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ビッグマック指数とは?ハンバーガーが教えてくれる世界経済の意外な真実

投稿日:2025/07/21更新日:2025/08/18タイマーのアイコン 読了時間 5分

ビッグマック指数とは、各国のビッグマック価格から為替の適正性を測る経済指標です。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

ビッグマック指数とは - ハンバーガーで測る世界経済の物差し

ビッグマック指数とは、マクドナルド社の代表的な商品「ビッグマック」の価格を基準として、各国の為替レートが適切かどうかを判断しようとする経済指標です。

世界中どこでも同じような材料とレシピで作られるビッグマックの価格を比較することで、その国の通貨が過大評価されているか過小評価されているかを測ることができます。

例えば、アメリカでビッグマックが5ドル、日本で500円だった場合、単純計算では1ドル=100円が適正レートということになります。もし実際の為替レートが1ドル=120円なら、円は過小評価されていると判断できるわけです。

この指標は英国の経済誌「エコノミスト」が1986年に冗談半分で発表したものですが、意外にも実体経済を反映していることから、今では多くの専門家が参考指標として活用しています。

なぜビッグマック指数が重要なのか - 身近な商品が映し出す経済の本質

ビッグマック指数が注目を集める理由は、複雑な経済理論を身近な商品で分かりやすく説明できる点にあります。専門的な経済指標は一般の人には理解が難しいものですが、ハンバーガーの価格なら誰でも直感的に理解できます。

①経済理論を身近に感じられる分かりやすさ

為替レートや購買力平価といった経済用語は難しく感じがちですが、ビッグマック指数なら「同じハンバーガーがなぜ国によって値段が違うのか」という素朴な疑問から経済を理解できます。

この分かりやすさが、経済に詳しくない人でも為替の動きや各国の経済状況を把握する入口として機能しているのです。

②実体経済を反映する精度の高さ

冗談から始まった指標でありながら、実際の為替レートの動きと驚くほど一致することが多く、その予測精度の高さが専門家からも評価されています。

これは、ビッグマックの価格に人件費、地代、原材料費など、その国の経済状況を反映する様々な要素が含まれているためです。

ビッグマック指数の詳しい解説 - 購買力平価の考え方を理解する

ビッグマック指数の背景には「購買力平価」という経済理論があります。これは「同じ商品はどこでも同じ価格になるはず」という「一物一価の法則」に基づいています。

①一物一価の法則とはどんな考え方か

一物一価の法則とは、同じ商品であれば世界中どこでも同じ価格になるという経済学の基本的な考え方です。もし価格に差があれば、安い国で買って高い国で売る人が現れるため、最終的には価格は均等化すると考えられています。

例えば、日本でビッグマックが安く、アメリカで高ければ、日本で購入してアメリカで販売する人が現れます。その結果、需要と供給のバランスにより価格差は縮まっていくはずです。

この理論に基づけば、各国のビッグマック価格を比較することで、適正な為替レートが分かるというわけです。

②購買力平価による為替レート算出の仕組み

購買力平価による為替レート計算は至ってシンプルです。A国でのビッグマック価格をB国での価格で割れば、理論上の適正レートが算出できます。

実際の為替レートがこの理論値より高ければA国通貨は過大評価、低ければ過小評価と判断します。この差が大きいほど、将来的に為替レートが調整される可能性が高いと考えられています。

③エコノミスト誌が始めたユニークな発想の経緯

この指標を生み出した英国の「エコノミスト」誌は、堅い経済理論を身近な例で説明しようと考えました。世界中で販売されているビッグマックに注目したのは、どこでもほぼ同じレシピで作られているからです。

1986年の発表当初は半分冗談のような位置づけでしたが、実際に算出してみると為替レートの実態とよく一致することが分かり、次第に真剣に検討される指標となりました。

現在では年2回定期的に発表され、世界中の経済専門家や投資家が注目する指標として定着しています。

ビッグマック指数を実務で活かす方法 - 投資判断と経済分析への応用

ビッグマック指数は学術的な興味だけでなく、実際のビジネスや投資判断においても活用価値があります。特に海外展開を考える企業や外国為替に関わる業務では、参考指標として有効です。

①海外投資や事業展開の判断材料として活用する

企業が海外進出を検討する際、現地の物価水準や為替リスクを把握することは重要です。ビッグマック指数を参考にすれば、進出先の通貨が割安か割高かをおおまかに判断できます。

例えば、進出候補国の通貨が大幅に過小評価されていれば、将来的な通貨上昇により現地での収益性が向上する可能性があります。逆に過大評価されていれば、為替リスクを慎重に検討する必要があるでしょう。

また、現地での価格設定戦略を考える上でも、その国の購買力レベルを知る手がかりとして活用できます。

②経済ニュースや市場動向の理解を深めるツール

日々の経済ニュースで為替の動きが報じられても、その背景や適正性を判断するのは難しいものです。ビッグマック指数を知っていれば、現在の為替レートが理論値と比べてどの程度乖離しているかが分かり、将来の動向を予測する参考になります。

ただし、この指標にも限界があることを理解しておくことが大切です。実際にはビッグマックのサイズや品質に地域差があったり、現地の税制や規制の影響も受けるため、あくまで参考程度に留めておく姿勢が重要です。

それでも、複雑な経済現象を身近な例で理解できるツールとして、ビッグマック指数は経済リテラシーを高める入口として十分に価値があると言えるでしょう。

参考ページ

MBA経営辞書「ビッグマック指数」

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