受け入れやすい」という極めてシンプルながら強力な心理原理です。

私たちは日常生活の中で、無意識のうちにこの原理を体験しています。好きな人からの頼み事なら快く引き受けるものの、苦手な人からの同じような依頼には消極的になってしまう経験は、誰にでもあるでしょう。

ビジネスの世界においても、この「好意の原理」は営業活動、リーダーシップ、チーム運営など様々な場面で重要な役割を果たしています。相手に好意を持たせることができれば、提案の受け入れられやすさが飛躍的に向上し、人間関係も円滑になるのです。

なぜ好意が重要なのか - 現代ビジネスにおける必須スキル

現代のビジネス環境では、商品やサービスの品質差が縮まり、最終的な決め手となるのは「人」そのものになることが少なくありません。そんな時代において、好意を獲得するスキルは競争優位の源泉となっています。

①信頼関係構築の基盤となる

好意は信頼関係の土台となります。相手があなたに好意を抱くことで、あなたの発言や提案に対してより前向きに耳を傾けてくれるようになります。これは営業だけでなく、社内でのプロジェクト推進や部下との関係構築においても同様です。

②意思決定への影響力を高める

人間の意思決定プロセスには感情が大きく関わっています。論理的に正しい提案であっても、提案者に好意を感じなければ受け入れられにくいものです。逆に、好意のある人からの提案は、多少の不備があっても前向きに検討されがちです。

好意の詳しい解説 - 5つのタイプとその心理メカニズム

チャルディーニの研究によると、人が好意を感じる要因は大きく5つのタイプに分類されます。これらを理解することで、意識的に好意を獲得するアプローチが可能になります。

①身体的魅力による好意の形成

第一印象で大きな影響を与えるのが身体的魅力です。ここでいう魅力とは、単純に見た目の美しさだけではありません。清潔感のある身だしなみ、知性を感じさせる振る舞い、相手に配慮した服装選択なども含まれます。

たとえば、重要な商談に臨む際、相手企業の社風や文化に合わせた服装を選ぶことは、単なるマナーを超えて好意形成の戦略となります。相手が親しみやすさを感じられる身だしなみを心がけることで、会話がスムーズに進む可能性が高まります。

②類似性による親近感の醸成

人は自分と似ている人に親近感を覚える傾向があります。出身地、趣味、価値観、経験など、共通点が多いほど好意を抱きやすくなります。この原理を活用すれば、初対面の人とも短時間で距離を縮めることができます。

営業の現場では、相手との会話の中から共通点を見つけ出すスキルが重要とされています。同じスポーツチームのファンだったり、子どもの年齢が近かったりという些細な共通点でも、心理的な距離は大幅に縮まります。

③称賛による自己肯定感の向上

人は自分を認めてくれる人、褒めてくれる人に好意を抱きます。ただし、お世辞や空虚な褒め言葉は逆効果になることもあるため、具体的で真摯な称賛を心がけることが重要です。

相手の取り組みや成果を具体的に評価し、その努力や工夫を認めることで、相手の自己肯定感を高めることができます。これは部下のモチベーション向上にも直結する重要なリーダーシップスキルでもあります。

好意を実務で活かす方法 - 今日から使える実践テクニック

好意の原理を実際のビジネスシーンで活用するには、相手の状況や関係性を考慮した適切なアプローチが必要です。

①営業活動での好意活用術

優秀な営業担当者は、初回訪問時から意識的に好意形成を行っています。まず、事前に相手企業や担当者の情報を収集し、共通点を探します。そして面談では、相手の話に真摯に耳を傾け、具体的な質問を通して関心を示します。

また、「単純接触効果」を活用し、定期的な訪問やメール連絡を通じて接触頻度を高めることも重要です。人は接触回数が増えるほど親近感を覚える傾向があるため、押しつけがましくない範囲で継続的なコミュニケーションを心がけます。

商談においては、相手の課題や悩みに共感を示し、解決に向けた具体的な提案を行うことで、「この人は私たちのことを真剣に考えてくれている」という好意を醸成できます。

②リーダーシップでの好意活用

組織のリーダーにとって、部下からの好意は重要な経営資源です。部下が上司に好意を抱けば、指示の受け入れがスムーズになり、自発的な協力も得やすくなります。

現場視察の際に作業服を着用するのは、類似性による好意形成の典型例です。また、部下の成果を具体的に認め、感謝の気持ちを言葉で表現することで称賛による好意を獲得できます。

さらに、部下との一対一の面談を定期的に行い、仕事の悩みや将来への不安に真摯に耳を傾けることで、信頼関係を深化させることができます。これらの取り組みは、単純接触効果と親密性の向上を同時に実現する効果的なアプローチです。

重要なポイントは、好意の獲得を目的とするのではなく、相手への真摯な関心と敬意を基盤として、自然な形で好意が生まれるような関係性を構築することです。表面的な技術ではなく、相手を理解し尊重する姿勢が、持続可能な好意関係を築く鍵となります。

参考ページ

MBA経営辞書「好意」

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    ビジネスパーソンの役に立つコンテンツをお届けすべく、取材、インタビュー、撮影、編集などを日々行っています。

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