管理会計とは「経営のためのメーター」である。
ビジネスの現場では、会社の状態を把握し、戦略的に行動するために「数字」が重要です。中でも管理会計は、経営の意思決定を支援するための内部向けの会計であり、車でいうところのスピードメーターや燃料計のような存在です。目的地(経営目標)に向かって、安全にかつ確実に進むために、必要な情報をドライバー(経営者や現場マネージャー)に届ける役割を果たします。
※本記事は、GLOBIS学び放題の学習コース、「管理会計」の内容をもとにしています。実務で活用する方法など、より詳しく管理会計について知りたい方は、ぜひ動画をご覧ください。

財務会計と管理会計の違い
この2つは目的と使う相手が異なります。
- 財務会計:株主や投資家など外部向けに会社の業績を報告するための会計。貸借対照表や損益計算書を使います。
- 管理会計:会社内部の意思決定や問題解決のための会計。KPI(重要業績指標)などを活用し、経営活動を可視化します。
管理会計の目的は「現状の見える化」により、適切な判断を促すことです。これは単に数字を追うだけでなく、数字の裏にある「なぜこの数字が重要なのか」を考えることに繋がります。
管理会計は全社員にとっての「共通言語」
管理会計というと、経理部や財務部が使うものと思われがちですが、実は営業、製造、マーケティングなどあらゆる部署が活用すべき知識です。というのも、経理部に届く頃にはすでに数字は「結果」として決まっており、改善には至りません。意思決定の段階で数字を活かすためには、現場の一人ひとりが管理会計の基本的な考え方を理解しておく必要があります。
管理会計で重要な3つの狙い
管理会計には、主に以下の3つの目的があります。
- 迅速かつ正確な意思決定:戦略に沿った行動を支援するための情報提供。
- PDCAによる経営管理:予算と実績の差を分析し、改善を図る。
- 戦略の浸透と実行支援:全社の方向性を理解させ、モチベーションを引き出す仕組みづくり。
特に3つ目の「戦略の実行支援」は、管理会計が単なる「記録」ではなく、「経営の舵取り役」であることを示しています。
管理会計の第一歩は「KPIの設計」
KPI(重要業績指標)は、戦略に基づいた目標を数値で表したものです。たとえば、「売上高」や「営業利益率」などの財務指標だけでなく、「顧客満足度」や「在庫回転率」などの非財務指標もKPIとして活用されます。
ここで重要なのは、KPIは自由に設計できるが、戦略との整合性が最優先という点です。たとえば、京セラのアメーバ経営では、人件費を差し引く前の利益をKPIに設定するなど、独自のKPI設計が業績に貢献しています。
学びを実務に活かすために
管理会計は単なる「会計知識」ではなく、経営の意思決定を支える実践的な道具です。だからこそ、「財務諸表を読めるようになる」ことよりも、「自分の仕事がどの数字に影響するのか」を考えることが大切です。
たとえば、営業なら受注額や利益率、製造なら不良品率や稼働率など、それぞれの現場で注目すべき指標は異なります。自分の業務と数字を結びつける視点が、管理会計を使いこなす第一歩です。
まとめ:管理会計を学ぶメリット
- 現場から経営判断まで幅広く活用できる
- 意思決定のスピードと質を高められる
- 戦略と現場の動きを一致させられる
- チームや個人のモチベーション向上に繋がる
管理会計は、あらゆるビジネスパーソンにとって、成果を出すための「羅針盤」です。もしまだ触れたことがないなら、今こそ学び始める絶好のタイミングかもしれません。
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