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グローバル人材育成最前線!丸紅アカデミアの未来像〜丸紅・上杉氏×グロービス・池田

投稿日:2020/06/17

本記事は、HRカンファレンス2020「グローバル人材育成最前線~変革を推進するイノベーション人材輩出のヒント~」の内容を書き起こしたものです(全3回 後編)  

池田新氏(以下、敬称略):それでは、ここからは上杉さんにご質問に答えていただきます。丸紅アカデミアの狙いは変革を牽引する人材育成ということですが、学んだことを行動に移してもらうために、会社としてはどのようなフォローをしておられるのでしょうか?

上杉理夫氏(以下、敬称略):会社としては、アカデミアプログラムの事務局であるデジタルイノベーション室、人事部、経営企画部が、丸紅アカデミアの参加者からの提言を実行につなげる機能を担っています。ここで学んだこと、または提言をしたことが発表だけでは終わらないように、できる限り行動に結びつくように今進めているところです。

アカデミアでの学びが実ビジネスへ影響を与えられているかと言いますと、正直、まだまだできていない部分はたくさんあります。ただ、これから実際にアカデミアプログラムを経験した人が新しい取り組みに積極的に着手したり、「やりたいんだったらやってみなよ」という後押しの仕組み、会社全体の雰囲気づくりは、これからどんどん進めていこうと考えています。

新型コロナが丸紅アカデミアに与える影響

池田:続いての質問は、まさにタイムリーなトピックです。新型コロナで海外を含む移動制限があることは、アカデミアにどのようなプラス面・マイナス面があると想定されていますでしょうか。

上杉:アカデミアの最大の特徴が、世界の最先端を訪問して、直接話を聞く、自分の問いを投げかける、というリアルな接点です。新しいビジネスモデルを創造して事業展開しているベンチャー企業や、次世代に向けて変革を推進している大企業と対話を通じて、メンバーの五感を刺激し、ひとりひとりが当事者意識をもって考え、未来に向けた行動を促すことを重視していました。しかし、この新型コロナの状況を踏まえて、来月行うアカデミアに関しては、すべてオンラインで予定しております。アカデミアの特徴であるリアルな接点が実現できないのは残念ですが、オンラインでもクオリティの高いプログラムを実現するために、グロービスさんとの協業を通じて試行錯誤しています。グロービスさんは、オンラインのプログラムに関しては多くの経験値もございますし、運営の進め方、研修の進め方のみならず、テクニカルな部分のサポート、グループディスカッションのやり方ですとか、学びの共有、それから集中力がもつ時間など、そういったところを一緒に設計してくださっています。これから少しずつ様々な移動制限が緩和されていくと思いますが、ポストコロナはオンラインとオフラインが融合していくのが新常態になってくると思います。オンラインの強みと、リアルの良さを組み合わせることで、従来よりも一層プログラムの高度化を図っていきたいと思っております。

池田:ありがとうございます。アフターコロナは、リアルとバーチャルがうまくブレンドして、それぞれの良さを生かした形になるのではないかということで、私どもも、そのようなプログラムをどんどん開発していこうと今、努力をしております。

丸紅アカデミア参加者の評価、その後の活躍

池田:次の質問ですが、アカデミアの評価はどのようにされているでしょう?

上杉:アカデミア自体は、プログラムの中で学んでいることが中心になりますので、現業における評価とは別になります。実際にアカデミアに参加することで評価が下がるということがないようにはしていますし、アカデミアで頑張って学んだことを、また組織に戻って共有をする、学びを共有して組織全体の底上げにつなげる、こういったことに関しては組織で評価しています。

しかし、このプログラム修了後、意識が高くなった人たち、目が外に向いた人たちを活用して、より変革を加速させる仕組みが社内でまだ整っていないので、それをどうするかというのが今の課題となっています。

池田:なるほど。今年が3期生ということですが、1期生・2期生の方々のその後の活躍はどうですか。

上杉:1期生とはアルムナイセッションとかでもいろいろ話をしているのですけれども、プログラム期間中は実感なかったのですが、プログラムが終わったあとに、「あそこで学んだことはこうだったんだ」と気づいたり、実務の中でいろいろ発想しているときに「あの学びがここに結びつく」と感じることが実は多くなっていると聞いています。なので、実際のそれぞれのビジネスフィールドにおいて活用できるような知見、経験、海外に対するものの考え方、世の中、未来に対する思考、こういったところでアカデミアの経験が生きているのではと思います。アカデミアのメンバー25名が世界中から集まって、また戻っていく、「そのネットワークというのを使って新しいビジネスができないか」という話も出てきていますので、そういう意味では、終わったあとのネットワーク効果、それから本人のレベルアップ、両方が少しずつ出てきているというのが現状です。

丸紅アカデミアの参加資格

池田:次の質問です。この丸紅アカデミアに参加される方々は自薦・他薦共にあるということで、20代から50代、幅広く設定しているそうですが、応募資格とはどのような基準があるのでしょうか?

