キャンペーン終了まで

割引情報をチェック!

これだけ愛を注いでいるのに・・・なぜなんだ?

投稿日:2009/04/22更新日:2019/04/09

「質問です!」質疑応答の場面で、元気よく手があがりました。ここはフェイス総研が主催する部下育成研修の場面。

「はい、ではA課長どうぞ!」

促す私にA課長は真剣な表情でこう切り出しました。

「部下のB主任のことで悩んでいます・・・」。

A課長の悩みは、こうです。次期後継者候補としてA課長が最も目をかけているB主任。仕事もよくでき、やる気もトップクラス。しかし悩みの種は主体性が低いこと。定型業務のように、やることが明確な仕事には指示がなくても積極的に動くのですが、本部との折衝なども苦手なのかA課長に任せっきりだというのです。

「どうやら不得意なことになると、知らん顔をしがちなのです」。A課長は物足りなさそうに話します。

必要なのは「重圧」、「愛情」、そして・・・。

私は部下育成で教えたばかりのキーワードをもとにA課長に質問をしてみました。「A課長、B主任へ対して『重圧』と『愛情』をたっぷりと注いでいますか?」

A課長は迷いなく即答しました。「はい!人一倍、誰よりも多くの厳しさと愛情をB主任へ注いでいます!」

私は、謎が解けた、と思い、こう続けました。「では、パワーバランスはどうですか?」と。

パワーバランス!謎が晴れた!という表情でA課長は大きくうなずきました。

人を育てる3つのP。これこそ私が提唱する人材育成に必須の3要素です。一つ目のPはプレッシャー、つまり重圧です。人は厳しい山を越えて初めて成長します。簡単な仕事を数多くこなしても成長はしません。厳しい責任と重圧、それを乗り越えて初めて成長する。そのために上司は意図的に高いハードルを部下へ課さねばなりません。

しかし一方でそれだけではどんな優秀な部下であっても潰れてしまう。厳しさに耐えるだけの心のガソリンが必要なのです。それは、上司からのたっぷりと注がれる愛情、つまり2つ目のP、パッションです。この愛情は先にあげた一つ目のP、プレシャーと同等かそれ以上であることが必要。えてして私たちは「部下のため」を言い訳に愛情を少ししか与えず、プレッシャーだけを放り投げて自ら楽をしてしまいがちだからです。

そして重要なのが3つ目のPであるパワーバランスなのです。

これは上司と部下の間のパワー比率です。もしも上司のパワーが強すぎてあれこれ指示命令や口出しをし過ぎていたならば、部下のパワー比率は相対的に下がってしまい、成長することができない、という心理学の理論です。つまり上司と部下とでパワーの合計は常に一定、ということ。上司が強すぎおせっかいを焼きすぎる場合は部下はパワーを発揮する場がなくなり、成長できない。つまり部下が育たないのは口を出しすぎる上司のせい、ということなのです。

「オグラさん。謎が解けました」A課長はスッキリとした顔でこうつぶやきました。「B主任の問題だと思っていたけれど、原因は僕にあったんですね」。

なぜ、育たないんだ!と上司がイライラしている場合、ほとんどの場合原因は上司そのものにあります。他人を指さすのではなく、自分を指さす。人材育成はそこから始まるのです。

▼「INSIGHTNOW!」とは

ビジネスコンサルティングサービスを提供するクイックウィンズが、2006年4月にスタートしたWEB2.0時代のオンラインビジネス情報誌。独立系/現役コンサルタントや経営者などのビジネスのプロフェッショナルが、「ビジョナリー(先見の人)」として、各専門分野における知見をダイレクトに情報発信している。ユーザー参加型オンラインビジネスメディアというコンセプトは、INSIGHTNOW!に訪れるビジネスパーソンと共に、さまざまな知識を持った人がお互いの知見を交換することで、より大きな価値を生み出せるという「オープンナレッジ」という考え方に基づいている。

新着記事

新着動画コース

10分以内の動画コース

再生回数の多い動画コース

コメントの多い動画コース

オンライン学習サービス部門 20代〜30代ビジネスパーソン334名を対象とした調査の結果 4部門で高評価達成!

7日間の無料体験を試してみよう

無料会員登録

期間内に自動更新を停止いただければ、料金は一切かかりません。