企業の「成長」とは?ユニコーン企業から企業が評価されるポイントを考える

成長性分析

近年、ユニコーンと呼ばれる巨大な新興企業のニュースを目にする機会が増えました。例えば、自動車配車サービスを提供するUberや滴滴出行、自宅などを宿泊施設として貸し出す(民泊)サービスを提供するAirbnb、起業家向けのコワーキングスペースを提供するWeWorkなどです。日本でもフリーマッケートアプリを提供するメルカリが日本初のユニコーン企業として注目を浴びました。

ユニコーン企業とは、「創業10年以内」「評価額10億ドル以上」「未上場」「テクノロジー企業」といった4つの条件を兼ね備えたベンチャー企業を指すと言われています。規模が大きく、成長スピードも速いため、社会に対して大きなインパクトを与えています。そのような状況を踏まえて、日本政府も統合イノベーション戦略推進会議にて日本でのユニコーン企業の創出を議論しています。

成長性分析とは?

さて、ユニコーンを含むベンチャー企業の特徴として「成長スピード」がよく挙がりますが、企業の「成長」とは一体何を指すのでしょうか?

■成長性分析 (視聴時間:00:58)

企業の成長(成長性)を見る場合、売上高や総資産といった財務諸表の数字を用いる場合と店舗数やユーザー数といった独自の数字を用いる場合があります。ここでは、財務諸表の数字を使って、メルカリとサイゼリアを比べてみます。

サイゼリヤは、2019年10月時点の時価総額が約1,300億円程度であり、時価総額は10億ドル(1,090億円程度)以上とされているユニコーン企業に近い時価総額を有する企業です。1973年に創業し、イタリアンレストランチェーンを展開しています。直近3年で店舗数が1,300店から1,500店に増えるなど拡大を続けています。この2社を比べてみることで、ユニコーン企業の特徴が見えてきます。

■売上高と経常利益と自己資本比率は?
サイゼリヤの財務状況は、売上高156,527百万円、経常利益9,731百万円、総資産108,970百万円、純資産85,177百万円(2019年8月期の連結財務諸表より)です。メルカリが上場する直前の事業年度(2018年6月期※)の数字と比べてみると、サイゼリヤの売上高は35,765百万円のメルカリの4.4倍。赤字のメルカリに対し、サイゼリヤは100億円近い経常利益を出しています。自己資本比率は46.2%のメルカリに対して、サイゼリヤは77.6%となっています。売上高においても、収益性、安全性においてもサイゼリヤの方がメルカリを上回っています。

■売上高の成長率は?
続いて、売上高の成長率を見てみます。サイゼリヤは直前3期の売上高はそれぞれ139,277百万円、148,306百万円、154,063百万円となっており、年平均成長率は4%を実現しています。対するメルカリは、4,237百万円、12,256百万円、22,071百万円。年平均成長率はなんと104%!売上高の成長性においては、圧倒的にメルカリがサイゼリヤを上回っています。

一般的に、ユニコーン企業は収益性や安全性よりも成長性が重視されていると言われています。財務諸表から判断する場合、売上高や利益(経常利益、税引き前利益等々)といった数字の成長性が、メルカリのユニコーン企業たる所以と言えるでしょう。

企業を評価する際は、特性やステージに応じて評価する指標を使い分けることが必要です。

※メルカリは、2018年6月期(2017年7月1日~2018年6月30日の事業年度)の途中の2018年6月19日に東京証券取引所マザーズに上場していますが、当年度のほとんどの期間が非上場でした。そのため、ユニコーンの条件を満たしていた最後の事業年度とみなして、2018年6月期の数字を使っています。

 

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