キャンペーン終了まで

割引情報をチェック!

CFOとは?企業価値を最大化する財務のプロフェッショナルが持つ重要な役割

投稿日:2025/07/08更新日:2025/08/06タイマーのアイコン 読了時間 7分

CFO(Chief Financial Officer)とは、財務戦略を統括する最高財務責任者です。グロービス経営大学院の教員が執筆した「MBA経営辞書」をもとに解説します。

CFO(Chief Financial Officer)とは

CFO(Chief Financial Officer)とは、日本語で「最高財務責任者」と呼ばれる企業の重要なポジションです。

単純にお金の管理をする人と思われがちですが、実際のCFOの役割はもっと奥深く、戦略的なものです。資金調達や運用といった財務業務はもちろん、経理に関わる全ての責任を負い、企業の将来を見据えた財務戦略を立案・実行する重要な役職なのです。

CFOは、企業の資産にどのような形で資金を投じ、そこから生まれる将来のキャッシュフローを最大化するかを考える、いわば企業価値向上の立役者といえます。財務や経理の専門知識だけでなく、経営全体を俯瞰する広い視野と戦略的思考が求められる、非常にやりがいのあるポジションです。

なぜCFOが企業にとって重要なのか - 変化する経営環境への対応力

現代のビジネス環境において、CFOの重要性はますます高まっています。その背景には、企業を取り巻く環境の大きな変化があります。

①グローバル化による会計基準の変化

グローバル化が進む中で、企業には国際会計基準の導入や、より透明性の高い会計処理が求められるようになりました。これまでの日本独自の会計慣行では通用しない場面が増え、国際的な視点での財務管理が必要不可欠となっています。

CFOは、こうした変化に対応し、世界に通用する財務体制を構築する責任を担います。単に数字を管理するだけでなく、国際的な投資家や取引先に対して、企業の財務状況を適切に説明し、信頼を得る役割も果たします。

②株主重視の経営への転換

近年、多くの企業が株主重視の経営指標を導入するようになりました。ROE(株主資本利益率)やROIC(投下資本利益率)といった指標を重視し、株主にとっての企業価値を高めることが経営の重要な目標となっています。

CFOは、これらの指標を改善するための具体的な施策を立案し、実行する中心的な役割を担います。財務パフォーマンスの向上は、もはや企業の生存に関わる重要な課題となっており、CFOの責任は以前にも増して重くなっているのです。

CFOの詳しい解説 - 戦略的財務マネジメントの専門家

CFOの役割を深く理解するためには、その職務内容と求められるスキル、そして企業組織における位置づけを詳しく見ていく必要があります。

①従来の財務担当者との違い

従来の財務担当者は、主に資金の調達や管理といった実務的な業務を中心に行っていました。しかし、CFOの職務は、そうした外形的な資金調達・管理にとどまるものではありません。

CFOは、企業の資産にどのような形で資金を投下し、そこから生まれる将来のキャッシュフローを最大化していくかという、より戦略的な視点での財務マネジメントを行います。つまり、企業価値を最大化していくための企業活動全般を、お金の面からマネジメントすることが主要な職務なのです。

この役割を果たすためには、財務・経理面での深い知見はもちろんのこと、経営全般を見渡す広い視野が不可欠です。市場動向、競合分析、事業戦略といった様々な要素を総合的に判断し、最適な財務戦略を立案する能力が求められます。

②コーポレートガバナンスにおける位置づけ

CFOという役職は、米国型のコーポレートガバナンス体制の中で生まれた概念です。この体制では、企業の所有と経営(執行)を明確に切り分け、所有者である株主を代理する取締役会が、業務執行を行う執行役員を任命・監督するという形態を取ります。

CFOのような「CXO」という役職名は、従来の会長や社長といった役職とは異なる概念のものです。会長や社長は、所有・執行の役割境界をそれほど明確にしていませんが、CFOは明確に執行責任を負う役職として位置づけられています。

③他のCXOとの連携

CFOは、他の「CXO」と称される執行役と連携しながら企業経営にあたります。CEO(Chief Executive Officer、最高経営責任者)は全体的な経営戦略を統括し、COO(Chief Operating Officer、最高執行責任者)は日々の業務執行を管理します。また、CLO(Chief Learning Officer、最高人材・組織開発責任者)は人材育成や組織開発を担当します。

CFOは、これらの役職者と密接に連携し、財務面からの視点を提供することで、より効果的な経営判断を支援します。特にCEOとの連携は重要で、経営戦略の立案段階から財務面での実現可能性や投資収益性を検討し、戦略の精度を高める役割を果たします。

CFOを実務で活かす方法 - 企業価値向上のための実践的アプローチ

CFOの概念や役割を理解したところで、実際の企業経営において、CFO機能をどのように活用していけばよいのでしょうか。

①財務戦略の立案と実行

CFOの最も重要な役割の一つが、財務戦略の立案と実行です。これには、資金調達計画の策定、投資判断基準の設定、キャッシュフロー管理の最適化などが含まれます。

具体的には、事業の成長段階に応じた最適な資金調達方法を選択することが重要です。創業期であれば創業者や投資家からの出資、成長期であれば銀行融資や社債発行、成熟期であれば内部留保の活用といったように、企業のライフサイクルに合わせた資金調達戦略を立案します。

また、投資案件の評価においても、CFOは重要な役割を果たします。NPV(正味現在価値)やIRR(内部収益率)といった財務指標を用いて投資効果を定量的に評価し、限られた資源を最も効果的に配分する判断を行います。

②ステークホルダーとのコミュニケーション

現代のCFOには、様々なステークホルダーとの効果的なコミュニケーション能力も求められます。投資家に対する決算説明会での説明、銀行との融資交渉、監査法人との協議など、財務情報を正確かつ分かりやすく伝える能力が不可欠です。

特に、投資家向けのIR(Investor Relations)活動においては、CFOの役割は非常に重要です。企業の財務状況や将来の見通しを適切に説明し、投資家の理解と信頼を得ることで、企業の資金調達コストを下げ、株価の向上にも寄与できます。

また、社内においても、経営陣や各部門の責任者に対して財務面からの情報提供や助言を行い、より良い経営判断を支援する役割を担います。複雑な財務情報を分かりやすく説明し、非財務系の役員や管理職にも理解してもらえるよう工夫することが重要です。

このように、CFOは単なる数字の専門家ではなく、企業の未来を財務面から支える戦略的なパートナーとしての役割を果たしています。企業の成長と発展において、CFOの存在は今後ますます重要になっていくでしょう。

参考ページ

MBA経営辞書「CFO」

  • GLOBIS学び放題×知見録

    編集部

    ビジネスパーソンの役に立つコンテンツをお届けすべく、取材、インタビュー、撮影、編集などを日々行っています。

関連動画

学びを深くする

記事に関連する、一緒に学ぶべき動画学習コースをまとめました。

関連記事

合わせて読みたい

一緒に読みたい、関連するトピックをまとめました。

サブスクリプション

学ぶ習慣が、
あなたを強くする

スキマ時間を使った動画学習で、効率的に仕事スキルをアップデート。

17,800本以上の
ビジネス動画が見放題

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

利用者の97%以上から
好評価をいただきました

スマホを眺める5分
学びの時間に。

まずは7日間無料
体験してみよう!!

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

新着記事

新着動画コース

10分以内の動画コース

再生回数の多い動画コース

コメントの多い動画コース