上杉:募集に際して特に制限を設けていません。年齢も職歴も資格制限も設けず募集をかけていますので、実際、20代から50代まで幅広い応募が来ます。選定の際に意識していることは、自分の考えを持って議論が出来ること、そして自らの行動に結び付けられることです。全プログラムを英語で行いますので、最低限の語学力は求められますし、様々な国から、様々なバックグランドを持ったメンバーが集まっていますので、多様性のあるメンバーの中で相互理解を行う能力が必要です。本プログラムでは多様性というものが非常に重要になってくると思っているので、特定の営業部・国籍・性別の偏りが出ないことはもちろんですが、思考のプロセスや視点の違い、視座の高さなど、さまざまな人を混ぜて、その中から出てくる予想外の化学変化、それを促すというようなメンバー構成にしています。

池田:25人の枠ですが、だいたい何人ぐらいの応募があるのですか。

上杉:募集人数に対して、およそ3倍の倍率です。公募の場合ですと小論文を通じて、アカデミアへの思い、当社の変革に対する志を書いていただき、総合的に判断している状況です。25人という限られた枠になっていますので、残念ながら参加を見送らせて頂くこともありますが、何度もチャレンジできるような仕組みにしています。

池田:参加者の方はアカデミアで学んだことを、その後、社内でどのように展開されていますでしょうか?

上杉:社内では積極的にアカデミアで学んだことを発信しています。広報部と協力しながら社内イントラや社内報を通じて発信していますし、初年度はプログラム修了後に学びを共有する全社説明会も実施しました。ただ、本当の意味でアカデミアの学びを浸透させるのは、事務局が全社発信を行うことではなく、アカデミアメンバーが自発的に学んだこと、感じたことについて周囲に共有することです。まわりの人を呼んで集め、「今回学んできたことはこういうことだよ」というものを伝える、これが非常に重要だと思っています。実際にメンバーの中には、学んできたことを組織の中にフィードバックをするということを繰り返し行っている人もいますので、そういったことを少しずつ広げることによって、「アカデミアってこういうことをやるんだ」と伝播し、アカデミアを正しく認知してもらえると思います。正直、プログラムとしては非常に厳しい。英語で事前アサイメントを行う、参考図書を読むのも難しいし、最後のアウトプットを作り上げるのも大変な作業です。しかも、年4回のセッションを1週間合宿型で行いますので、実質的に1年間のうちの1か月相当をアカデミアに割いてしまうというようなものですが、プログラムを通じてメンバーの行動が目に見えて変化していけば、アカデミアの成果が出てくると思います。このプロジェクトを続けていくことによって丸紅を変えていければというふうに考えております。

池田:企業価値向上そのものにストレートに取り組んだ、このユニークな人材育成プログラム、そもそも、この企画はどういうような背景でできあがったのでしょうか。

上杉:従来丸紅では、10年に1度、若手が集まって丸紅の未来を考えるという、未来像タスクフォースというものが行われてきました。2017年に行った未来像タスクフォースの学びが非常に大きかったこと、これだけ世界の変化が早くなっている状況を考えると10年に1回ではなくて毎年開催すべきではないかという意見も多かったことから、丸紅アカデミアを開催するに至りました。単なる研修ではなく、行動に結びつけるプログラムを行うことで、時代に即した変革のスピードが加速すると考えたわけです。どんどん新しいものを吸収し、自らの行動に結びつくことによって、実際の自分たちのビジネスの変革につなげる、会社全体の意識・文化の改革にもつなげる、というふうに考えてスタートしました。

池田:このアカデミアの次のステップは、どうような未来像を描いていますか。

上杉:まずは、10年間アカデミアを続けられるようにしたいと思っています。10年続ければアルムナイを含めてアカデミアメンバーが250人になりますし、それぞれが周囲10人を巻き込めば、2,500人に変化を起こします。それにより変革を加速させ、本プログラムの目的である企業価値向上につなげていきたいと思います。アカデミアのプログラムは時代の変化に合わせて変えているため、1年目と2年目を比べると7割近いコンテンツを変えています。事務局も毎年1ステップずつ進化できるように常にクオリティを意識していますし、メンバーが行動を起こし、実際のアウトプットを出せるような会社の仕組み、人材の活用など、検討していく必要があると思っています。

池田:本日はありがとうございました。

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