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ショールーミングとは?店舗を見学場所として使う賢い消費行動の全て

投稿日:2025/07/20更新日:2025/08/15タイマーのアイコン 読了時間 5分

ショールーミングとは、店舗で商品を確認し、購入はネットで行う消費行動です。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

ショールーミングとは - 実店舗とネットを使い分ける新しい買い物スタイル

ショールーミングとは、消費者が実際の店舗で商品を手に取って確認した後、その場では購入せずにオンラインストアで同じ商品を購入する消費行動のことです。

店舗をまるでショールーム(展示場)のように利用することから、この名前がついています。たとえば、家電量販店でテレビの画質や機能を実際に確認してから、より安価なネット通販で購入するといった行動がこれに当たります。

この消費行動は、スマートフォンの普及と共に急速に広まり、現代の消費者にとってはもはや当たり前の買い物方法の一つとなっています。

なぜショールーミングが注目されるのか - 消費者の変化と企業への影響

ショールーミングが注目される理由は、消費者の購買行動が大きく変化し、小売業界全体に深刻な影響を与えているためです。

①消費者にとっての合理的な選択

現代の消費者は、より賢く、効率的な買い物を求めています。実物を確認してから安く購入できるショールーミングは、消費者にとって理想的な購買方法と言えるでしょう。

特に高額商品や機能性を重視する商品では、「失敗したくない」という心理が強く働くため、実際に触れて確認できる実店舗の価値は高いままです。しかし、購入は価格の安いオンラインで行うことで、安心感と経済性の両方を手に入れることができます。

②小売店舗への深刻な影響

一方で、実店舗にとってショールーミングは大きな課題です。商品説明や展示にかかるコストを負担しながらも、実際の売上げにつながらないという問題が発生しています。

在庫を抱えるリスクや店舗運営費用は変わらないのに、売上げが減少するという状況は、多くの実店舗の経営を圧迫する要因となっています。

ショールーミングの詳しい解説 - 背景と現状を深く理解する

ショールーミングという現象をより深く理解するために、その背景や特徴、実際の影響について詳しく見ていきましょう。

①スマートフォンが生み出した購買革命

ショールーミングの爆発的な普及の背景には、スマートフォンの存在があります。消費者は店頭で商品を見ながら、その場でスマートフォンを使って価格比較や口コミ確認ができるようになりました。

従来であれば、家に帰ってからパソコンで調べる必要がありましたが、今では店頭にいながらにして瞬時に最安値を見つけることができます。この技術的な変化が、ショールーミングを日常的な行動にしたのです。

また、QRコードでの商品情報取得や、画像検索による類似商品探しなど、より sophisticated な比較購買行動も可能になっています。

②デジタル商品への拡張

ショールーミングは物理的な商品だけでなく、デジタル商品にも拡大しています。最も典型的な例が書籍で、書店で実際の本を手に取って中身を確認し、気に入ったら電子書籍版を購入するケースが増えています。

電子書籍は通常、紙の本よりも20~30%安く、さらに即座にダウンロードできる利便性もあります。音楽CDや映画DVDについても同様の行動が見られ、実店舗で確認してからデジタル版を購入する消費者が増加しています。

③商品カテゴリーによる違い

ショールーミングの発生頻度は商品カテゴリーによって大きく異なります。特に影響が大きいのは以下のような商品です:

  • 家電製品:機能や操作性の確認が重要
  • アパレル:サイズやフィット感の確認が必要
  • 書籍:内容の確認後にデジタル版を購入
  • スポーツ用品:実際の使用感が重要

一方で、食品や日用品など、ブランドや品質が定まっている商品では、ショールーミングの影響は比較的限定的です。

ショールーミングを実務で活かす方法 - 企業と消費者双方の視点から

ショールーミング現象を理解することは、企業戦略と個人の消費行動の両面で重要な意味を持ちます。

①小売企業の対応戦略

小売企業がショールーミングに対抗するためには、従来の発想を転換する必要があります。

まず重要なのは、実店舗ならではの付加価値の創造です。専門スタッフによる詳しい商品説明、アフターサービスの充実、即座に持ち帰れる利便性などを強化することで、実店舗での購入理由を作り出します。

価格競争力の向上も欠かせません。オンライン価格とのマッチング保証や、店舗限定の特別価格設定などにより、価格面での魅力を高める取り組みが必要です。

さらに革新的なアプローチとして、最初からショールーミングを前提とした店舗作りを行う企業も現れています。展示に特化した小規模店舗を作り、注文は全てオンラインで受け付けるという hybrid model です。

②O2O戦略との統合

ショールーミング対策として、O2O(Online to Offline)マーケティングの活用も重要です。オンラインで情報収集した顧客を実店舗に誘導し、そこで購入まで完結させる仕組み作りです。

具体的には、ウェブサイトで「店舗で実際に確認できます」というメッセージを強調し、店舗での体験価値を高める取り組みが効果的です。また、店舗での購入に対するポイント優遇や特典提供により、実店舗での購入動機を高めることも可能です。

消費者の立場からは、ショールーミングを上手に活用することで、より満足度の高い購買体験を得ることができます。ただし、実店舗のサービスを利用する際は、適度な配慮を持つことも重要です。

ショールーミングは現代の消費社会における自然な現象であり、企業も消費者も、この新しい購買行動を理解し、うまく活用していくことが求められています。

参考ページ

ショールーミング: リアルで選んでネットで買う

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    編集部

    ビジネスパーソンの役に立つコンテンツをお届けすべく、取材、インタビュー、撮影、編集などを日々行っています。

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